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世界冒険編/第一章
第七話 至高術式
しおりを挟む「えっとーなんで??」
「ある実験…を含めた模擬試合みたいなもんだ」
「あぁ…うん…。わかった、やるからには本気でやるよ!」
ルルは魔力を限界まで解放した。
「いいじゃん。こい…!」
よし…一撃で仕留めるしか勝ち目はない!いくよルル!頑張るよ!
「ヘイドシッタ流!玖式!至高美曲!」
幾千の剣が音楽を奏でるように、ディスタに攻撃を開始した。
「おぉ、さすがにいい技を習得しているな」
しかしディルは無傷。
「まだだよ…!豪華水っ─」
ディルは、一瞬でルルに近づき、魔法を強制解除させる。
「っ!?」
「よし、ルル。この試合でお前に習得してもらいたいのは至高術式だ」
「い、今の何!?…唱えてたのに…」
ルルは魔法の強制解除に驚いてる様子だ。それもそう、他者の魔法を強制解除するのは世界でも少ない。しかしどれも弱くするに留まり、完全解除は八神王レベルにならないとできない。
「まぁまぁ、で話聞いてた?」
「まぁ…うん。至高術式でしょ?それって100万人に1人が使えるって言う最強の証みたいな術式じゃないの?私なんかが使えるのかな、」
「事実、人類の中では100万人に1人程が使えるが、実際は誰でも使えものだ。努力すればな。俺の場合は生まれつき魔法の才能には恵まれていたものだから幼い頃から使えたがな。俺の至高術式をひとつ見せてあげよう。《流星光底》…」
ルルはずっとディスタを見続けた。しかし、後ろから「俺はこっちだぞ」とディルの声がする。振り返ったルルはそこにディルがいるのを目にする。
「え…ディルが2人?」
「それは残像だ。俺が移動する事に残像が増えていくのだ。移動する最高速は光と同じでいつかは見えなくなっていく」
「これが至高術式…。ディル、どうすればできようになるの?」
ルルは強くなりたい、その一心でその言葉を放った。
「方法は3つある。1つ、努力する。1つ、死を感じる、。1つ、禁断の果実を口にする。最後の禁断の果実を口にするという選択はあまりおすすめしない。俺もお前の敵になるからな…」
「それってどういうこと…?」
ルルは気になるという気持ちと恐怖心が合わさっているようだ。
「まぁいずれ知ることになるから今はいいさ」
「そう…死を感じるって…それで今日この試合を…?」
「あぁ。仮にルルが死にそうになっても蘇らせることはできるから安心しろ」
ルルは困った顔をする。
「そういう問題かなぁ…」
「まぁいいやるぞ、ん?いやちょと待て。異空間…そうそうこれがあった」
何も無い場所に黒い穴があきこからロボットのようなものを取り出す。
「え…なにそれ」
戸惑うルル。
「これは機王と言う奴が開発した訓練ロボットだ。こいつはUT2400。魔力量240万の訓練機だ。こいつと戦って頑張って至高術式を習得しよう」
「ちょーーーーっとまっっって!魔力量240万って何!?私魔力量60万だよ?」
一般人からしては魔力量1万でもすごいほうだ。60万ましてや240万は天才と言われる。
「S級は100万超など普通、ましてや200、300マ万などそう珍しくないぞ。これに勝てないようならS級にはなれないな」
「わかった…わたしやるよ…」
ルルは小さな拳を握りしめた。
『UT2400起動。訓練対象、動作レベル、機体出力限界、活動時間を設定ください』
「訓練対象ルル・ヘイドシッタ。動作レベルはS級相当。機体出力限界は…うーん。最初は120万。次第に出力を解除していけ。活動時間は無制限」
『かしこまりました。ではルル・ヘイドシッタ様の本人認証をお願いします』
悪用されないようにUT2400には音声認証機能が着いている。
「えっ?」
『確認取れました。これより訓練を開始致します』
UT2400は、ルルに急接近し魔法を放ってきた。
「ちょっ!急すぎ!対応しきれないって…!!」
ルルは対応しきれずに魔法をくらい吹き飛ぶ。魔力量が体に及ぼす影響はたくさんある。身体機能の向上や、覚えられる魔法の量、高度の術式を習得する時間の短縮など、様々である。よって高い魔力量を誇るUT2400とルルのレベルの差は歴然。ましてや八神王であるディスタなどは、八神王ましてや、神位保持者の神しか対等に渡り合えないだろう。その領域までディスタは到達しているのだ。
そんなディスタはルルにとある期待をよせる。それは─
『訓練対象、ダメージ損傷率39%、引き続き攻撃を開始します』
「さっきはよくもやってくれたわね!次天属、剣聖!天延!」
ルルが剣を抜き、UT2400を指す。
「発動!」
弾丸のように衝撃波がUT2400に放たれる。
『機体損傷率3%、攻撃に支障なし。次天属「剣聖」天延』
UT2400から先と同じ攻撃がルルに放たれる。
「いっっ…ったぁ…!」
ルルは銃で撃たれたような傷がお腹にある。
「あっつぅ…、くそ同じ攻撃をより精度よく返してくる…めんどうだな…。これは返される前にやるしかない…!」
ルルは自らの切り札を使うようだ。
「ヘイドシッタ流剣術拾壱式、暴廃戦争…!」
地面が少しずつ朽ちていく。そしてルルは再び剣をUT2400に向ける。両手は赤く光り、限界を迎えてるようだ。
「くらえ…っ!」
刹那のこと。それはルルがUT2400に近づく時間であった。
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