邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

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1章 テルミア王国 王都編

ギルドへの報告

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   これで、初仕事は全て終了だ。途中、ガルム盗賊団に襲われたけど、問題なく対処出来たし、ギルドに報告しておこう。騎士団とも話す事になるかもしれないから、姿を偽装しておこう。ギルドの面々からは、今のままのサーシャつまり清水茜のまま、騎士団やクラスメイトの面々からは顔や気配を偽装したサーシャ、ただ変化させすぎると両方から怪しまれるから程々にしておこう。仮に質問されても適当に誤魔化しておけばいい。「偽装スキル Level MAX」便利だ。当然、犯罪には使わないけどね。

「ねえ、フィン、あなたレーデンブルクかアルテハイム王国の出身よね。ガルム盗賊団に誘拐されたの?」

「ふぇ、あ、はい、そうです。1人でいる所を魔法で眠らされて、気がついたら奴隷になってました。」

ふーん、1人でいる所をね。何か隠しているわね。

「ギルドに行って事情を話せば、きっと奴隷から解放してもらえるわ。」

「え、解放!それは嬉しいんですけど、私の故郷レーデンブルク王国に帰れるんでしょうか?」

「それは自分の力で帰るしかないわね。そこまで面倒見てくれる人間はいないでしょう。」

俯いて、どうしたのかしら?

「サーシャさん、お願いがあります。私を鍛えてくれませんか?」

「急に、どうしたの?」

「レーデンブルク王国の王都にいたんですが、みんなから役立たずと言われてきたんです。鍛えても鍛えても、基本能力値が全く増えなくて、スキルも使いこなせないし、みんなから笑い者にされていました。笑い者になるのは、もう嫌なんです。強くなりたいんです。お願いします。私の師匠になってくれませんか?」

この子、私と似てるわね。それに目が本気だ。放っておけないか。

「本気のようね、わかったわ。ただし、私には目的がある。それを達成するためには、世界中を旅しなければならない。それについて来れる?」

「はい、なんでもやります。このまま奴隷でも構いません。」

「その心意気だけで良いわよ。とりあえず、あなたを鑑定させてもらうわよ。」

「はい!」

名前    フィン・レーデンブルク
種族    獣人、レーデンブルク王国第3王女
年齢     12
レベル    1
攻撃     35
防御     30
素早さ    45
運       13
魔力     10

スキル     俊速1  体術1  爪術1  魔力循環1  魔力操作1  -,-/☆
ユニークスキル  ^ 、。

称号             ?。、^_
一言  他者から呪われているから、能力値一生そのままだよ。

む、文字化けしてる所がある。それに、この一言、女神じゃない。ヒントをくれてる。

「なるほど、レーデンブルク王国第3王女ね。しかも、誰かに呪われているのか。」
「ふぇ~、呪われているんですか、私!」

知らなかったの!うーん、見た感じ、かなり強力にロックされているわね。さて、どうしようかな?このまま解呪するのは簡単だけど、面白くないわね。そうだ、この呪いを、より強力にして、相手に返却しよう。邪法で、改造してやる。

「あの、サーシャさん。今、何を考えていたんですか?顔が怖いんですが。」

「気にしないで。誰が何のためにあなたを呪っているのかはわからないわね。心当たりはないの?」

「う、ありません。呪われるような事はしてません。」

ふむ、心に乱れがない、本当のようね。

「まあ、私にとっては、誰だろうが知ったことではないしね。とりあえず、あなたの呪いは、ガルム盗賊団をギルドに引き渡してから考えましょう。」

「はい、ところで、ガルムはどうしたんですか?さっきから、うなされてるんですが。」
「さあ、もしかしたら、これまで殺してきた連中が夢に出てきているのかもね。」

私が邪法『ナイトメア』を唱えてますからね。私達の世界では、ナイトメアは相手に悪夢を見せるものだけど、ここでは違う。本物の怨念達を相手の魂の中に入れて、相手の精神を殺す邪法だ。ガルムは相当な数の人間を殺したみたいね。フィンは気付いてないけど、ガルムに纏わり付いている怨念達がかなりいる。怨霊達よ、間違っても殺さないようにね!

