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20 本編完結 ※R18
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初めて結ばれた翌朝、マロウ様のマロウさまは物凄く興奮していた。やはり一回だけでは物足りなかったようだ。マロウさまのお口から漏れ出た涎が、シーツをたくさん濡らしていた。だけど、そこで私はとあることに気付いた。
「変だわ。シーツの濡れ方が尋常じゃない。こんなにも多いだなんて。まさか、これはおねしょだったのかしら……でも透明だし……一体なんなの?」
もしもおねしょなら、とても居たたまれない。マロウ様が起きる前に、私ひとりでシーツをこっそり変えたほうがいいかもしれない。
しかしながら、黄色くもなんともない無色だから、性的興奮で下着を濡らしている生理的なマロウさまの一番手のものだと思う。
数えきれないくらい、マロウ様と一緒に朝を迎えて来たし、中心が立ちあがって少し濡れている彼のを朝から愛した事もあった。けれど、こんな大量に透明なものを出すのは見た事がない。
「もしかして、病気……? マロウ様はそんな事ひとこともおっしゃらなかったわ。でも、彼も知らないうちにかかった病気だったら……嫌……そんなのは、いやっ!」
すぐにお医者様の手配をしなければ。次期ゼニアオイ侯爵となるマロウ様の身に何かがあっては一大事だ。それに、彼が未知の病気でいなくなってしまうなんて考えられない。
ああ、もっと詳しく医学書を読んでいればよかった。こんなところの病気なんて、聞いた事がないからどうしていいのかさっぱりだ。
すぐに治療して完治してもらわないと、マロウ様がいなくなっちゃう。
「うう……マロウ様、わたくしを置いて、天にかえったりなさらないでぇ……」
ついさっき、マロウ様は私の中に赤ちゃんをくれたのだ。産まれてくるマロウ様に似たカッコいい子供のためにも、絶対に長生きしてもらわないと。
「ビオラ、おはよう。昨日の続きを……ビオラ、どうした?」
私の心配をよそに、目が覚めたマロウ様は、とても幸せそうだ。にこにこしていて、私と愛し合う気満々で私を抱きしめてきてくれた。
だけど、この状況でお医者様にも見せず、マロウ様と体を重ねるなんて、そんな事をすれば病気が悪化するかもしれない。
涙が止まらない私を抱きしめながら、マロウ様はおろおろするばかりだったから、とっても言いにくいけれどマロウ様が難治性の病にかかった事について全て告白する事にした。
「マロウ様、なぜ早くわたくしに打ち明けて下さらなかったの? 酷いではありませんか。教えてくださっていたら、わたくしだって……」
「え? 何の話をしているんだ? 打ち明けるとか何を……浮気とか借金とか酒とか賭博とか一切していないぞ? 信じてくれ」
「マロウ様がそのような事をされないのは分かっておりますわ」
「では何の事だ?」
なんという事だ。具体的に何がどうなっているのかを伝えないと、マロウ様には伝わらないみたい。でも、なんて口にすればいいの? マロウ様のマロウさまの事を口にするだなんて、そんな事恥ずかしくて言えない。いえ、ダメよ、ビオラ。これは大事な事なのだから、きちんと誤解の内容に伝えないと。しっかりするのよ。愛しいマロウ様の妻として、どんな事だって支えるって決めたじゃない。
「そ、それは……。それはぁ……。ま、まま、まろうさまの、お、お、おちんち……いえ、その。足の付け根のその部分の事です」
とてもじゃないけれど、マロウ様の顔が見れない。顔を両手で隠して小さく囁くようにそう言うのがやっとだった。
「ビオラ……ついに気づいたのか……。ずっとこのまま隠し通せると思っていたのだが。すまない。こうなったらきちんと白状する。だけど、愛しているんだ。こんな事で俺を嫌いにならないでくれ」
「まあ……やっぱりご存じでしたのね? 知っていて、わたくしにだけ秘密にしているなんて……酷いです」
「あーいや。だって、ほら。言いにくかったんだ。他の男の方がいいとか言われたらと思うだけで心臓がとまりそうだったんだ。頼む、ビオラ。ここが小さいからって俺を見捨てないでくれっ!」
「マロウ様、何を仰っているのです? 違いますから。それに、大きさなどわたくしには関係ありませんし、とっくにマロウ様の気になさっている事は、マロウ様が無意識に仰っていましたから知っていました。わたくしが言いたいのは、そんな些細な事ではありません」
