5 / 16
世界冒険編/第一章
第五話 新冒険者協定
しおりを挟む「第13代目広域圏冒険者協会会長に就任したのは、ウルト公です」
約1ヶ月、無会長状態だった協会に新しい指導者が就任したのである。
「私は大規模な改革をする。まずは冒険者定数の変更だ…。従来はG級が3名、S級が7名、A級が24名だったが、これからはG級が4名、Sが13名、A級が36名とする」
これは世界中にいる冒険者達に影響を与えた。
「そして入隊条件も引下げる!入隊年齢は10歳以上、初等科学校在籍記録保有者そして種族は関係無いものとする!」
この発言から数日後。冒険者の数は爆発的に増え、よりG、S、A級が優遇されることになった。
冒険者の人数は、全体で約9000人で約3倍にもなった。
そしてこいつにも影響が…
「えーっ…!私の順位がっ…1個上がって16位になってる!」
「良かったな。俺は相変わらず3位のままだ」
ディルとルルは冒険者協会本部がある王都2番街ベスティアン本部に来ていた。
その1階にある冒険者級位名簿を2人で見ていた。
「ディルでさえ強いのに、その上にさらに二人いるとは…どれくらい強いんだろう。てか新たなG級4位って誰なんだろ…」
「それは私よ!」
気品のある女性が言った。白のタキシードのような服には様々な勲章がつけられ、そして彼女は鎧をつけていた。そして腰には剣を帯刀し、ベータンスレイ王国騎士団の指揮官を意味する飾緒をつけている。
「ま、まさか!ベータンスレイ王国騎士団将軍兼王国の王位継承権第2位…セルシア・アンスタシア様!?」
「そうよ!元S級1位でこの度G級入りしたセルシアは私よ!」
「ほう…お前が4人目のG級…」
ディルは少しだけ興味をむけた。
「あなたそのバッチA級ね…?そしてあなた。G級3位ディル・ヘッドロスタね?」
「あぁ…そうだが?」
「私と勝負してちょうだい。上に立つものの強さを知りたいの」
急に決闘をもちかけられたが冷静なディル。
「いいだろう…お前が勝てばG級3位の座をやろう」
「じゃあ貴方が勝ったら─」
「何もいらぬ。欲はとうの昔に尽きた」
「そ、そうなの…?」
そして、数十分後。協会本部第一決闘場に来た、G級の2人。
「G級3位と4位の戦い…G級同士などの戦いなど前代未聞だぞ…」
「しかしG級になったのもつい先日のこと…以前はS級だ…」
冒険者達は様々なことを言う。
「では始めようか…」
「本気で来てくれない?じゃないと意味が無いわ」
「いやそれは叶わんな。お前が死んでしまう」
「へぇ…随分と余裕そうね…そんなに言うなら行かせてもらうわよ…っ!!」
セルシアは大したことじゃないと思われていると思い怒りと共に攻撃を開始した。
「神聖属光王…閃光騎士煌…っ!」
へぇ…アテナに認められた人間か。しかし…
「神聖属…魔王。無神聖制御、」
セルシアの魔法が放たれる前にディルにより無効化されてしまった。
「なっ!?無効化…!?それよりも神聖属魔王持ち…!?魔王ディスタに認められているってこと…、、、」
瞬時にそこまで理解できるとはかなり頭がきれるな。
「あぁ。そうだ」
「くっ…まぁいいわ…まだ勝負は終わって─」
「いるな、」
ディルは容赦なくセルシアの頭を掴み地面に叩きつけた。
「G級4位と聞き、力もそれなりに等しいかと思い期待したのが馬鹿だったか、」
「ディル…強すぎでしょ…G級なったばっかとはいい、あの方はもとS級1位よ…!?」
「うっ…あ、あの強さ…」
ディルは場を後にした。
数日後。協会本部
「ディル殿はいるか!」
「誰が騒いでるんだ?」
ディルは図書館の椅子に座り、八神王学の本を見ていた。
「多分あのひと…」
勢いよく図書館の扉が開き、ディルに迫る。
「ディル殿…!実は─」
「ここは図書館だ。静かにしろ」
「あっ…すいません…。それで実はお願いがあって…」
セルシアは反省の色を見せる。
「なんだ?」
「私を弟子にしてくれませんか…!」
「弟子か…それは無理だな。あんたはG級4位。そして王国近衛騎士団の将軍だろ。力はもうあるはずだが?」
ディルは断ると共に人間の割には実力があると言った。
「いえ…それじゃダメなんです…ディルさん…私は光王陛下になるのが夢なのです」
「光王になるにはそれは大変だぞ。莫大な力、最高位の地位、そして無限に近い富が必須だ。それを手にしたとしても1番大事なのは、光王に認められた光王継承権を有するかどうかだ」
「光王継承権…」
「あぁ。光王継承権は光王が次代光王にふさわしいと判断したものにあげるものだ。継承権第2位じゃだめだ。第1位が必要だ」
そう…八神王になるには壮絶な努力と天から貰いし才能が必要なのだ。
「覚悟の上です。私は光王陛下を崇拝し敬愛しています。その光王になりたいと私は思ったのです」
「セルシア…場所を変えよう」
ディルとセルシアは、図書館を出て協会本部光王教会聖堂に来た。その椅子に座る2人。
「セルシア。君に言う。これは他言無用だ。もししたら呪いで死ぬ。本題だ、私は八神王より強力な力を持つ。その理由は私が現2代魔界皇帝…いわゆる魔王ディスタ・ロスタであると共に、神でもあるからだ」
「え…」
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる