邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

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5章 レーデンブルク 悪魔討伐編

いざ、管理世界へ

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壁画のある部分に行くと、そこには魔石が埋め込まれていた。なるほど、これがデュラハンの言っていた扉か。ドミトリアスが魔石に触れると、ドアの部分の壁画が消え、通路が現れた。

「この先の部屋に、スフィア様の力、システムマニュアルスキルが搭載された水晶玉が置いてあります。それを額に着けて下さい。そうする事で、システムのマニュアル情報と管理世界の座標がインプットされるでしょう。ただし、かなりの情報量があります。場合によっては記憶がパンクして再起不能となりますが、サーシャ様なら心配ありません」

「こら!これをアイリスにやらせるつもりだったのね。メッセージを無理に10ヶ所周らせる事で、アイリスの能力を限界以上に引き上げ、仕上げにこのSクラスダンジョンの踏破で、能力値を5~10万くらいにして、この水晶玉でシステムのマニュアルと一緒に神族に進化させるつもりだったんでしょう?」

「ご明察!その通りでございます。ですが、メッセージを入れていくに従って、スフィア様がゾンビハウスなどの余計な一言を入れた所為で、まず実現しないだろうと思っていました。ですが、想定外のサーシャ様が登場しましたので、この日を待ち望んでおりました」

全く調子の良い奴だ。通路を進んで行くと、円形の部屋に到着し、中央に水晶玉が置いてあった。

「これね?」
「はい」

それじゃあ、スフィアの力を引き継ぎますか!

水晶玉を額につけると、私の頭に膨大な数の情報がインプットされていった。これは、かなりの情報量だ!とりあえず、心を無にしてインプットしよう。



--------しばらくすると、何も入ってこなくなった。

「終了です、お疲れ様でした。さすがですね。通常なら、膨大な情報量のせいで気を失うはずなんですけど、余裕で受け止めてましたね」

「多分、並列思考スキルのおかげね。情報をインプットするだけなら無理に取り込もうとせず、頭の中を無にするか、別な事を夢中に考えればあっという間に時間が過ぎるわ」

「普通の人間なら無理ですね。地球で何か訓練していたんですか?」

「特に何もしてないわよ。普通に生活していただけよ。私の場合、家事の関係で勉強時間が少なかったのよね。だから、どうやって効率良く勉強するかを考えた結果、料理作りながら、英語のリスニングを聞いたり、テレビのニュース番組を聞いたりしていたわ。風呂に入りながら、試験勉強したりとかね。始めは疲れたけど、根気よく続けていくうちに、身体が慣れてきたわ。それ以外は、特に何もしてないわね」

「魔法やスキルがない世界で、それだけ並列的に物事を考える事が出来れば十分ですよ」

さて、インプットされたマニュアルを見てわかったけど、確かに技術的には地球の文明を遥かに超えているわ。でも------

「この管理システム(例 デスクトップパソコン)だけど、1つだけ地球の技術と大差ない物があるわ」

「ほう、それはなんでしょうか?」
「システムを動かす最も重要な物、動力源となるCPU(情報演算処理装置)よ」

「さすがにシステム内の事は、私にはわかりませんが、それが重要なのですね?」


「ええ、システム内に組み込まれたCPUの処理速度が遅い。そのせいで、情報を処理仕切れず、エラーが多発する。いくら操縦者が優秀であっても、根本的な物が遅ければ意味がない」

「サーシャ様、そのCPUはすぐ作れるのですか?」

「今すぐは無理ね。それと、もう1つわかった事があるわ」
「それは何でしょうか?」

「システムOS(例Win○ows10)に関していえば、サリアの意見は正しいということよ。所々、非効率的な部分がある。そこを修正すれば、この急場を凌げるわ」

マニュアルによると、サリアでもシステムのエラーを修理する程度の基本作業は出来る。でも、肝心のシステムOSを改良するには、私が行かないとダメだ。ここは、サリアと協力してやらないとダメね。

-----私をこの状況に追い込んだ張本人と協力する事になるとはね。
なんとも皮肉な話だ。

「まさか、サリアと共同作業する羽目になるとはね」
「やはり、お嫌ですか?」

「----複雑な気分ね。私が邪神にならなかったら、スフィアタリアは多分もっと悲惨な状況に追い込まれていたはずよ。それに大切な仲間達とも出会えたしね。だから責めるに責めきれないわね」

「やはり、サーシャ様はお優しいですね。スフィア様の力を受け継いだのが、あなたで良かった」

「やめてよ。と、とにかく管理世界に行ってくるわ」
「はい、お気をつけて」


○○○


座標を基に管理世界へ行くと、そこは広い空間だった。そして、とある一画を見ると、大きな3階建の建物があった。家というより、ビルかな?建物は、それ以外見当たらないわね。あとは、木々が植えられた癒しの公園があり、そこには巨大な滑り台や流水プールやらがあった。完全に、家族の遊び場として、作ったわね。


ビルの入口に扉がなく、何かを認証する機器があった。そこに手を置けということかな?とりあえず手を置いてみると------

《新たな主、サーシャ・フォーリング様、お待ちしておりました。研究所へ転送します》

おお、自動で転送してくれるんだ!

