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10歳〜アストレカ大陸編【旅芸人と負の遺産】
想定外の乱入者
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○○○ フレヤ視点
おかしい。
誘拐されてから20分程経過しているけど、シャーロットから何の連絡も来ない。
オトギさんがオーキス達と合流していれば、私の誘拐事件もすぐに伝わるはず。
どうして、何の連絡もないの?
まさか、オトギさん自身が竜人族と手を組んでいるの?
とにかく、彼女からの連絡が来るまで、私が依頼者と話し合い情報を引き出さないと。今の姿になって以降、私は《聖女代理》として、《強さ》だけでなく《話術》も磨いてきた。その成果を見せる時よ!
1) 誘拐した目的は?
2) 魔物騒動を起こした犯人なのか?
3) オトギさんも、彼らの仲間なのか?
この場にいるのは私だけ!
弱味を見せてはいけない。
かといって、強気でいくと怪しまれる。
相手を怒らせず、話し合いを行いましょう。
「あ、フレヤ様、依頼者が前方に見えたっすよ」
飛び始めて30分弱、カビバラの声に反応したものの、目の前には彼の大きな背中があるため、依頼者を確認できない。私達はドラゴンの背中に乗っていて、未だ遙か高い上空にいるから、相手も従魔に乗っているのね。
「カビバラ、その様子だと成功したのね?」
声の質は少し低い。
男性だと思うのだけど、言葉遣いが女性のように感じるわ。
「フェルボー二様、成功したっす! 俺の後ろにいるっす!」
フェルボー二と呼ばれた竜人族が、私の見える位置に来た。うわあ~、ドレッドロングヘアーだわ。前頭部付近に、カビバラと似た角がある。
強面で冷徹そうな顔立ち、それにかなりの筋肉質、この人強そうだわ。鎧を身につけてないけど、彼の着ている服自体が鎖帷子のように編み込まれていて、何処か異質に見える。背中に抱える一振りの漆黒の大剣、多分《魔剣》かな?
従魔のスカイドラゴンも、彼の動きに細心の注意を払っているわ。
「あなたがフレヤ・トワイライト嬢ね。私はフェロボーニ・カッツィーノよ。見てわかるように竜人族、手荒なまねをしてごめんなさいね。シャーロット様やデッドスクリームに気づかれないよう誘拐するには、こうするしかなかったの」
私の背筋に悍ましい寒気を感じた!
この人、怖い!
声を聞いた瞬間、声色が余りにも外見と掛け離れているせいだわ!
「フ…フレヤ・トワイライトです。何故、私を誘拐したのでしょうか?」
怖いけど、少しでも時間稼ぎをして情報を引き出そう。
「ごめんなさいね。本来であれば、称号【聖女】を持つ者であれば誰でも良いの。といっても、シャーロット様を誘拐しちゃうと、私の国が滅びるわ。ランダルキア大陸の聖女は《とある事情》で誘拐出来ないの。ハーモニック大陸の聖女に関しては、ランダルキア大陸東方の国々に気づかれる危険性もあるから却下。必然的に、あなたが誘拐対象に選ばれたわけ」
この人達の望むものは、称号【聖女】を持つ女性。
そこは理解できたわ。
でも、明らかな齟齬がある。
「あなたのことを調べさせてもらったわ。《全属性》で《魔力量400》を超えている将来有望な子供、あなた…秘密にしているようだけど、称号【聖女】を所持しているわね。当時、国内ではシャーロット様の事件で騒がれていたから、国王も止むを得ず【聖女代理】にしたのよね? うふふふ、わかって・い・る・わ・よ♡ 全て…ね」
ゾゾゾゾゾゾ、鳥肌が~~!!
この人、カビバラ以上に苦手だわ!
どういうわけか、凄い勘違いをしている。
私の持つ称号は、【聖女】ではなく【海女】です!
聖女を海女に構造編集したから、副次効果も同じなんです!
