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3章 異世界交流
34話 光希の不満 *光希視点
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咲耶お姉ちゃん、お母さんからのアドバイスを受け取ってから、すぐに[コバートノビル]という植物の採取に向かったんだね。左上の交流レベル1の横にお姉ちゃんのお顔もあったのに、急に暗くなって[スキルOFF]に変化しちゃった。
「う~ん、私のパソコンやタブレットでアプリ[異世界交流]を検索しても、ヒットしてこないわ。光希のタブレットにだけ入っている特殊なアプリのようね。正真正銘、世界に一つしかない光希だけのアプリよ」
世界に一つだけのアプリ!?
咲耶お姉ちゃんと唯一交流できるのが私……なんか凄く良い響きだ。
「うふふ、よかったわね。でも、お父さんと悠太が知ったら、嫉妬しちゃうかもね~~。お爺ちゃんとお婆ちゃんも、これを見たら喜ぶわ。ただ、今は文章だけの交流だから、せめて写真を送受信できるまでは黙っておいた方が良いかもね。写真があれば、2人も絶対に信用してくれるわ」
「わかった、それまでは秘密だね!! お父さんとお兄ちゃん、早く帰ってこないかな~~」
咲耶お姉ちゃんのおかげで、お母さんの小説の方も捗ったようで、私は2人でおやつを食べて、のんびり録画したアニメ番組を見ていたら、お兄ちゃんが帰ってきた。自分の部屋で私服に着替えてきたお兄ちゃんに、さっき起きた出来事を話し、証拠のタブレットをどうだと言わんばかりにズンって見せると……呆然と立ったまま、タブレットを見続けた。
「はは、これは姉さんで間違いない。まさか、異世界と交流を図れるなんてな。しかも、光希を選んだ理由も、実に姉さんらしい」
そうだよ、お姉ちゃんは凄いんだよ!!
私の悩んでいること、当ててくれたもん!!
「あのねあのね、まだレベル1だから、もっと増やしていったら、色んな機能が実装されるんだって!! お姉ちゃんの話だと、互いの写真の送受信は絶対に可能だって言ってた!!」
異世界アステリアスか~~~、どんなところなのかな~~~。行くのは無理でも、どんな風景なのか、早く知りたい。
「写真の送受信、まずは姉さんの仲間たちを見たいな。というか、この説明欄を読んだ限り、もう現世の両親に天罰を与えたのか。多分、ルウリとフリードが大きく関係しているな」
「お兄ちゃん、何でわかるの?」
「うん? 今の時点で強力なスキルがあったとしても、姉さんの強さは普通の10歳児と大差ない。人の仲間も、ベイツさんと10歳のユウキだけだ。どう考えても、従魔2体が何らかの力を使い、姉さんと両親を無理矢理出会わせ、力で何もかもを捻じ伏せたんだろう」
「ほ~~~~~、そんな強い従魔さんを味方にしているお姉ちゃんが凄いよ!!」
ルウリは鳥さん、フリードは猫又さん、どんな姿なのかな?
早く、姿を見たいな~。
《ピコン》
「お、姉さんがスキルを使ったようだな」
「ホント!! 貸して貸して!!」
あ、文章が更新されてる!!
