邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

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3章 ガルディア帝国 マルコ遺跡編

貴族ブリング・カルトー襲来

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翌朝、街を出てから、リッチ・グリフォン・ユニコーンを召喚した。3体とも満面の笑みで現れた。

「サーシャ様~。邪族いっぱい討伐したよ~。」
「グリフォン、落ち着け。3体で、50体程討伐しておきました。」

「主様、それとは別に盗賊を発見しました。出会った場所が、キース・ガルディアがいた方向にある山の麓です。どうも盗賊の本拠地から近かったようで、次々と悪意を持った人間が現れたので全員討伐しておきました。一応、リーダーと思わしき人物が2名いましたので連れて来ました。それがこいつらです。」

この厳つい人が盗賊のリーダーね。こっちは、どう見ても騎士か。2人とも、心が折れて震えまくっているわね。少し『威圧』しながら話すか。

「ねえ、貴方達は何を目的で、そんな所に居たのかな?」

「ひい!あ、あ、あんたが、あの化け物達の主か。お、お、俺達は、そこの騎士に言われて、キース皇子を殺そうとしただけだ。」

キース絡みか~。騎士の方を見ると、余程怖い目に会ったのかな?目が少し虚ろになっている。

「そこの騎士さん、こいつに行った事は事実?」
「はい、事実です。ガゼイル大臣の命令で、キース皇子を暗殺しようとしました。」

「主、どうしましょう?殺しますか?」

はあ、面倒いけど、キース皇子に引き渡すか。

「リッチ、キース皇子の魔力は覚えているわね。」
「はい、勿論です。」

「なら、こいつらをキース皇子に渡して来て。ついでだから、キース皇子を目的地まで連れて行ってあげなさい。あの人は、将来、このガルディア帝国を良い意味で繁栄に導いてくれるでしょうからね。あと、しばらくの間、彼を護衛しておいて。あの魔法を使えば、護衛も楽になるでしょう。私の料理に関しては、出来たらそっちに送ってあげる。とびきり美味しいものをね。」

そう言ったら、リッチの顔が笑った。骸骨だけどわかるのが不思議だ。

「は、ありがとうございます。それでは、今から行って参ります。ほれ、お前達行くぞ!」
「「ひい~~!もう、殺してくれ~~!」」

リッチは2人の首を掴んで、そのまま飛び去っていった。

「師匠、キース皇子と話してもいないのに、人柄がわかるんですか?」

「おおよそはね。あとは、直感よ。邪神になってから、どうもそういうのが働くのよね。フィンは、話した事あるの?」

「はい、何度か。凄く優しくて温和な方ですが、時に厳しい人ですね。」

ふむふむ、予想通りか。

「そうそう、ユニコーン、盗賊の本拠地に奴隷といった人達はいた?それと、金品類はあった?」

「奴隷などはいませんでしたが、金品類はかなりありましたね。リッチ様のアイテムボックスに入っています。」

「ならいいか。よし、じゃあ私達はビルブレムに行くわよ。途中のお昼ご飯の時に料理を沢山作ってあげるわ。」

「「「「やった~~~~!」」」」


それにしても、ガルディア帝国に入ってまだ間もないのに、もう厄介ごとに巻き込まれるとはね。これは、ビルブレムに到着しても、一波乱ありそうだ。


○○○


今は、お昼休憩中。リッチ・グリフォン・ユニコーンからの希望で、ロックバードの唐揚げを作っている最中である。

「お姉様、作り方が豪快すぎです。」

「仕方ないわ。この子達の大きさに合わせて作るんなら、テーブルを出して調理するより、空中で調理した方が早いもの。」

「それにしても、器用すぎですよ、師匠。包丁や調味料、必要な物全部をー中に浮かして調理するなんて、普通出来ませんよ。」

「空間魔法『テレキネシス』と魔力操作が高ければ、誰でも出来るわよ。」

よし、下準備完了あとは揚げるだけだ。グリフォンとユニコーンが、まだかな~まだかな~とソワソワして待っている。もう少しだから我慢してね。

「ユニコーン、早く食べたいよ~。」
「落ち着け!」
「そういうユニコーンだって、さっきから震えてるよ。」
「ぐ!」

よし、完成!

「グリフォン、ユニコーン、出来上がったわ。ロックバードの唐揚げとサラダよ。かなりあるけど、食べれそう?」

「「全然、大丈夫です!」」

凄い勢いで食べ始めたな。

「うわ、美味しい!何これ、こんな美味しいの始めてだ。」
「これは、なんという美味!生まれて始めての味だ。」

凄い高評価、良かった。リッチにも送っておこう。リッチの召喚陣を発動させて、

【リッチ、料理が出来たわよ。かなり量が多いけど、そっちに送っても大丈夫?】
【隣にキース達がいますが、問題ありません。】

【わかった、-----よし、送ったけど届いた?】 

しばらく沈黙が続いた。これは食べてるわね。

【うおお、こ、これがロックバードの唐揚げ、なんという美味しさ。主、ありがとうございます。今まで生きてきた中で、最高の味です。】

【喜んでもらえて良かったわ。また、料理作ったら、そっちに送ってあげる。】
【は!ありがとうございます。】

通信を切ると、フィンとイリスがこっちを見ていた。今度は自分達の分を作りますか!