そこを突っ込みたいけど、この状況で言える雰囲気じゃないわ。
もしかして、彼らは《私》と《イザベル・マイン》が同一人物だと見抜いているのかしら? 迂闊なことを喋れば、証拠隠滅で殺されるかもしれない。
「カビバラさんにも言いましたが、【聖女】という称号は魔法適性が全属性に変化して、魔力量が高くなるだけで、それ以外の恩恵はありませんよ?」
「うふふふ、宗教上の価値としてはと~っても高いのよ。といっても、私達には関係ない話だけど。あなたには、このままランダルキア大陸の【ある遺跡】に行ってもらうわ。遺跡に入るためには、称号【聖女】を持つ女性が必要なの」
ランダルキア大陸にある遺跡?
そんな事のために、わざわざ私を誘拐したの?
「その遺跡に入れたら、私は用済みで殺されるのですか?」
「まさか、殺さないわよ。あなたを【国賓】として、丁重にお迎えするわ。情報によると、その遺跡内では【エスケープストーン】を使用できないの。出入り口は1箇所のみ。そして、入る時も出る時も【聖女】の力が必要なの。つまり、聖女がパーティー内にいないと、【脱出】も無理なのよ。途中で死なせてしまったら、パーティーメンバーは一生遺跡内で過ごすことになるわ」
【聖女】がキーパーソンとなる遺跡、そこには何があるのかしら?
私を国賓として扱う以上、国自体が遺跡攻略に力を入れているのは確かね。
どうしよう?
このまま遺跡に連れて行かれたら、間違いなく聖女ではないと証明されてしまう。スカイドラゴンによる飛行でも、ランダルキア大陸までの道程は遠い。それまでには、シャーロットが確実に気づいてくれると思う。
問題は、その後の行動ね。
「事情をしっかりと説明すれば、シャーロットだってわかってくれるはずです。遺跡攻略を目指すのであれば、尚更私よりも彼女の方が適任ですよ?」
スキルと魔法が魔導具で封印されている以上、周囲に敵が潜んでいるのかもわからない。ここは、話を素直に聞き入れた方が良さそうね。
「うふふふ、あなた年齢の割に賢いわね~~~。あと10年程したら食べちゃいたいわ~~。私、両方イケるのよ~~~」
ひいいいいぃいぃぃぃぃい~~~全身から悪寒が~~~~~!!!
「私達には《とある目的》があって、どうしてもその遺跡を攻略したいの。ただ、その行為をシャーロット様や他の国々に知ってほしくないのよ。だから、あなたも私達の国で永住してもらうわね~~~。そのために、誰にも気づかれずあなたを誘拐したのだから」
目的どうこう以前に、あなた達の国は私を攫った時点で既に詰んでいます。
「その《とある目的》…というものは何ですか?」
「うふふ、ごめんなさいね。それは、ランダルキア大陸に入ってから教えてあ・げ・る。それと、ここは高度5000mだけど、魔導具【一本釣り】の機能で気圧や酸素濃度も調整されているから安心してね」
上空5000m!?
言われて気づいたけど、息苦しさを全然感じないわ。
私を囲うこの魔導具もかなり優秀だけど、名称が気にいらない。
「さあ、カビバラ行くわよ」
「了解っす!」
まずい、またあの速度で飛ばされたら、フェルボー二とお話できるのがかなり先になってしまうわ!
「あ、ちょっと待ってください! あと2つだけ聞きたいことがあります」
「っもう、何かしら? 手短にね」
せめて、あの件だけは確認したい。
「王都北と南の騒動、オトギさんにデュラハンを嗾(けしか)けたのはあなた達ですか?」
え、フェルボー二の顔付きが急に変わった?
やはり、全てが彼らの差し金なの?
「フレヤちゃん、前者は私達の仕業だけど、後者は何のことかしら? まさか…あの【蒼青の悪魔】があなたの学園にいるの?」
《蒼青の悪魔》の意味がわからないけど、オトギさんはこの人達と無関係なのね。
……良かった。
「あの……その二つ名の意味はわかりませんが、人間族の《オトギ・ミツルマ》という《旅芸人兼冒険者》がエルディア王国王都内にいます」
え…ええ!?
フェルボーニとカビバラの顔色が、どんどん蒼ざめていく!