気付くと、勝手に研究所の中に入っていた。後ろを振り向くと、さっきの機器が外に1台あり、私の目の前にはもう1台の同じ機器があった。機器同士で転送する仕組みか。うーん、一応マニュアルは入っているんだけど、まだ馴染めてないわね。マニュアルによると、システムがあるのは1階の中央研究室か。

早速、行ってみましょう。

------うーん、通路を歩いても、周りに何も置かれていない。非常に寂しく感じるわ。インテリアにも問題あるわね。しばらく進むと、閉じられた大きな扉があった。ここが中央研究室ね。えーと、マニュアルだと手をかざすだけで、相手を認証し扉が開くみたいね。マニュアル通り、扉の機器に手をかざしてみた。

《ピ》
《認証完了しました》

さあ、中はどうなっているかな?

扉を開け中に入ると、------悲惨な状態になっていた。あらゆる物が散らかっているのだ。完全にゴミ屋敷と化している。なんなの?この状況は?うん、誰か飛んで来たわね。あれは精霊かな?


「あなたは-----サーシャ様! なんで管理世界にいるんですか!」

この子がシステムの補助精霊か。120cmくらいの可愛い女の子ね。精霊なら、スフィアタリアにいる精霊王達から私の事を聞いているはずだ。

「簡単に説明すると、スフィアの力を受け継いだのよ。だから、管理世界に移動できた。目的は------」

「待って下さい。サリア様を討伐しないで下さい。あの方は可哀想な神様なんです。母であるスフィア様にただ構って欲しかっただけなんです。捻くれてますけど、良い神様なんです!殺さないで下さい」

へえ、この子はサリアのことを本気で心配しているのね。

「最後まで話を聞きなさい。サリアは討伐しないわ。システムを回復させるために、ここに来たのよ。とにかく、サリアの下へ案内しなさい!」

「本当に討伐しないんですか?」
「くどい!討伐しないわ!」
「わかりました。ご案内します」



奥に案内されると、1人の女の子が必死にシステムを操作していた。
この子がサリアか。12歳くらいで髪はショート、目付きは少しキツイわね。長年の生活のせいね。


「へえ~、あんた生きてたんだ。微かに存在は感じていたけど、確か清水茜だっけ?どうやって人間に戻れたの?よく、ここまで来れたね?」

システムを必死に弄りながら、こっちを見ずに話すか。礼儀がまるでなってない!
うん、お仕置きしよう。

《ゴン》

サリアの頭をゲンコツで叩いてやった。

「イッターイ、何するのよ!この」
「人と話す時は、その人の目を見なさい!」

こっちを見てわかったけど、?茲がこけているし、かなり弱っているわね。何日も徹夜しているような顔だわ。

「あんた、なんなのよ!こっちは今、大変なのよ。あんたに構っている暇なんかないの!」

あ、これはダメだ。疲れのせいで、周りが全く見えていない。

「サリア!あんた、とりあえず寝なさい。話はそれからよ」
「そんな暇---ガッ----ある---わけ----zzzzzzz」
「よし、寝たわ」

こういう時は、無理矢理寝かすのが手っ取り早い。

「なにやってるんですかーー!!!システムが常にエラー状態が出ているのにーーー!!!」

この子、ツッコムのは良いけど、声が大きい。

「あなた、名前は?」
「え、テイルです」

「サリアをそこのベッドに寝かせておくわね。リジェネレーションをかけつつ寝かせておけば、3日くらいで目覚めるでしょ。その間のシステムエラーは私が修復します。スフィアの力を受け継いで、私自身が1つの補助システムみたいなものになっているから、サリアが目覚めるまでには全て修復出来るでしょう。システムの改良をするのはそれからよ」

「え、説明をお願いします。全く話についていけません」


「少し待ちなさい。まずは管理システム本体内部に接続して現情報を把握する」
「ええー、内部への接続はスフィア様にしか出来ないのに~なんでーーー!」
「煩い、【黙れ】」
「ひい!はい、黙ります!」


威圧して、やっと黙ったか。サリアがいた席に座って、現状把握に取り組みましょう。


-------なるほどね。エラーが膨大にあるわ。殆どが秒寺の悪魔召喚のせいね。根本的な解決をするには、秒寺を助け出して悪魔を送還させるか、もしくは私の力で悪魔を全員消滅させるかのどちらかね。後者は却下ね。スフィアタリアの連中が私を確実に頼るようになる。前者で進めていこう。


まずは、システムエラーの修復だ。私自身の力とシステムの力を併用して修復させる!
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