現役魔王が冒険者 ~最強の力で運命と戦う~

天々

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世界冒険編/第一章

第十三話 実力試し

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数週間後。世界冒険者連合、通称連合は冒険者が増えると共にある問題を抱えていた。それは質の低下。今までは強者が弱者を訓練していたりと質の向上が見られていたが、あまりにも人がため、間に合ってないのである。

「そこでだ。君に連合の最高戦闘教官に任命する」

それを言われたのはディルであった。

「その場合、冒険は出来なくなるということですか?」

「冒険者の本文は、世界中に旅立ち魔獣などを絶つことだ。冒険はしてもらって構わない。が、消臭には来てくれ」

「分かりました。では連合の学舎に行けばよろしいですか?」

「あぁ。本部近くにある中央学舎に行ってくれ。あぁあと副官にSS級の者をつけといた。頼んだぞ」

「では、失礼します」

ディルは部屋を後にした。



ディルは、中央学舎に最高戦闘教官室を設けられそこに居た。

椅子に腰を下ろし一段落しているその時コンコンとノックが聞こえた。そしてディルは入れ、と言った。

「失礼します。総監より、副官を任されました。SS級14位のアナスタシア・リオンフォルトです。よろしくお願いします」

「G級3位ディル・ヘッドロスタ。よろしく頼む」

「G級様を拝見できて光栄ですね」

約900万の頂点に立つ6人のG級。この6人を見れるのは非常に光栄な事である。

「あぁありがとう。それで、学舎に集まった生徒たちってどこの帯のものが多いんだ?」

「はい、主にB級が多いようですね。まぁ学舎見学と行きましょう」

学舎を回るディルとアナスタシア。

「ここが戦闘基礎学を学ぶ教場です」

「なるほどね…。先程B級が多いと言ったがA級はいるのかね?」

「はい。いますけど?」

「そう。私はB級などの訓練も必要と考えるがS1級やA級の訓練の方が必要と考えるんだよ。先のイオ・カリテストル戦においてS級やA級は、言い方悪いがとても戦力とは呼べなかった。S級A級に上がったからと言って浮かれているものが多い気がするのだ。これは協会に限った話だが、決闘も同じレベルが対決するだけで、強さの見せつけにはなっていない。そこでだ、この連合でのSS級からB1級の1位から15位までの計105人。私と戦うように命じる。私に一撃でも与えられたなら私は納得するが、もし私が勝った場合はSS級からB1級は、とあるレベルを規定として、再教育をするように願う」

アナスタシアはディルの考えを理解した。

「各級15位まで。つまり私もですか?」

「あぁ。君もだ。副官だけ例外というわけも行かないからな」

「かしこまりました。全員に通達しときます。ですけど、SS級を舐めすぎですよ?いくらG級と言えど、数の暴力には勝てませんよ」

アナスタシアはディルを睨む。

「かかってこいよ。G級の強さ見せてあげるよ」



2週間後。世界最大の決闘場《ラウンド・ハウト》連合幹部や各国首脳も観戦していた。そして世界各地にいた各級の15位までがアリーナに集まった。

「この度は、私の考えを飲んでくれてありがとう。手短に行いたいため、すぐ戦闘を開始するよ」

数分がたち連合チームは、会議をしていた。

「SS級1位のエスカー・ルティオン。本チームの指揮を担当する」

皆は、静かに聞く。

「相手はG級だ。世界最強の冒険者。我々も強力だが、相手はもっと強力だ。我々がちゃんと強いって言うことを証明しようではないか!」

「うぉぉぉぉ!!!」

そしていよいよ来た。

「今回の決闘の主審を承る総監のロツェラだ。只今よりG級3位ディル・ヘッドロスタvs連合チームの決闘を開始する!」

「かかれぇ!」

SS級を筆頭に、ディルに襲いかかる。

神聖属魔王を使うか否か。使えば新聞の記事になるだろうな。だが…力の誇示にもなるだろうな。神聖属を持つやつは、SS級にもいるだろうしな。

まぁ。最初は魔王マゼビルの使用は辞めるか。

「神聖属火王フェンネル大防炎リュオル

ディルを囲うように火の壁が現れ、連合チームの行く手を阻む。

「ちっ、神聖属…っ!普通のように使いやがる…」

「安心しろ!俺に任せとけ!」

SS級1位エスカーは、自信満々に言う。

「神聖属!火王フェンネル!炎砕拳!」

火の壁に火の拳で挑むエスカー。そして火の壁には穴が空いた。

「へっ!余裕だ─」

「神聖属偽王フェリア否定ジェネラル




「─はっ!?」

何が起きた…??俺は今炎砕拳を放ったはず…。しかしなぜ、なぜまだ火の壁に穴が空いていない。

行われた行為を完全否定する魔法否定ジェネラル

「神聖属…光王セイフォス閃光騎士煌アストラル・ディメンション!」

何も無い空間から光の剣が現れディルを刺しにかかる。

「セルシアか。無駄なことを否定ジェネラル



っ、やっぱ魔王ディスタ。最強ね…!

「隙ありぃぃぃいい…!!」

剣をディルの首にめがけ振りかざしに来るアナスタシア。

「相当あのことを根に持ってんのな。魔王マゼビル強制ペイン、」

発動した瞬間、アナスタシアの動きは止まる。

「っ…なっ…なにこれ…」

「お前じゃ勝てないってことなんだよ。副官。一緒に強くなれよ」



「お、俺らじゃ…この戦いに入るすべがないな…」

A2級1位トゥランは自らの力に失望する。

「そうですね…」

A2、A1、B2、B1級は為す術なくディルに降伏。

「そろそろ終わりにするか…」

腕を首に巻き付けるようにした後横に一振。

強風が会場全体を覆った。

「これは凄まじいな」

ロツェラは一言漏らす。
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