「あいつが…どうして…ここに…ああ、二つ名に関しては知らなくて当然ね。ランダルキア大陸全土において、決して手を出してはいけない人物が2名いるのよ。1人目がコウヤ・イチノイ、二つ名は【鬼神の覇者】。2人目がオトギ・ミツルマ、二つ名が【蒼青の悪魔】よ」
コウヤ先生は理解できるけど、どうしてオトギさんがそこまで恐れられているのかしら?
「まさか、あの悪魔もこの国にいたなんてね。《コウヤ・イチノイ》は国や街を第一に考え、竜人族を大切にしてくれるから、殆どの国において国賓扱いされているけど、オトギ・ミツルマは違う。あいつは…あの悪魔は…」
【おっと、そこから先はフレヤに話すなよ】
え、この声はオトギさん!?
フェルボー二の顔色が、急速に変化していく。
というか、何処にいるの?
「あ…あ…蒼青の…悪…魔、あ…な…た、いつから?」
「うん? ずっといたよ。 カビバラがフレヤを誘拐した時から…ずっと…な」
え、ずっといたの!?
全然気づかなかったわ。
フェルボー二が、何故か自分の背後を気にしている。
そこに、何かがいるの?
私からは何も見えないわ。
「なるほど……ズフィールド聖王国か」
「あ……魔法【真贋】…何故…あなたがこの国に……」
フェルボー二もカビバラもスカイドラゴン達も、恐怖で震えている。多分、私以外を威圧しているんだわ。肝心のオトギさんの姿が見えないけど、何処にいるのかしら?
あ、フェルボー二の背後で何か動いた!?
え?
な…な…な…生首~~~~~~!!!
「俺はシャーロットに、用事があってな。全く、最終目的地に到着したと思ったら、てめえらが俺とほぼ同じタイミングで騒動を起こすもんだから、シャーロットやフレヤに疑われているんだよ。この落とし前、どうつけてくれるんだ? ああ!!」
オ…オトギさんの頭だけが、空中にフヨフヨと漂っているわ!
しかも、フェルボー二の真正面に移動したと思ったら、彼を睨みつけている!
どういうことなの~~~!?
おかしい。
誘拐されてから20分程経過しているけど、シャーロットから何の連絡も来ない。
オトギさんがオーキス達と合流していれば、私の誘拐事件もすぐに伝わるはず。
どうして、何の連絡もないの?
まさか、オトギさん自身が竜人族と手を組んでいるの?
とにかく、彼女からの連絡が来るまで、私が依頼者と話し合い情報を引き出さないと。今の姿になって以降、私は《聖女代理》として、《強さ》だけでなく《話術》も磨いてきた。その成果を見せる時よ!
1) 誘拐した目的は?
2) 魔物騒動を起こした犯人なのか?
3) オトギさんも、彼らの仲間なのか?
この場にいるのは私だけ!
弱味を見せてはいけない。
かといって、強気でいくと怪しまれる。
相手を怒らせず、話し合いを行いましょう。
「あ、フレヤ様、依頼者が前方に見えたっすよ」
飛び始めて30分弱、カビバラの声に反応したものの、目の前には彼の大きな背中があるため、依頼者を確認できない。私達はドラゴンの背中に乗っていて、未だ遙か高い上空にいるから、相手も従魔に乗っているのね。
「カビバラ、その様子だと成功したのね?」
声の質は少し低い。
男性だと思うのだけど、言葉遣いが女性のように感じるわ。
「フェルボー二様、成功したっす! 俺の後ろにいるっす!」
フェルボー二と呼ばれた竜人族が、私の見える位置に来た。うわあ~、ドレッドロングヘアーだわ。前頭部付近に、カビバラと似た角がある。
強面で冷徹そうな顔立ち、それにかなりの筋肉質、この人強そうだわ。鎧を身につけてないけど、彼の着ている服自体が鎖帷子のように編み込まれていて、何処か異質に見える。背中に抱える一振りの漆黒の大剣、多分《魔剣》かな?
