現役魔王が冒険者 ~最強の力で運命と戦う~

天々

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世界冒険編/第一章

第十五話 氷の聖女

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「聖女様。準備完了です。世界初の実戦投入された機器。魔法無効化装置《カシオペア》楽しみですね」

馬車の車内。聖女ルフォナと補佐が会話している。

「安全のためと言えど、これがバレたら世界のバランスが崩れるわよ、ハンフェル魔法大国が戦争を始めるわよ」

人類が数十年以上研究してきた神に対抗しうる技術の結晶。カシオペア。一定エリアの魔法を完全無効するものだ。常時発動魔法も強制解除できる、神器に匹敵する。

「とはいえ、エリアが決まっているなら意味無くない?」

「それは平気です。固定機に比べれば性能は劣りますが、コンパクト化した、移動可能のカシオペアを開発しました。まだ試作段階でありますけどね」

固定機型のカシオペアは直径100mというバカでかい機械なのである。それゆえ効果範囲も2kmと大きい。

「そうなのね、まあ私はなんでもいいけどね」

馬車が止まり、扉が開く。

「聖女様。お降り下さい」

聖女が降りると街の人々は歓声で溢れかえる。

「聖女様ぁー!!」

「きゃー!!」

聖女は笑顔で人々を相手する。

少し歩き、広場に出る。

「いやはや、遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。私は帝国海運局主幹のゴーセッツです。ささ、こちらへ」

その目の前には車があった。

「車…初めて見ましたよ」

セントリリシア帝国。世界序列第二位の国。車や電車などがあり他国との技術力は雲泥の差。ベータンスレイ王国も王都だけ車などが普及してきている。

聖女と補佐、そしてゴーセッツと運転手が乗車した。

車が進み出した。

「このまま王宮へ向かいます。約10分で到着します」

「あぁ」

王宮の警備はすごいだろうね、

バロン補佐あれカシオペアは平気なの?」

「はい。対金属加工もされて、普通のものには見えないようになっています」

「そ」



セントリリシア帝国、北の隣国《リュロ共和国》の最高峰バッセルの麓地下数百メートルの謎の施設。

「総帥お待ちしてましたよ。また会えて嬉しいです」

「あぁ。俺も会えて嬉しいぞ、エパー」

そう。そこにはバンベルクの姿があったのだ。しかしバンベルクの右腕は欠損し、包帯が巻かれていた。

「総帥。その腕…」

「あぁ…、これはな」



遡ること、約2週間前。フレイ王国、国王邸。

「大罪人、バンベルク・サウスフォード連れてまいりました!」

王座の間に腕を縛られ入ってくるバンベルク。皇帝、宰相、大臣、貴族、そして民衆がバンベルクに視線を送る。

両膝を地につけ銃を頭部に突きつけられている。

「大罪人バンベルク。貴様に発言権をやる。何か言い残すことはあるか」

皇帝は、バンベルクに冷酷な視線と共に、最後な質疑をする。

「民を道具のように扱うお前に言い残すことなどあるわけが無いだろう」

「ふんっ…。奴を処刑しろ」

兵士が引き金を引き、銃弾が放たれた。

─だが。防御魔法で死を免れた。

「死に際までしぶといやつだ!」

剣を持った兵士が近寄り、頭目掛け振りかざす。

「はぁっ!」

咄嗟に縄を切り右腕で防ぐバンベルク。切れ味の良い剣かは知らんがバンベルクの肘から下はずり落ちた。

「へっ!逃げさせてもらうぜ!」

その瞬間。国王邸、王座の間が爆破した。

「陛下!」

護衛についていたものが騒ぎ立てる。

「さっ、逃げますよバンベルクさん」

「お前は…」

1人の軍人がバンベルクを逃がそうとする。

「説明は後で…行きますよ」

そして軍人とバンベルクは国王邸を後にした。



「まぁそんな感じだ。んでこの組織の次帥が命の恩人ヘル・オースティンあの人だ」

「ご紹介されたヘル・オースティンです。よろしくございますね」

「あぁ。よろしくお願いします。しかし軍部の人…信用出来るのですか?」

ヘル・オースティンは元フレイ王国軍大佐である。

「信用も何も、こいつは組織の兵装を準備してくれたんだ。艦艇2隻に、戦車類21輌。銃器とかも400丁。これだけしてくれて部下だとしても信頼をしないというのは逆に無礼だと思うぞ」

「まぁそうですね…」

「だろ?…あ、それで戦闘員達はどれほど集まった?」

エパーは後ろにいた兵士に聞き、バンベルクに教える。

「戦闘員は計9000人。非戦闘員は2000人とのことです」

「意外と集まったな…これで計画も遂行できる」



「陛下。お久しゅうございます」

「全く久しい。ルフォナ・アーティファクトよ」

厳粛な玉座の間。ただ二人の声が響く。

「率直に言う。余の力を我が帝国に捧げたまへ。さもなくば…」

「御無礼ご承知の上お答えしますが、我々の力は全ての生き物の自由で平等のあるところに、存在致します。人族一国に軍事利用されるわけには行かないのです。もし利用されるのであれば、我々の力は消失し、神が裁きを下すでしょう…」

「そうか…」

皇帝が手を挙げる、それと共に兵は銃を構えルフォナに向ける。帝国政府の高官たちは誰もがまた血を見るとそう感じた。そして皇帝は手を下ろす。引き金が引かれ銃口からは銃弾が放たれ、ルフォナに向かう。

「神聖属、水王ウォリア─」

時間は遅くなる。1秒が10秒に感じる。それ程の。

「水裂華」

水が銃弾を包み込む。それは水の壁そう言えるだろう。

「っ…聖女の力を侮っていたな」

「自由の力は、貴方方のような者に扱える力ではありません」

皇帝は兵に目で合図を送る。

五人の軍人が玉座の間に入ってきた。

「…」
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