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アイラのその後 ※※ 閲覧注意

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胸糞閲覧注意です。R18ならではなので、合わないかたはバックお願いします




 何もかも上手くいった。



 あたしは、とてもかわいい。にっこりほほえんだだけで口が軽くなる男の子たちからその家や周囲の話を聞き、逐一お父さまに報告した。すると、どんどんあたしの家は裕福になっていく。

  馬鹿な男爵や商会を、裏で取引した人物たちと父は書類を改竄して取り上げていたらしい。地位を落として項垂れる姿を見るとぞくぞくした。

 親から言われてサーシアだけではなく高位貴族たちと仲良くしていた。

 出来れば王族か公爵などが良かったけれど、サーシアで我慢する事にした。あたしは身の程を知っているからね。彼くらいじゃないと、結婚後も勉強まみれで苦労するだろうし、自由が効かないから。

 鈍感なサーシアに、毎日のように好意を伝えると、つまんないくらいすぐに堕ちた。彼は、すぐにいけ好かないあの苦労知らずのお嬢さまとの婚約を解消してくれると言い、実家に何度も手紙をしたためたらしい。毎回、返事は芳しくないとサーシアが言うけれど、政略で結ばれた婚約がそう簡単に解消や破棄できないだろうという事はあたしでもわかる。

 すんなり行くだけでは面白くない。あたしと違って、生まれながらに何でも持っているあの女が薄汚れて地面に這いつくばり助けてと懇願する姿を見たくなった。

 だから、あたしは馬鹿な男の生ぬるい婚約解消を願う手紙だけでなく、あの女に一泡吹かせたくなり計画を立てていった。


※※※※



 カトリーナに近づいては、いじめられているように見せかけるため転ぶ真似や時には噴水にダイブした。偶然知ったが、あの女は笑い上戸だった。普段は表情の筋肉が死んでいるんじゃないかというくらい動かないというのに。転んだりした後、あの女に変顔を見せるだけで高らかに笑われるのはモヤっとしたけれど、他の生徒がみれば嘲笑っているように見えただろう。

 悪役令嬢と呼ばれ、どんどん嫌われていき、ほくそ笑んだ。

 カトリーナを嫌いだしたサーシアと肉体関係に持ち込むのは簡単だった。



 あれ? 

 ある日、引き出しに入れていたはずの計画書と薬、呼び出し状が消えていた。どこに行ったのだろう。

 少し前に、日記を書いていたらむしゃくしゃしちゃって気分転換にあたしの奴隷あがりの専属侍女を、棘つきのムチで飽きるまで打った。その時に、あの子の薄汚れた血で汚れたから綺麗にするように伝えたのに、ひょっとしたらまだ返していないのかもしれない。まったく、役立たずでのろまのブスなんだから。給料を減俸にしなくちゃ。

 あら? そう言えばもう半年以上給料0だったわね。確か、朝食と夕食はこの間のバツでずっと出していないから、お昼抜き決定ね。ガリガリに痩せてふらふらするし、髪や肌はミイラみたいだからごはんなんていらないでしょ。


  まあいいわ。卒業式のあと、裏庭に呼び出し計画通りに動けばいいだけ。翌朝ずたぼろになったあのいけすかない、恵まれた女を地獄に落としてやる。

  新しい薬を準備し、万が一を考えて薄汚れた汚い痘痕まみれの天涯孤独の男を雇った。男はあたし涙ながらの悲劇と悲恋を容易く信じて、正義のためにあの女を傷物にすると息巻いていた。
  事がすめば、いつものように、実家の者を使ってあとで処理すればいい。


  ところが卒業式にあの女は来なかった。予定が狂いこのまま捨てられてはかなわないと焦る。サーシアに、子供が出来たと伝えると、大喜びで皆の前でカトリーナと別れてあたしを娶ると宣言してくれた。

  あの女をあたしの手で地獄に落とせなかったが、あの女の男を奪ってやったことに溜飲がさがる。



※※※※



 子が出来たと嘘はついたものの、毎日のように体を重ねていたからすぐ出来るだろうと思っていたし大丈夫に違いない。吐き気をこれ見よがしに見せつけ、お腹が膨らまないうちに結婚するようにサーシアたちをせっついた。

 独りよがりのサーシアは、顔はいいんだけど、なんせエッチが下手くそだ。腰を振ればいいと思っているのか全然良くない。無事に懐妊すれば、こっそり付き合っている伯爵の三男たちと思う存分プレイしよう。

 難色を示していた彼の両親も、孫のために渋々頷き、あたしは名実ともにサーシアの妻となり、とりあえずは子爵夫人というつまらない地位だけど、ゆくゆくは侯爵夫人になるのよ! サーシアの両親も、あたしが管理している麻薬を使って廃人にしてしまえば、来年にもその座が転がり込んでくるわ。


 結婚式の日。

 とうとう、あたしは夢の一歩を進む。途中、バカなサーシアの両親がどこかに行ってしまった。招待客をほったらかすなんてどういう事? こういう時はテキパキとこなす男の隣でおざなりに笑っているうちに披露宴が終わった。

 おおむね満足してもらい、あたしは近いうちにあたしのものになる大きな屋敷に入った。



 すると、広間に沢山の騎士たちがいた。実家だけでなくあたしの犯罪も明るみになったという。夫となったサーシアは侯爵なのに、このくらいの小さな罪をもみ消しも出来ないなんて当てが外れたにも程がある。


 証人の中には、あたしの専属侍女もいた。あれだけよくしてやったのに、恩も忘れて、自分がグズを棚に上げて鞭うたれたり、無給無休で働かされ、食事も与えられなかったなんて、たったそれっぽっちで逆恨みするなんて。


 カトリーナの姿が、ここ数か月みなかったのは、なぜか雇った男ではない人物に拉致されたらしい。無事だって言っていたけど、そんなはずはない。あの女は破落戸にあの綺麗な顔も体も心もぐちゃぐちゃにされただろうと思うと、心の底から笑いがこみ上げてきた。

 けらけら笑っていると、また頬を殴られた。もう何日ここで拷問されているんだろう。手足の感覚もなく、思考がおかしくなっていった。



 それでも、かわいいあたしがこんな目に合うなんておかしい。腹が立って仕方がないから、あの女を積極的に呼び出したのはサーシアだって供述してやった。クスクス、あいつらだけ幸せになんてしてやるものか。



 両親は絞首刑になったらしいがどうでもいい。あたしは鉱山で下女として一生をそこで働く事になった。


 まだ暗い中、水を汲み上げ料理や洗濯。夜になれば鉱山で働く罪人たちの相手をさせられた。男が汚れたままの肉棒を代わる代わる突き立てる。最初のうちはかわいいあたしを、そこそこ丁寧に抱いていたあいつらも、だんだん、濡れてもいないソコに乱暴に突っ込んで吐き出し、終わるようになった。


 ふと、顔を洗ったとき、水に写った女を見る。その肌はたるみ、髪も薄くボサボサで、シワだらけの老婆だ。

 右頬に手を当てると、老婆は左頬に手を当てた。

 両手で顔を軽くかきむしると、老婆が驚愕しながら顔をかきむしった。




ざりっと、すながくちのなかにあってきもちがわるい

まさか、これがあたし? いや、ちがう
  
あたしは、かわいくて、わかくて、おとこたちにモテて……
  
みんながうらやむの
  
ローズガーデンでおちゃかいをゆうがにして、おおきなほうせきをみにつけて






 ちがう、ちがうちがうちがうっ! これは、あたしじゃないっ!



 あたしは、こうしゃくふじんになるのよおおおおおっ!
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