従魔のスカイドラゴンも、彼の動きに細心の注意を払っているわ。
「あなたがフレヤ・トワイライト嬢ね。私はフェロボーニ・カッツィーノよ。見てわかるように竜人族、手荒なまねをしてごめんなさいね。シャーロット様やデッドスクリームに気づかれないよう誘拐するには、こうするしかなかったの」
私の背筋に悍ましい寒気を感じた!
この人、怖い!
声を聞いた瞬間、声色が余りにも外見と掛け離れているせいだわ!
「フ…フレヤ・トワイライトです。何故、私を誘拐したのでしょうか?」
怖いけど、少しでも時間稼ぎをして情報を引き出そう。
「ごめんなさいね。本来であれば、称号【聖女】を持つ者であれば誰でも良いの。といっても、シャーロット様を誘拐しちゃうと、私の国が滅びるわ。ランダルキア大陸の聖女は《とある事情》で誘拐出来ないの。ハーモニック大陸の聖女に関しては、ランダルキア大陸東方の国々に気づかれる危険性もあるから却下。必然的に、あなたが誘拐対象に選ばれたわけ」
この人達の望むものは、称号【聖女】を持つ女性。
そこは理解できたわ。
でも、明らかな齟齬がある。
「あなたのことを調べさせてもらったわ。《全属性》で《魔力量400》を超えている将来有望な子供、あなた…秘密にしているようだけど、称号【聖女】を所持しているわね。当時、国内ではシャーロット様の事件で騒がれていたから、国王も止むを得ず【聖女代理】にしたのよね? うふふふ、わかって・い・る・わ・よ♡ 全て…ね」
ゾゾゾゾゾゾ、鳥肌が~~!!
この人、カビバラ以上に苦手だわ!
どういうわけか、凄い勘違いをしている。
私の持つ称号は、【聖女】ではなく【海女】です!
聖女を海女に構造編集したから、副次効果も同じなんです!
そこを突っ込みたいけど、この状況で言える雰囲気じゃないわ。
もしかして、彼らは《私》と《イザベル・マイン》が同一人物だと見抜いているのかしら? 迂闊なことを喋れば、証拠隠滅で殺されるかもしれない。
「カビバラさんにも言いましたが、【聖女】という称号は魔法適性が全属性に変化して、魔力量が高くなるだけで、それ以外の恩恵はありませんよ?」
「うふふふ、宗教上の価値としてはと~っても高いのよ。といっても、私達には関係ない話だけど。あなたには、このままランダルキア大陸の【ある遺跡】に行ってもらうわ。遺跡に入るためには、称号【聖女】を持つ女性が必要なの」
ランダルキア大陸にある遺跡?
そんな事のために、わざわざ私を誘拐したの?
「その遺跡に入れたら、私は用済みで殺されるのですか?」
「まさか、殺さないわよ。あなたを【国賓】として、丁重にお迎えするわ。情報によると、その遺跡内では【エスケープストーン】を使用できないの。出入り口は1箇所のみ。そして、入る時も出る時も【聖女】の力が必要なの。つまり、聖女がパーティー内にいないと、【脱出】も無理なのよ。途中で死なせてしまったら、パーティーメンバーは一生遺跡内で過ごすことになるわ」
【聖女】がキーパーソンとなる遺跡、そこには何があるのかしら?
私を国賓として扱う以上、国自体が遺跡攻略に力を入れているのは確かね。
どうしよう?
このまま遺跡に連れて行かれたら、間違いなく聖女ではないと証明されてしまう。スカイドラゴンによる飛行でも、ランダルキア大陸までの道程は遠い。それまでには、シャーロットが確実に気づいてくれると思う。
問題は、その後の行動ね。
「事情をしっかりと説明すれば、シャーロットだってわかってくれるはずです。遺跡攻略を目指すのであれば、尚更私よりも彼女の方が適任ですよ?」
スキルと魔法が魔導具で封印されている以上、周囲に敵が潜んでいるのかもわからない。ここは、話を素直に聞き入れた方が良さそうね。
「うふふふ、あなた年齢の割に賢いわね~~~。あと10年程したら食べちゃいたいわ~~。私、両方イケるのよ~~~」
ひいいいいぃいぃぃぃぃい~~~全身から悪寒が~~~~~!!!