-------お昼ご飯完食。全員が草原に寝転がっていた。

「サーシャ様、すいません。しばらく飛べません。食べ過ぎました。ゲフ」
「サーシャ様~、お腹苦しい。もうちょっと待って下さい。」
「大丈夫よ。こっちの2人も同じ状態だから、しばらく休憩しましょう。」

ああ、量が多過ぎたか。2人と2体とも、無我夢中で食べてたからね。ロックバードの唐揚げは、確かに美味しかった。凄く、上品でくどくもなく、絶妙な甘さだったからだ。胃に全然負担がなかった。私も、少し食べ過ぎたから休憩しよう。


うん、あれは何かしら?こっちに飛んで来てるわね。邪族はキマイラ(Aクラス)で、その上に籠が固定されてる。

「む、主様、あれはキマイラですね。私が言って討伐しましょうか?」
「ユニコーン、ちょっと待って。誰か乗っているから、放っておきましょう。」

通り過ぎるだろうと思っていたが、なぜかこっちに降りてきた。はあ~、こういう時ってロクな事が起こらないのよ。キマイラが着陸し、籠から誰か降りてきた。2人か、1人は立派なヒゲを生やした50代の男性貴族、もう1人は護衛か。キマイラの主は、この護衛かな。マスクしているせいで、顔と性別はわからないけどSクラスね。

「私は、ブリング・カルトーという者だ。こんな所にグリフォンとユニコーンがいるとは珍しいな。君の召喚獣かね。」

「はい、そうですが、何か?」

「ふむ、良ければユニコーンの方を譲って貰えないかな?」
「お断りします。」

「ほう、即答か。この私を誰か知らないようだ。星金貨10枚でどうかな?」

「この子は、私にとって大切な仲間なんです。何を言われようとも譲りません。早く帰ってもらえると嬉しいんですが。」

「ふ、召喚獣を仲間か。奴隷で充分だろう。」

《ピキ》奴隷ですって!

「ぐが」

その瞬間、ブリングと護衛とキマイラは震え始めた。私が『威圧』をかけているからだ。

「貴方達は、今この場で死にたいんですか?」
「今度、奴隷呼ばわりしたら、この世から抹殺します。」

『威圧』を解くと、ブリングが怒り出した。

「貴様、この私を威圧するか。今、この場で殺してやる。おい、殺れ!」

「あなたは馬鹿ですか?私が威圧した時、あなたも護衛もキマイラも震え上がってましたよ。つまり、今この場で貴方達を瞬殺することも出来るんです。死ぬ覚悟があるのなら、かかってきて良いですよ。」

「そんな馬鹿な事があってたまるか。こいつはSクラスだぞ!おい、いいから殺れ、命令だ!」

この護衛とキマイラ、何かに縛られているわね。あの仮面か!なるほど、呪いを付加させているのか。護衛は剣を抜き、瞬時に私の懐へ入ってきた。へえ、縮地を使えるんだ。確かにSクラスね。

《バキン》

私の『ディストーションフィールド』の所為で、剣が折れたにも関わらず、今度は体術で挑んできた。この体捌き、かなりのレベルね。そろそろ終わらせるか。

「『ディメンションブレード』」

私は、護衛を一刀両断した。護衛は仮面が割れ、その場に倒れた。時空魔法『ディメンションブレード』、指定したあらゆる対象の関係性を切断する事ができる。切断する対象は、自分の魔力に依存する。私が指定したのは、ブリングと護衛の関係性全てだ。全てを切断した事で、キマイラも正気を取り戻した。

「そんな馬鹿な!あのアレイルを瞬殺だと!」

「後ろ、気をつけた方が良いですよ。正気を取り戻したキマイラが怒り狂って、貴方を殺そうとしてますよ。」

「なんだと!や、やめ」

ブリングが後ろを振り向いた瞬間、キマイラの爪がブリングの胸を突き抜けた。当然、そのままブリングは絶命した。

「あ~あ、あの貴族、馬鹿だな。ここに降りてこなければ、助かったのにね。ユニコーンは、良いな~。大切な仲間て言われて、私とリッチはまだ言われた事ないよ。」

グリフォン、ヤキモチを妬いてるのかな。

「グリフォンとリッチも、大切な仲間よ。」
「やった~、サーシャ様、ありがとう。」
「サーシャ様、私を大切な仲間と呼んで頂き、ありがとうございます。」

「そろそろ話しても宜しいでしょうか?」

あ、キマイラのこと忘れてた。

「キマイラ、ちょっと待ってね。『マックス・ヒール』、身体の状態はどうかしら?」
「完治しました。ありがとうございます。我が友、アレイルは大丈夫でしょうか?」

アレイル?呪いのマスクを装着していた男性のことか。
この人、歳は私と同じくらいかな。よく見ると、身体の中があちこちボロボロね。

「『マックス・ヒール』、これで大丈夫よ。この人、身体の中がボロボロだったわよ。」

「全てブリングのせいです。アレイルはブリングの奴隷でした。小さい頃から訓練をやり続け、ダンジョンにも行かされたせいで、実力は通常のSクラスを大きく上回る様になったのですが、2年前にあの呪いの仮面を付けられたせいで、人形のようになってしまいました。私自身も仮面の影響で自我はありましたが、人形の様になり奴隷のように扱われ、屈辱に耐えました。アレイルを助けて頂きありがとうございます。」

そんな事情があったのか。

「貴方は、いつアレイルと知り合ったの?」

「アレイルが10歳の時に召喚されました。私はアレイルから感じる魔力を一目で気に入ったので、邪王からアレイルへと主を変更しました。以降、私とアレイルは、一心同体です。」

そういう事か。
アレイルが目覚めるのを待ちますか!
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