《やったよ!! [コバートノビル]の採取に成功したの。フリードに言われて、ユウキと一緒に街外れに行ったんだけど、図鑑にも載ってないから微かな甘い匂いだけを頼りに、地面をクンクン匂っていたら、10分くらいで見つかったの。しかも、周辺から匂いを微かに感じ取れたから、ゆっくりと地面を調査したの。そうしたら、何もないと思った空間に何かが触れて、手で握り締めたら、さっきまで何もない空間だった場所に、す~っと実体が現れたから驚いたよ!! 花は咲いていなかったけど、地面を掘ったら、球根があったの。採取した近辺を丹念に探ったら、沢山群生していたから合計25本だけ採取したよ。今から、試食と実験をしてみるね》
ほえ~~~、異世界の植物ってすご~~~~い。
「お兄ちゃん、日本にも見えない植物ってあるのかな?」
お兄ちゃんは私の隣に座って、お姉ちゃんの文章を見た。
「いや、どうだろう? わからないな。それにしても、文章を読んだ限り、新種の植物だろうに、いきなり試食するのか? スキルで判別できるとはいえ、姉さんの行動力に脱帽なんだけど、今度は『実験したら、透明な板ができちゃって、猫全員が板を認識してくれないし、そもそも透明だから誰も認識できないせいで、キャットウォークを作れないよ~』とか、『アクリルより透明なせいで、猫が怖がってキャットウォークに載ってくれないよ~』というオチにならないか心配だ」
「あはははは、お兄ちゃんったら、そんな事になるわけないよ~~~」
そんな凄い板ができたら、その困った光景を是非写真で送ってほしいな~。猫ちゃんたちが半透明な板を見て、大口を開けて呆然とする姿も見ないな~~。
「日本にも透明になる草花があったら、絶対見たい!!」
「光希」
お母さんに呼ばれ振り向くと、笑顔で嬉しいニュースを言ってくれた。
「日本にも[ノビル]と言う植物があって、3~5月が収穫時期なの。今は9月だから、あと半年ほどすれば食べられるわよ」
「ホントに~~~~~」
[ノビル]と[コバートノビル]が一緒なのかはわからないけど、似た名称だからすっごく興味がある。あ、お姉ちゃんに返信しよう。
《お姉ちゃん、こっちにもノビルていう植物があるの。あと半年すれば食べられるんだって。写真が送れるようになったら、見せ合いっこしようね!!》
《あ、そういえばあったね。私は図鑑で知ってるよ。花がないからわからないけど、球根の形はそっくりだよ》
う~~~こっちのノビルは図鑑でわかるけど、あっちのノビルは異世界にあるからわからないよ~~~。
写真で見たいよ~~~~。
○○○ 咲耶視点
光希とお母さんのおかげで、コバートノビルの採取に成功したのはいいけど、実験として今日の夕食の食材として使ったのは失敗だった。
成果としては、成功なんだけどね。
「咲耶、これどうする?」
ユウキも、今の夕食のおかずの惨状を見て絶句しているわ。
本当に、どうしよう?
フリードはソファーの上で気持ちよく寝ているから、この惨状を知らない。
「実験のつもりで試したのが、そもそもの間違いだったね」
「まさか、こんな結果になるだなんて。まあ、味は美味しいのだから、みんな許してくれるさ」
ユウキ、味は美味しいけど、見た目も重要だよ。
ベイツさん、ルウリ、フリード、今日のおかずを見て、どんな反応をするかな。
「う~ん、私のパソコンやタブレットでアプリ[異世界交流]を検索しても、ヒットしてこないわ。光希のタブレットにだけ入っている特殊なアプリのようね。正真正銘、世界に一つしかない光希だけのアプリよ」
世界に一つだけのアプリ!?
咲耶お姉ちゃんと唯一交流できるのが私……なんか凄く良い響きだ。
「うふふ、よかったわね。でも、お父さんと悠太が知ったら、嫉妬しちゃうかもね~~。お爺ちゃんとお婆ちゃんも、これを見たら喜ぶわ。ただ、今は文章だけの交流だから、せめて写真を送受信できるまでは黙っておいた方が良いかもね。写真があれば、2人も絶対に信用してくれるわ」
「わかった、それまでは秘密だね!! お父さんとお兄ちゃん、早く帰ってこないかな~~」
咲耶お姉ちゃんのおかげで、お母さんの小説の方も捗ったようで、私は2人でおやつを食べて、のんびり録画したアニメ番組を見ていたら、お兄ちゃんが帰ってきた。自分の部屋で私服に着替えてきたお兄ちゃんに、さっき起きた出来事を話し、証拠のタブレットをどうだと言わんばかりにズンって見せると……呆然と立ったまま、タブレットを見続けた。
「はは、これは姉さんで間違いない。まさか、異世界と交流を図れるなんてな。しかも、光希を選んだ理由も、実に姉さんらしい」
そうだよ、お姉ちゃんは凄いんだよ!!
私の悩んでいること、当ててくれたもん!!