「私達には《とある目的》があって、どうしてもその遺跡を攻略したいの。ただ、その行為をシャーロット様や他の国々に知ってほしくないのよ。だから、あなたも私達の国で永住してもらうわね~~~。そのために、誰にも気づかれずあなたを誘拐したのだから」
目的どうこう以前に、あなた達の国は私を攫った時点で既に詰んでいます。
「その《とある目的》…というものは何ですか?」
「うふふ、ごめんなさいね。それは、ランダルキア大陸に入ってから教えてあ・げ・る。それと、ここは高度5000mだけど、魔導具【一本釣り】の機能で気圧や酸素濃度も調整されているから安心してね」
上空5000m!?
言われて気づいたけど、息苦しさを全然感じないわ。
私を囲うこの魔導具もかなり優秀だけど、名称が気にいらない。
「さあ、カビバラ行くわよ」
「了解っす!」
まずい、またあの速度で飛ばされたら、フェルボー二とお話できるのがかなり先になってしまうわ!
「あ、ちょっと待ってください! あと2つだけ聞きたいことがあります」
「っもう、何かしら? 手短にね」
せめて、あの件だけは確認したい。
「王都北と南の騒動、オトギさんにデュラハンを嗾(けしか)けたのはあなた達ですか?」
え、フェルボー二の顔付きが急に変わった?
やはり、全てが彼らの差し金なの?
「フレヤちゃん、前者は私達の仕業だけど、後者は何のことかしら? まさか…あの【蒼青の悪魔】があなたの学園にいるの?」
《蒼青の悪魔》の意味がわからないけど、オトギさんはこの人達と無関係なのね。
……良かった。
「あの……その二つ名の意味はわかりませんが、人間族の《オトギ・ミツルマ》という《旅芸人兼冒険者》がエルディア王国王都内にいます」
え…ええ!?
フェルボーニとカビバラの顔色が、どんどん蒼ざめていく!
「あいつが…どうして…ここに…ああ、二つ名に関しては知らなくて当然ね。ランダルキア大陸全土において、決して手を出してはいけない人物が2名いるのよ。1人目がコウヤ・イチノイ、二つ名は【鬼神の覇者】。2人目がオトギ・ミツルマ、二つ名が【蒼青の悪魔】よ」
コウヤ先生は理解できるけど、どうしてオトギさんがそこまで恐れられているのかしら?
「まさか、あの悪魔もこの国にいたなんてね。《コウヤ・イチノイ》は国や街を第一に考え、竜人族を大切にしてくれるから、殆どの国において国賓扱いされているけど、オトギ・ミツルマは違う。あいつは…あの悪魔は…」
【おっと、そこから先はフレヤに話すなよ】
え、この声はオトギさん!?
フェルボー二の顔色が、急速に変化していく。
というか、何処にいるの?
「あ…あ…蒼青の…悪…魔、あ…な…た、いつから?」
「うん? ずっといたよ。 カビバラがフレヤを誘拐した時から…ずっと…な」
え、ずっといたの!?
全然気づかなかったわ。
フェルボー二が、何故か自分の背後を気にしている。
そこに、何かがいるの?
私からは何も見えないわ。
「なるほど……ズフィールド聖王国か」
「あ……魔法【真贋】…何故…あなたがこの国に……」
フェルボー二もカビバラもスカイドラゴン達も、恐怖で震えている。多分、私以外を威圧しているんだわ。肝心のオトギさんの姿が見えないけど、何処にいるのかしら?
あ、フェルボー二の背後で何か動いた!?
え?
な…な…な…生首~~~~~~!!!
「俺はシャーロットに、用事があってな。全く、最終目的地に到着したと思ったら、てめえらが俺とほぼ同じタイミングで騒動を起こすもんだから、シャーロットやフレヤに疑われているんだよ。この落とし前、どうつけてくれるんだ? ああ!!」
オ…オトギさんの頭だけが、空中にフヨフヨと漂っているわ!
しかも、フェルボー二の真正面に移動したと思ったら、彼を睨みつけている!
どういうことなの~~~!?
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