---王都入り口に到着後、警備兵にこれまでの出来事を報告した。

「なんと、あのガルム一味をですか。あいつらの素顔は誰も知らないので、受付のカリンさんに人物鑑定してもらった方がいいですね。」

「アジト自体はなくて、この魔法具で全員変装し、普通に王都に侵入していたそうです。」

「え、そんな魔法具が!わかりました、緊急の件なので、どうぞ通って下さい。」

「はい、ありがとうございます。」

有名なんだね、ガルム盗賊団。早く冒険者ギルドに行こう。
ギルド到着後、受付のカリンさんに経緯を説明するとひどく驚いていた。

「サーシャ、それ本当なの!こいつね、早速人物鑑定してみるわ。-------ガルム一味のボス、ガルムに間違いないわ。ギルド長に報告してくるわ。ちょっと待っててね。」

「ねえ、フィン、私はとんでもない事をしたのかな?」

「何を言ってるんですか、サーシャさん!ガルムはブラックリストの中でも、かなり上位に位置している狂人なんですよ。私は、多くの冒険者がガルムに殺されていくのをこの目で見てきました。サーシャさんは、そいつを一瞬で気絶させたんですから物凄い事なんです!」

「り、力説してくれてありがとう。」

まさか、ここまで有名とはね。

「サーシャ、ギルド長がお呼びよ。2 階に上がって来て。」

「その前にオーク3体の解体をお願いしたいんですが。肉は使いたいので、貰います」

「あ、そうだったわね、完全に忘れてたわ。」

解体士の人にオークを渡し、ガルムを掴んだまま、2階に上がった。
ギルド長、会うのは初めてね。どんな人なんだろう?

部屋に入ると、40代のカッコいいおじさんがいた。なんで、威圧を放っているの?

「ははは、こいつは驚いた。俺の威圧にビクともしないとはな。」

「ギ、ギ、ギルド長、早く威圧を解いて下さい。余波が私に当たっているんですよ。」

ああ、試したのか、私が本当にガルムを倒したのかを。

「すまんな、君がガルムを倒せる実力があるかを試させてもらった。私は、クロード・イオルという。」

「初めまして、サーシャと言います。」

とりあえず、初仕事のオーク討伐からガルム盗賊団との戦闘までの事を話した。

「おいおい、ガルムが話している途中に仲間を殺ったのか!」

「はい、というか、あいつは馬鹿です。こっちは今から殺そうとしているのに油断しているのか、普通に話そうとしてましたね。その間に仲間4人を殺って、すぐにガルムを気絶させました。」

「仲間4人は?」

「アイテムボックスの中です。出しましょうか?」

「アイテムボックスも使えるのか!ああ、頼む。」

クロードさんが言うアイテムボックスは空間魔法の事ね。自分の魔力で作り出した空間で、空間内では時間が停止しているため、食料は腐らない。収納出来るアイテム数は、自分の魔力に依存している、だったはず。

私のアイテムボックスとは、少し違うかな。まあ、知られることはないから普通に出そう。気絶したガルムの横に、仲間4 人を出した。

「あと、これが変装の魔導具です。堂々と侵入して、普通に宿泊していたそうですよ。」

それを聞くと、クロードさんは顔を顰めた。

「こいつら、これ程の魔導具をどうやって?」
「さあ、ガルム一味に渡した奴がいるのは間違いないですね。」

クロードさんは少し考え込んでから、フィンの方へ顔を向けた。

「フィンと言ったな。君は、奴隷商人のところに言って解放してもらいなさい。これが、その書状だ。」

そう言って、書状をフィンに渡した。

「ありがとうございます。解放してもらったあとは、サーシャさんに鍛えてもらいます。」

「お、そうか。だが、無理はするなよ。強くなって、レーデンブルク王国に帰るといいだろう。」

「はい!」

そして、再び私の方へ向いた後、真剣な顔つきになった。

「サーシャ、今回は一味を殲滅してくれて感謝する。ガルム達はこちらが引き取る。騎士団への引き渡しもやっておこう。もちろん、あとで懸賞金を渡すが、アイテム自体やお金は全て討伐した君の物になる。これらは、オークションにかけるも良し、君自身が装備しても構わない。どうする?」

あ、騎士団への引き渡しやってくれるんだ、よかった。でも、偽装はこのまま続行しておこう。どこで会うかわからないからね。あと、アイテムか。ガルム達はマジックバッグ(大)を持っていたわね。あとで、検証しよう。

「部屋に戻って検証してみます。いらないものは、やっぱりオークションですかね。」

「わかった。とりあえず、これが初仕事の報酬、銀貨12枚だ。オークの解体料はまけておくよ。ガルム達の懸賞金は、明日支払う事になるが構わないか?」

「はい、構いません。その時に解体した肉を貰いますね。明日の朝までにはアイテムの方も検証しておきます。」

「ああ、そうしてくれ。これからも宜しく頼む。そうそう、近いうちにCクラスになるからな。」

なんか、早くない!

「え、もうですか!昨日、登録したばかりなんですが。」

「ガルム一味を討伐した以上、本来ならAでも構わないのだが、規定がある以上Cで我慢してくれ。」


「いえ、Cで充分です。それでは失礼します。フィン行きましょう。」
「はい。」

クロードさんとカリンに明日の昼頃にまた来ますと言い、一旦ひょっとこ屋に戻った。

そうそう、忘れないうちに、ガルムに掛けていた『ナイトメア』を解除しておいた。
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