言いづらそうにマロウ様が、見当違いの事を言い出したので、とっくにマロウ様が小さい事に悩んでいた事を知っていた事も伝えた。
すると、マロウ様はぶつぶつと、いつの間にとか、知っていても俺がいいとか天使だ、だがこの事は些細な事ではないだとか呟いていたので、らちが明かなくなって、マロウ様のマロウさまをビシっと指さした。
「マロウ様、失礼しますわね。この部分からどうして、このように有り得ないほど透明の液体が出てしまう病気を隠されていたのですか? 考えたくありませんが、治らないご病気なのですか? そもそもお医者様に診ていただいているのですか?」
「ビオラ、何の事だ? 俺は病気など患ってはいないぞ」
「では、では……先ほどから発病……? 嫌です。死なないでぇ……」
ぼろぼろ泣き出した私を、マロウ様が優しく抱きしめてくれた。落ち着いて状況を説明すると大笑いされてしまう。
「ビオラ、夜の事があったすぐだから、体がいつも以上に反応しただけだ。これくらいは誰でも出る、と思う。痛くもないし、なんともないから安心しろ」
照れながら、昨日の余韻と私と愛し合うこれからの事で、体が本能的にたくさん出しただけとの事だ。どうやら、私と一緒に眠らない日もこのくらいは出るようで、それを聞いた私は体の力を抜いた。
「ビオラ、あまりこういう事を言わせないでくれ。流石に恥ずかしい。だが、ひとりで抱え込んで泣いても欲しくないから、これからもなんでも言ってくれ」
「はい……はしたない事を申しました。ごめんなさい。でも、病気じゃないのなら良かったです」
その後、勘違いでマロウ様を困らせた罰だと言われて、先ほどいいかけたマロウさまの単語を言うまで許してくれなかった。なんて意地悪なの?
恥ずかしいし、もう二度と言いたくない。
だというのに、マロウ様がとても満足そうに笑うから、たまにならいいかな、なんて思う。
その後は、初夜の翌日だからってゆっくり休み、テーマパークから帰国した。帰りも船酔いが酷くて、マロウ様が優しく介抱してくれた。
とても思い出深い婚前旅行になり、幸せな気分のまま家に帰ると、お義母様が満面の笑顔で出迎えてくれた。
どうやら、マロウ様とわたくしが無事に初夜を迎えた事は、すでにゼニアオイ侯爵家の皆に知らせていたようで、義両親だけでなく、沢山の人にお祝いされて恥ずかしかった。
残念ながら、その時には赤ちゃんは来てくれなかった。
それ以降は、すぐにでもマロウ様の赤ちゃんが欲しい私と、式までは避妊するというマロウ様とちょっとした喧嘩もしつつ、肌を合わせる悦びを覚えた私は、これ以上はないと思えるほどの幸せな日々を送った。
そして、正式にマロウ様の妻となる日。
殿下とともに隣国で暮らすチェリーが連れて来てくれた元殿下に似た小さな子たちが、籠にいっぱい花弁を入れて降らしてくれる。その籠の中には、色とりどりのエディブルフラワーが入っていて、とても美しく宙を舞う。
その中に、袋に入っている特別な花がある。それは、私が侍女さんたちや厨房の人たちと一緒に作った花のスイーツだ。流石に、食べものを放り投げて地に落とすわけにはいかないから、参列してくれている女性や子供たちに手渡していった。
パイの生地を花弁の形にして焼き上げ、砂糖を振りかけたビオラやアオイは、中央にチーズやクリームをのせアーモンドをくっつけている。
薄い生地をフリルのように絞り、薔薇の形にした色とりどりの花は、カリカリしていて歯ごたえも楽しめる。
カタツムリを模したグルグル巻いているアメは、桜の花弁を中に埋め込んだ。
ローズ様とウスベニ様も、半年後には結婚する予定だ。
私だけの愛しい旦那様が、私を軽々抱き上げてくれる。
あの日、忘れたくても忘れられない、とんでもない事を見かけてしまった時に、彼と出会わなかったら今頃どんな人生だったのだろうとふと思う時がある。それなりに幸せな政略結婚の生活を送っていたかもしれない。
だけど、今ほどの幸福はなかったと断言する。
まさか、こんなにも幸せな日が来るなんて思いもしなかった。
チェリーと元殿下の仲睦まじい姿を見て、失恋した弟が悲しそうにするかと思いきや、今度は美しいローズ様をポーっと見ていたから、年上の美女に叶わぬ恋をしてしまう弟が可哀そうだけれど、あまりにも惚れっぽくて可愛くて笑ってしまった。
弟や子供たちは、どんな恋を誰とするのだろうか?
