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世界冒険編/第一章
第六話 八神王・魔王《ディスタ・ロスタ》
しおりを挟む「え…そ、それはどういうことです?」
「そのままだ。魔王ディスタは私だ。この力は私が神位保持する者であるためでありセルシア、君のような人間は到底八神王にはなれないだろう。しかし諦めるにはまだ早い。今からアテナに合わせてやる。アテナの従属である閃煌に弟子入りせよ、君の心を読んだ。光王になりたい本当の理由を…」
「…」
セルシアは黙り込む。
「では行くとしよう」
光の都アルテナ。その中心にある威光神殿《グラン・スタンセル》
「光王様。魔王ディスタ・ロスタ様が面会を申しています」
「ディスタが妾になんの用か…にしても会うのは久しいな…通せっ!」
大きい扉が開き魔王ディスタとセルシアが入ってくる。
「ん?ディスタ。その人間は誰だ。見覚えがあるがよぅわからんな」
「今日はこいつをアテナに紹介するために来たんだ」
「そう…。それでなんのようか」
アテナはディスタに問う。
「こいつはセルシア。んでアテナ、こいつをお前の部下の閃煌の弟子にしてくれんか?」
「あぁ、あいつか数年前に妾が神聖属を付与した人間か。しかし閃煌の弟子に?なぜ人間を?」
「まぁ色々とな、俺に免じて頼まれてくれないか?」
「んぅ…まぁディスタが言うなら良いだろう。えーっと…どうしても名が思い出せん。人間名を名乗ってくれ」
セルシアは感情が入り交じっている感じだ。
「えっ…えっと、セルシア・アンスタシアです…陛下」
「そう…シーナ」
呼ぶと一瞬でアテナの前に現れた閃煌ノ肆。
「お呼びで御座いましょうか。アテナ陛下」
「そやつを弟子にしてやりなさい」
「能力値を図らせて頂きます」
閃煌ノ肆シーナは相手の能力値を判断することが出来る。
「…セルシア・アンスタシア…魔力量が780万。それ相応にはあるようね。属性が神聖属「光王」…っ!?陛下に認められし存在。楽しめそうですね、他には三帝属「守護」、至高属「煌将」…普通の人間とは思えないほどいい素質をお持ちのようで」
シーナはまだ弱いものを見る目だ。
「あ、ありがとうございます…」
「成長性がA+、王素質B-か…鍛えがいはあるようですね陛下」
「どう?シーナ」
「様子見で弟子にさせていただきます陛下」
その言葉を聞いた瞬間セルシアの顔が明るくなった。
「よかったな、セルシア」
「ええ!!」
セルシアを弟子にするのは完了した。たまには魔界に戻るか。
「アテナ。魔界門を開いてくれないか?」
「それくらいならいいだろう」
ディスタは約3ヶ月ぶりに魔界に戻る。
「たしかになー」
「だよな!やっぱり─」
悪魔達が会話する中、魔界に魔王ディスタが戻る。それは魔界全体に魔王の圧が伝わる。それは全然魔族の体を重くする。
「うっ…あぁ…これ絶対魔王様がご帰還されたな…」
「さすがだよな…ここ魔王城から6000kmくらいは離れているのに」
魔界はとても広くそれは地球1個分である。ちなみに人口は60億人程。
そして魔界。ロスタ島─
魔王《エンケラ・ヴェウス》大逆ノ間
「魔王様!ご帰還されたのですね!」
帝ノ漆リネ・ピスヴェリアが出向く。
「リネか、まぁアテナの場所にいたから、ついでという感じだ」
ディスタは言う。
「ついで…いつ旅から帰られるんですか?」
「さぁ。そんなのは完了してからじゃわからんぞ」
「そうですかぁ…」
リネは落ち込む。
「まぁそう落ち込むな、いつかは帰ってくるのだから」
「はい…」
「そういえばリネ。他の帝達はどこだ?」
ディスタは魔王城にリネしかいないことに気づく。
「あぁ。ネーナは闇王に対抗すべく魔王軍の軍備増強をしています。ネルナは第二王城建設の監修に行って、他の方達はそれぞれの統治地区に向かいました」
魔界は全世界を魔王が統治しているが、計6大陸のうちその5大陸を各帝2人ずつが統治している。(例外あり)
1大陸は魔王が直轄統治している。
「そうか、各統治省からの報告はあるか」
「はい。現状魔界は安定していて各地域にも他種族の侵入は認められません」
リネは書類を見ながらディスタに言う。
「わかった…それじゃあ、私は人界に帰ろうかな」
「えぇ…もう行っちゃうのですか…?」
「時は無限では無い。有限だ。それに生きている時間の中で限られた時間を過ごすならば効率よく時間を大事にしないといけないぞ。リネも覚えときなさい」
「はい…」
人界に戻ってきたディスタ。
「ちょっとディル!どこいってたのよ!」
「まぁ色々」
「女の子を1人置いてくとかひどいなぁー」
こいつを女と捉えるにはいささか難しいな…
「はいはい。じゃあまた訓練始めるぞ」
「はぁ…大変。だけど頑張るよ!私!」
「あぁ。是非頑張ってくれ、」
もう少しで至高術式が宿るか…そうすれば多少は強くなってA級16位から恐らくA級3位ら辺までは行けるだらうな…まぁその至高術式も彼女の才能によるけどな…ここは一か八か試すか…
「おいルル。今から俺と戦うぞ…」
「えっ?」
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