「あのねあのね、まだレベル1だから、もっと増やしていったら、色んな機能が実装されるんだって!! お姉ちゃんの話だと、互いの写真の送受信は絶対に可能だって言ってた!!」
異世界アステリアスか~~~、どんなところなのかな~~~。行くのは無理でも、どんな風景なのか、早く知りたい。
「写真の送受信、まずは姉さんの仲間たちを見たいな。というか、この説明欄を読んだ限り、もう現世の両親に天罰を与えたのか。多分、ルウリとフリードが大きく関係しているな」
「お兄ちゃん、何でわかるの?」
「うん? 今の時点で強力なスキルがあったとしても、姉さんの強さは普通の10歳児と大差ない。人の仲間も、ベイツさんと10歳のユウキだけだ。どう考えても、従魔2体が何らかの力を使い、姉さんと両親を無理矢理出会わせ、力で何もかもを捻じ伏せたんだろう」
「ほ~~~~~、そんな強い従魔さんを味方にしているお姉ちゃんが凄いよ!!」
ルウリは鳥さん、フリードは猫又さん、どんな姿なのかな?
早く、姿を見たいな~。
《ピコン》
「お、姉さんがスキルを使ったようだな」
「ホント!! 貸して貸して!!」
あ、文章が更新されてる!!
《やったよ!! [コバートノビル]の採取に成功したの。フリードに言われて、ユウキと一緒に街外れに行ったんだけど、図鑑にも載ってないから微かな甘い匂いだけを頼りに、地面をクンクン匂っていたら、10分くらいで見つかったの。しかも、周辺から匂いを微かに感じ取れたから、ゆっくりと地面を調査したの。そうしたら、何もないと思った空間に何かが触れて、手で握り締めたら、さっきまで何もない空間だった場所に、す~っと実体が現れたから驚いたよ!! 花は咲いていなかったけど、地面を掘ったら、球根があったの。採取した近辺を丹念に探ったら、沢山群生していたから合計25本だけ採取したよ。今から、試食と実験をしてみるね》
ほえ~~~、異世界の植物ってすご~~~~い。
「お兄ちゃん、日本にも見えない植物ってあるのかな?」
お兄ちゃんは私の隣に座って、お姉ちゃんの文章を見た。
「いや、どうだろう? わからないな。それにしても、文章を読んだ限り、新種の植物だろうに、いきなり試食するのか? スキルで判別できるとはいえ、姉さんの行動力に脱帽なんだけど、今度は『実験したら、透明な板ができちゃって、猫全員が板を認識してくれないし、そもそも透明だから誰も認識できないせいで、キャットウォークを作れないよ~』とか、『アクリルより透明なせいで、猫が怖がってキャットウォークに載ってくれないよ~』というオチにならないか心配だ」
「あはははは、お兄ちゃんったら、そんな事になるわけないよ~~~」
そんな凄い板ができたら、その困った光景を是非写真で送ってほしいな~。猫ちゃんたちが半透明な板を見て、大口を開けて呆然とする姿も見ないな~~。
「日本にも透明になる草花があったら、絶対見たい!!」
「光希」
お母さんに呼ばれ振り向くと、笑顔で嬉しいニュースを言ってくれた。
「日本にも[ノビル]と言う植物があって、3~5月が収穫時期なの。今は9月だから、あと半年ほどすれば食べられるわよ」
「ホントに~~~~~」
[ノビル]と[コバートノビル]が一緒なのかはわからないけど、似た名称だからすっごく興味がある。あ、お姉ちゃんに返信しよう。
《お姉ちゃん、こっちにもノビルていう植物があるの。あと半年すれば食べられるんだって。写真が送れるようになったら、見せ合いっこしようね!!》
《あ、そういえばあったね。私は図鑑で知ってるよ。花がないからわからないけど、球根の形はそっくりだよ》
う~~~こっちのノビルは図鑑でわかるけど、あっちのノビルは異世界にあるからわからないよ~~~。
写真で見たいよ~~~~。
○○○ 咲耶視点
光希とお母さんのおかげで、コバートノビルの採取に成功したのはいいけど、実験として今日の夕食の食材として使ったのは失敗だった。
成果としては、成功なんだけどね。
「咲耶、これどうする?」
ユウキも、今の夕食のおかずの惨状を見て絶句しているわ。
本当に、どうしよう?
フリードはソファーの上で気持ちよく寝ているから、この惨状を知らない。
「実験のつもりで試したのが、そもそもの間違いだったね」
「まさか、こんな結果になるだなんて。まあ、味は美味しいのだから、みんな許してくれるさ」
ユウキ、味は美味しいけど、見た目も重要だよ。
ベイツさん、ルウリ、フリード、今日のおかずを見て、どんな反応をするかな。
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