まともな結婚なんて出来ないと思っていた私だって、最高の結婚をする事が出来たのだ。
世界一素敵な彼と、ずっと一緒にいられますように──
そう願いながら、ブーケをどこまでも続く青い空高く放り投げたのだった。
【R18】迷子になったあげく、いかがわしい場面に遭遇したら恋人が出来ました──完
あと一話、こぼれ話(R18)に続きます。 最終話投降後、明日中にコメント欄を閉じさせていただきます。
「変だわ。シーツの濡れ方が尋常じゃない。こんなにも多いだなんて。まさか、これはおねしょだったのかしら……でも透明だし……一体なんなの?」
もしもおねしょなら、とても居たたまれない。マロウ様が起きる前に、私ひとりでシーツをこっそり変えたほうがいいかもしれない。
しかしながら、黄色くもなんともない無色だから、性的興奮で下着を濡らしている生理的なマロウさまの一番手のものだと思う。
数えきれないくらい、マロウ様と一緒に朝を迎えて来たし、中心が立ちあがって少し濡れている彼のを朝から愛した事もあった。けれど、こんな大量に透明なものを出すのは見た事がない。
「もしかして、病気……? マロウ様はそんな事ひとこともおっしゃらなかったわ。でも、彼も知らないうちにかかった病気だったら……嫌……そんなのは、いやっ!」
すぐにお医者様の手配をしなければ。次期ゼニアオイ侯爵となるマロウ様の身に何かがあっては一大事だ。それに、彼が未知の病気でいなくなってしまうなんて考えられない。
ああ、もっと詳しく医学書を読んでいればよかった。こんなところの病気なんて、聞いた事がないからどうしていいのかさっぱりだ。
すぐに治療して完治してもらわないと、マロウ様がいなくなっちゃう。
「うう……マロウ様、わたくしを置いて、天にかえったりなさらないでぇ……」
ついさっき、マロウ様は私の中に赤ちゃんをくれたのだ。産まれてくるマロウ様に似たカッコいい子供のためにも、絶対に長生きしてもらわないと。
「ビオラ、おはよう。昨日の続きを……ビオラ、どうした?」
私の心配をよそに、目が覚めたマロウ様は、とても幸せそうだ。にこにこしていて、私と愛し合う気満々で私を抱きしめてきてくれた。
だけど、この状況でお医者様にも見せず、マロウ様と体を重ねるなんて、そんな事をすれば病気が悪化するかもしれない。
涙が止まらない私を抱きしめながら、マロウ様はおろおろするばかりだったから、とっても言いにくいけれどマロウ様が難治性の病にかかった事について全て告白する事にした。
「マロウ様、なぜ早くわたくしに打ち明けて下さらなかったの? 酷いではありませんか。教えてくださっていたら、わたくしだって……」
「え? 何の話をしているんだ? 打ち明けるとか何を……浮気とか借金とか酒とか賭博とか一切していないぞ? 信じてくれ」
「マロウ様がそのような事をされないのは分かっておりますわ」
「では何の事だ?」
なんという事だ。具体的に何がどうなっているのかを伝えないと、マロウ様には伝わらないみたい。でも、なんて口にすればいいの? マロウ様のマロウさまの事を口にするだなんて、そんな事恥ずかしくて言えない。いえ、ダメよ、ビオラ。これは大事な事なのだから、きちんと誤解の内容に伝えないと。しっかりするのよ。愛しいマロウ様の妻として、どんな事だって支えるって決めたじゃない。
「そ、それは……。それはぁ……。ま、まま、まろうさまの、お、お、おちんち……いえ、その。足の付け根のその部分の事です」
とてもじゃないけれど、マロウ様の顔が見れない。顔を両手で隠して小さく囁くようにそう言うのがやっとだった。
「ビオラ……ついに気づいたのか……。ずっとこのまま隠し通せると思っていたのだが。すまない。こうなったらきちんと白状する。だけど、愛しているんだ。こんな事で俺を嫌いにならないでくれ」
「まあ……やっぱりご存じでしたのね? 知っていて、わたくしにだけ秘密にしているなんて……酷いです」
「あーいや。だって、ほら。言いにくかったんだ。他の男の方がいいとか言われたらと思うだけで心臓がとまりそうだったんだ。頼む、ビオラ。ここが小さいからって俺を見捨てないでくれっ!」
「マロウ様、何を仰っているのです? 違いますから。それに、大きさなどわたくしには関係ありませんし、とっくにマロウ様の気になさっている事は、マロウ様が無意識に仰っていましたから知っていました。わたくしが言いたいのは、そんな些細な事ではありません」
言いづらそうにマロウ様が、見当違いの事を言い出したので、とっくにマロウ様が小さい事に悩んでいた事を知っていた事も伝えた。
すると、マロウ様はぶつぶつと、いつの間にとか、知っていても俺がいいとか天使だ、だがこの事は些細な事ではないだとか呟いていたので、らちが明かなくなって、マロウ様のマロウさまをビシっと指さした。
「マロウ様、失礼しますわね。この部分からどうして、このように有り得ないほど透明の液体が出てしまう病気を隠されていたのですか? 考えたくありませんが、治らないご病気なのですか? そもそもお医者様に診ていただいているのですか?」
「ビオラ、何の事だ? 俺は病気など患ってはいないぞ」
「では、では……先ほどから発病……? 嫌です。死なないでぇ……」
ぼろぼろ泣き出した私を、マロウ様が優しく抱きしめてくれた。落ち着いて状況を説明すると大笑いされてしまう。
「ビオラ、夜の事があったすぐだから、体がいつも以上に反応しただけだ。これくらいは誰でも出る、と思う。痛くもないし、なんともないから安心しろ」
照れながら、昨日の余韻と私と愛し合うこれからの事で、体が本能的にたくさん出しただけとの事だ。どうやら、私と一緒に眠らない日もこのくらいは出るようで、それを聞いた私は体の力を抜いた。
「ビオラ、あまりこういう事を言わせないでくれ。流石に恥ずかしい。だが、ひとりで抱え込んで泣いても欲しくないから、これからもなんでも言ってくれ」
「はい……はしたない事を申しました。ごめんなさい。でも、病気じゃないのなら良かったです」
その後、勘違いでマロウ様を困らせた罰だと言われて、先ほどいいかけたマロウさまの単語を言うまで許してくれなかった。なんて意地悪なの?
