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「んぁっ……あ、……っ」
繰り返し前立腺を擦られる内側からの快感が、かれこれ数十分は続いている。
グジュ、グジュ、と緩やかに挿抜する男の魂胆が見えない。
激しく腰を動かしてすぐに射精してしまえば良いものを、何かを責め立てるかのようにダラダラと乃蒼だけを弄んでいる。
内の膨らみを擦られる度に、意図せず性器から白濁液を溢した。
シーツの上に敷かれたタオルの同じところばかりが濡れそぼり、自身が放ったそれが滑ってさらに快感を呼ぶ。
───あー……気持ちいい。
乃蒼は恍惚としていた。
枕をぎゅっと抱き締め、自身よりも乃蒼の快楽を優先させる男が「いつもの男」であると分かるや、無意識に体が喜んだ。
「……あっ、あぁ……いい、そこっ……たまんない……っ」
背後から乃蒼の顎を取り、淫らに嬌声を上げる唇をさらりと奪ういつもの男。
蕩けるように優しく口付ける男は、舌を絡ませながら細い腰を抱え上げ、繋がったまま乃蒼の体を反転する。
仰向けにされた乃蒼は両腕を広げて男を待った。
───いつもみたいに抱き締めて。
乃蒼の願いは通じ、腕を背中に回すよう促した男がキツく抱き締めてくれた。
何杯飲んだか分からないが、今日も乃蒼は順調に酔っ払っている。
瞳を開けて相手を確認しようとしたところで真っ暗闇の室内では顔もロクに見えず、明日になったらどうせ覚えていないという体たらくなので、わざわざ気の削がれるようなことはしない。
男は、乃蒼の精液の最後の一滴まで絞り取ろうとする。
時々激しく最奥を貫くが、あとはとことんスローセックスなのである。
これがたまらなく好きだった。
愛情いっぱいに抱いてくれ、まるで恋人のような気分にさせてくれる。
男からの全身への愛撫は何度体を重ねようが飽きる事はなく、「もっと愛して」と懇願してしまいそうなほどたまらなく気持ちいい。
「乃蒼ー、気持ちいい? ここ、好きだよね」
「うん、……っ好き、そこ……、好き……っ」
「俺の事は? 好き、は?」
「やだ、言わ、っないで……それは、……いや、意地悪………キライッ」
「……ごめんね。 意地悪嫌いだったね」
酔った時にだけ現れる素直で可愛い乃蒼を、男は複雑な思いで眺めた。
しなる首筋にも強く吸い付いて、翌日それを発見した乃蒼が驚く姿を想像し笑みを溢す。
「あぅ……んんッ……何、した……ッ?」
吸い付かれて痛みを感じた乃蒼が、薄らと瞳を開けてみる。 しかしやはり暗闇に瞳が慣れていないせいもあって男の影しか分からなかった。
男が少々激しく突き上げてきた。 グチュグチュと音を立てるそこから、挿抜される毎にローションが弾け出ている。
乃蒼のいいところすべてを分かっている男からの愛撫は、一時間、二時間と愛されていくうちに気持ちいいを飛び越えてしまう。
「……あっ……やば……んっ……」
ずっとあそこがムズムズする。 精液混じりの透明な液体がトロトロと溢れ始め、触れてもいないのに絶え間なく射精しているような果てしない快感に、まさに溺れていた。
臀部を揉まれ、膝裏を抱えられてまた奥をグジュリと抉られる。
速さは変わらないが、最奥まで辿り着く挿抜で容赦なく襞を擦り上げられ、男も快感を追い始めたのだと乃蒼は無意識に悟った。
イきっぱなしの性器が痛かった。 悲しくもないのに、涙が滲む。
ただでさえ乱れた体が、愛撫染みたしつこい行為にどんどんとおかしくなっていく。
「何が悲しいの。 ……そんなに涙こぼして」
「……悲しく、ないっ……気持ちいい……からっ……勝手に、出る、……んぁぁっ」
「そう。 泣くほど気持ちいいなら、エッチするのは俺だけにしないとね。 この背中の噛み跡、……一体誰なのかなぁ?」
突然さらさらと背中を撫でられた乃蒼は、その柔らかなタッチも異様に感じてしまいポロポロと流れる涙が止まらない。
思えば先程からずっと、男はしきりに背中を撫でていた。
「……やっ……知らな、……やだ、っまた……出そ……ぅぅっ」
「知らないはずないでしょう。 言うまでイかせてあげないよ」
「……い、意地悪……きらい、っ言ってん、のに……っ」
「大事な事なの。 意地悪じゃないよ。 ほら、誰なの?」
何度も果てて敏感になった性器を痛いほど握られては、観念せざるを得なかった。
腰を震わせ続ける事など出来ない。 いよいよ下半身がおかしくなる。
乃蒼はぷるぷると震えながら男の肩を甘噛みし、苦しげに告げた。
男が聞いても分からないであろうが、誰だと言うからには答えた。 それだけの事だ。
「…………っらいと……」
「………………」
名前を告げたそばから、男はさらなる激しさを持って乃蒼を責め立てた。
腰を打ち付けられる度に肌が弾ける音が室内に響き、ガクガクと体を揺さぶられる。
腹まで届いているのではないか。
男のものは決して小さくない。 いや、乃蒼には比較対象が月光しか居ないので実際どうなのかは分からないが、男のものと月光のものは形こそ違えど質量はとてもよく似ている。
そんな恐ろしいもので、内襞が火傷しそうなほどに擦られては一溜まりも無かった。
「……やっ、激し……あっ、や、痛いっ……熱いよ、ッ……やだ……っ」
「知ってても、やっぱり乃蒼の口から聞くとダメだな。 嫉妬でおかしくなりそう」
「なに……? ……待って、……深いっ……深いよ、それ……大きい、から……いたい、…いたいっ……」
「乃蒼……乃蒼……俺にしなよ。 いつになったら気付くの。 あと何年待てばいいの」
「な、……っに、何言って……あっ……」
「乃蒼…………」
深い場所を散々突き上げられた後に射精した男は、乃蒼の唇を舐めて舌を誘い出し、味わうようにじんわりと絡めた。
キスのうまい男はセックスもうまい。
誰が言った事だか知らないけれど、それは本当だと思いながら乃蒼は見様見真似で男の唇を食んだ。
中に居る存在をキュッと締めて余韻をほんの少しだけ楽しみ、男が性器を引き抜いた瞬間───乃蒼は一目散に浴室へと消えた。
酔っ払っているとは思えない早さでテキパキと支度をすると、いつものように男の顔を極力見ないようにしてホテル代の半分をガラステーブルの上に置き、逃げるように部屋を出た。
「………………」
そのいつもの光景を黙って見ていた男は、そろそろエンジンをかけなければと、乃蒼が出て行った扉をジッと睨んだ。
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