現役魔王が冒険者 ~最強の力で運命と戦う~

天々

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世界冒険編/第一章

第八話 習得

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UT2400の首を刈っ切ろうとする。刃は首に当たる。しかし─

『硬化装甲負荷43%。軽破。直ちにカウンターを発動。対象へ攻撃をします』

「しまっ…!」

『略式、流派暴廃戦争ファイネル

斬撃がルルを襲う。ルルの体にあたり、臓物が飛び出ようとしている。がその時─

「し…死なな…い…っ!」

吐血しながらも最後の力を振り絞る。

「超絶…再生…」

それは魔法を唱えようとしたが、ルルは無意識に術式を発動していた。

…来た…!ルルの至高術式オーソリティクション…!

「よし…」と言いルルに近づくUT2400を一撃で破壊するディル。

『そ、そそそ…損傷…り、率97.9%…ききき、きの、機能てい…し…』

「上出来だルル。それをまた再現し習得しろ…」

ルルの傷は全て治り、目を覚ます。

「ディル!私できた!?」

「あぁ。出来た。あとはそれを何回もし完全に扱えるようにするだけだ」

「えぇ…キツすぎない…?」

「なぁに、俺が攻撃し瀕死状態の時に発動しできないなら俺が再生するまでだ。安心しろ一応痛覚無効化はしておく」

至高術式を完全に扱えるようにする方法で1番手っ取り早いのは、何回も試し何回も死ぬことである。稀にできる術式発動のコツを掴み扱うという方法である。だとしても一般人は死んだら復活出来ないのでこの方法はおすすめしない。

そして─

気づけば、1ヶ月の月日が流れていた。

「うん。いいだろう。完璧だ」

この1ヶ月の間に超絶再生・Iに加え、もうひとつの至高術式オーソリティクションである、騎士道・Iを習得していた。

「やっと…やっと終わった…、、もう無理しぬ…」

ルルは地面に横たわっていた。

「死んだらまた蘇生してあげるぞ」

「ありがたいけど、もう死なないし……ってか、ディルは術式どれくらい持ってるの…?」

ルルは重い体を起こしディルに質問する。

「あぁーそうだな。軽く見積もっても200以上はあるだろう」

「にっ、200っ…!?やっぱG級おかしいよ…」

「ルルもいずれそんくらい習得できる」

「そうだといいけどね。あそうだ試しにひとつ見せてよ!」

この願いはなんとも危険な頼みである。それはディルが現役魔王ディスタ・ロスタであるためだ。魔王じゃなく八神王級の強さを誇るものは、同じ術式でも訳が違う。より鍛えられ洗練された術式の重みは人類の術式が叶うわけが無いのだ。そんな魔王の術式を見たいというのは死にに行くようなものと言っても過言である。例えばルルが光属性の至高術式オーソリティクションの最上級術式の一つである、神越流星群・IIIをディルに使ったとしてもディルが最下級術式である光星雲海・Iと天界雲影・Iどちらかを使用したら絶対と言ってルルが負けるという程の差である。

「まぁいいか、どうなっても知らんぞ」

「だいじょぶだいじょぶ!私には超絶再生があるから!」

「強すぎるとあれだから最低火力の最下級術式を使うとするか…」

「えー、せっかくなら本気でやってよ!」

本気…か…。最後に本気出したのはいつだろうか。

「はぁ…俺の本気は恐らく全ての人類が死滅する。だから3割でいいだろ?」

「うーんそこまでいうなら…」

「決まりだな…モード=オビリティル《壊滅形態》…」

ディルは魔王単体での出力の形態モード=オビリティルに変化した。それは通常時のディルの約12万倍の力を誇る。

「神越流星群…」

その時、ディルを中心に世界中の人間誰しもが目にできる程の大きさの魔法陣が空に現れる。そこからは数多の流星が振り注ごうと光をともしていた。しかし…あまりにも強力な流星群のため、到達は愚か、空に現れるだけで重力で惑星の近くが崩壊し始める。そしてそのすぐあと、惑星中にある活火山が噴火をし、空は直ぐに火山灰に覆われ、火山灰が地面に降り始める。

「え…?ディルこれってどういうこと…!?」

「俺の術式は回復系以外発動させたら98%の確率で惑星が破壊される。それほど強力だということだ…」

「え……」

まぁこんなとこにしておくか。

「時空再生」

すると壊れていた地殻など進んでいた時間が逆行を始めた。

「記憶還元、テウニュートヘブン」

ディスタの上に門が現れる。非常におおきく、その門は天国正門《アストラル》であった。

門が開くと光が差し、世界を照らす。そして全世界の生命体の記憶を吸収し、天国へと誘った。

そして破壊された木々などが全て治っていく。

「タイムスタート」

時間が数分巻き戻った。

「─持ってるの?」

ルルは重い体を起こし質問をした。

「秘密だ。ルルが強くなったら教えてやるさ」

「えぇ~!なにそれ~、、」

「まあまあ。至高術式オーソリティクションを習得できたんだからいいじゃんか」

ディルは必死に話をそらす。

「そうじゃん!習得したんだった!よし!今ならS級にも勝てる気がする!そうとなればすぐにでも!」

「…は…?」



王都──

決闘場の控え室にいた、ルルとディル。

「あのなぁ。習得してすぐ決闘なんぞ聞いたことないぞ。すこしは学習しようぜ?」

「気持ちが上がってる今がチャンスじゃん!」

『さぁーて!次の試合は!A級16位ルル・ヘイドシッタ対A級7位ノルモフ・バロホウの決闘です!!』

司会者が大きな声で選手紹介をし、決闘が始まろうとしていた。

「それじゃ…行ってくるね…!」

「あぁ…せめて勝ってこいよ」

S級って言ってたのに、相手はA級かよ…
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