恥ずかしいし、もう二度と言いたくない。
だというのに、マロウ様がとても満足そうに笑うから、たまにならいいかな、なんて思う。
その後は、初夜の翌日だからってゆっくり休み、テーマパークから帰国した。帰りも船酔いが酷くて、マロウ様が優しく介抱してくれた。
とても思い出深い婚前旅行になり、幸せな気分のまま家に帰ると、お義母様が満面の笑顔で出迎えてくれた。
どうやら、マロウ様とわたくしが無事に初夜を迎えた事は、すでにゼニアオイ侯爵家の皆に知らせていたようで、義両親だけでなく、沢山の人にお祝いされて恥ずかしかった。
残念ながら、その時には赤ちゃんは来てくれなかった。
それ以降は、すぐにでもマロウ様の赤ちゃんが欲しい私と、式までは避妊するというマロウ様とちょっとした喧嘩もしつつ、肌を合わせる悦びを覚えた私は、これ以上はないと思えるほどの幸せな日々を送った。
そして、正式にマロウ様の妻となる日。
殿下とともに隣国で暮らすチェリーが連れて来てくれた元殿下に似た小さな子たちが、籠にいっぱい花弁を入れて降らしてくれる。その籠の中には、色とりどりのエディブルフラワーが入っていて、とても美しく宙を舞う。
その中に、袋に入っている特別な花がある。それは、私が侍女さんたちや厨房の人たちと一緒に作った花のスイーツだ。流石に、食べものを放り投げて地に落とすわけにはいかないから、参列してくれている女性や子供たちに手渡していった。
パイの生地を花弁の形にして焼き上げ、砂糖を振りかけたビオラやアオイは、中央にチーズやクリームをのせアーモンドをくっつけている。
薄い生地をフリルのように絞り、薔薇の形にした色とりどりの花は、カリカリしていて歯ごたえも楽しめる。
カタツムリを模したグルグル巻いているアメは、桜の花弁を中に埋め込んだ。
ローズ様とウスベニ様も、半年後には結婚する予定だ。
私だけの愛しい旦那様が、私を軽々抱き上げてくれる。
あの日、忘れたくても忘れられない、とんでもない事を見かけてしまった時に、彼と出会わなかったら今頃どんな人生だったのだろうとふと思う時がある。それなりに幸せな政略結婚の生活を送っていたかもしれない。
だけど、今ほどの幸福はなかったと断言する。
まさか、こんなにも幸せな日が来るなんて思いもしなかった。
チェリーと元殿下の仲睦まじい姿を見て、失恋した弟が悲しそうにするかと思いきや、今度は美しいローズ様をポーっと見ていたから、年上の美女に叶わぬ恋をしてしまう弟が可哀そうだけれど、あまりにも惚れっぽくて可愛くて笑ってしまった。
弟や子供たちは、どんな恋を誰とするのだろうか?
まともな結婚なんて出来ないと思っていた私だって、最高の結婚をする事が出来たのだ。
世界一素敵な彼と、ずっと一緒にいられますように──
そう願いながら、ブーケをどこまでも続く青い空高く放り投げたのだった。
【R18】迷子になったあげく、いかがわしい場面に遭遇したら恋人が出来ました──完
あと一話、こぼれ話(R18)に続きます。 最終話投降後、明日中にコメント欄を閉じさせていただきます。
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