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しとやか未満の姫と騎士の卵④※R15にかかるかどうかくらい
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明るい陽射しの中、やや熱い気温が二人を包む。基礎体温の高いサヴァイヴは汗を流し始めた。ふと、小さなイヴォンヌを見下ろすと、首筋からデコルテに向かい、一筋のきれいな汗が流れている。
ごくりと、咽を鳴らしながら、まだ平で谷間もない彼女の胸元を見下ろす。
──いつか、ヴィーも胸が膨らんで……。どんなんだろうなあ……
ヴァイスは、食後にイヴォンヌをエスコートをする。ゆっくりと木陰の涼しい所に移動してイヴォンヌとベンチに並んで座った。ここは、小さな頃二人の秘密の場所として遊んだ所だ。
ふわっと、そよ風と共にとてもいい匂いが鼻腔をくすぐる。とりとめのない話をしながら、サヴァイヴは先日知ったばかりの女性の肌と、潤いに満ち自身を包み込んだ中の蠢きを思い出していた。
※※※※
「ヴァイス、お前もそろそろ教育を受けろ」
隣国との小競り合いのために、長期間不在だった父が帰ってきた翌日、そう言われた。何の教育か分からず首を傾げる。
「もう手配してある。近々、お前の教育者が来るから、細かな事はクロヴィスに聞いておいてくれ」
「は? 俺が、説明するんですか?」
「お前が適任だろうが。事前に色々教えてやってくれ」
「え~~、だんちょ、いえ、領主様! そりゃないですよっ! 侍従の誰かとかでもいいじゃないですか!」
「何のことかわからないけれど、どうせ聞くならクロヴィス先生がいいです」
「ほらな、ヴァイスだってこう言ってる。弟子に慕われていてよかったな」
「だんちょ~……」
なぜか、肩を落とすクロヴィスは、あきらめたようにため息を吐いた。
「ぼっちゃん、後悔しないでくださいよ? あと、団長、いえ、領主様。そっち方面が俺と似ても知りませんからね」
「誰に聞いても、ろくでなしになる奴はなる。逆に、お前みたいな遊び人のほうがちょうどいいかもしれん」
「先生が遊び人……?」
サヴァイヴは、軽く飄々とはしているものの、鍛錬ではとても真面目に真剣に教えてくれる先生が遊び人とまで言われるとはどういう事か訝しむ。
「まあ、ほどよく、な」
「へいへい。わかりましたよ……。ったく、そういうのを教えるじじいでいいじゃねえか……」
「何か言ったか?」
「いいえー、じゃあ、ぼっちゃんついて来てくださいね」
「はいっ」
サヴァイヴは、勉強が始まるはずなのに、なぜか自分の寝室に連れてこられた。
「先生? 何の勉強をするんですか?」
「まあ、なんだ。この間、自慰を教えてやっただろ? まあ、それの続きみたいなもんだ。ようするに子作り、だな」
「は?」
「お前、跡継ぎだろ? 子作りもちゃんとした仕事のようなもんだ。教えられずにいて、あちこちで種をまかれるのも困るし。結婚後、妻にきちんとしてやれるように訓練しておくんだ」
「え? は? 子作り、子作りって、えええええ?」
これまで、漠然としたイヴォンヌとの結婚生活しか思っておらず、鍛錬と戦、いかに剣を奮い敵を倒すかに重点を置かれていたのに、いきなり閨教育がこうして始まった。
曲がりなりにも、サヴァイヴは辺境伯爵として相応しい相手が必要だ。子を産めない、もしくは、子を産む必要のない未亡人に避妊薬を飲ませて、彼のパートナーを務める相手を決めなくてはならない。
すでに大人と同じ体型になっていた彼の相手はすぐに見つかった。
この一週間で、クロヴィスの他、友達や騎士たちから赤裸々に閨の話を聞く。
「おー、とうとうサヴァイヴもか!」
「え? なになに?」
「閨だよ、閨!」
「俺の時は母上よりも下だったけどよ、なんつーか、任せておけばいいぜ?」
「俺は、まあ見た事あったからそこそこかなー?」
「皆いいなー 僕なんかまだだよ!」
「とにかくすんげー気持ちいいぜ? あと少ししたらお別れらしいけどなー。ずっと閨の教育受けてていいけどな!」
「サヴァイヴの相手、若くて綺麗だといいな! 俺んとこはもういねえけど、お遊びで女の人が来てくれるんだ」
「えー、僕も父上に頼みたい!」
「そうしろよ! じゃないと、初夜で絶対恥かくぞ?」
「だよなー。女の子はそういうの習ってこないからリードをちゃんと出来ないとな~」
「そんな事いって、ヤりたいだけだろう?」
「お前こそっ!」
「はははは」
「……」
サヴァイヴは、どこから漏れたのか、友達がそんな風に肩を叩きながら笑っていう会話を聞いて何も言えなかった。それよりも、ほとんどの友達が経験済みだった事にびっくりする。
なんだか、皆が先に大人になっていた事実を知りショックな気持ちになった。だが、今度、自分もその仲間入りするのかと思うとむず痒い。
恥ずかしく怖い気持もするけれども、「腰がぬけるほど気持ちがいい」らしいという閨への期待でドキドキ胸が高鳴った。
ごくりと、咽を鳴らしながら、まだ平で谷間もない彼女の胸元を見下ろす。
──いつか、ヴィーも胸が膨らんで……。どんなんだろうなあ……
ヴァイスは、食後にイヴォンヌをエスコートをする。ゆっくりと木陰の涼しい所に移動してイヴォンヌとベンチに並んで座った。ここは、小さな頃二人の秘密の場所として遊んだ所だ。
ふわっと、そよ風と共にとてもいい匂いが鼻腔をくすぐる。とりとめのない話をしながら、サヴァイヴは先日知ったばかりの女性の肌と、潤いに満ち自身を包み込んだ中の蠢きを思い出していた。
※※※※
「ヴァイス、お前もそろそろ教育を受けろ」
隣国との小競り合いのために、長期間不在だった父が帰ってきた翌日、そう言われた。何の教育か分からず首を傾げる。
「もう手配してある。近々、お前の教育者が来るから、細かな事はクロヴィスに聞いておいてくれ」
「は? 俺が、説明するんですか?」
「お前が適任だろうが。事前に色々教えてやってくれ」
「え~~、だんちょ、いえ、領主様! そりゃないですよっ! 侍従の誰かとかでもいいじゃないですか!」
「何のことかわからないけれど、どうせ聞くならクロヴィス先生がいいです」
「ほらな、ヴァイスだってこう言ってる。弟子に慕われていてよかったな」
「だんちょ~……」
なぜか、肩を落とすクロヴィスは、あきらめたようにため息を吐いた。
「ぼっちゃん、後悔しないでくださいよ? あと、団長、いえ、領主様。そっち方面が俺と似ても知りませんからね」
「誰に聞いても、ろくでなしになる奴はなる。逆に、お前みたいな遊び人のほうがちょうどいいかもしれん」
「先生が遊び人……?」
サヴァイヴは、軽く飄々とはしているものの、鍛錬ではとても真面目に真剣に教えてくれる先生が遊び人とまで言われるとはどういう事か訝しむ。
「まあ、ほどよく、な」
「へいへい。わかりましたよ……。ったく、そういうのを教えるじじいでいいじゃねえか……」
「何か言ったか?」
「いいえー、じゃあ、ぼっちゃんついて来てくださいね」
「はいっ」
サヴァイヴは、勉強が始まるはずなのに、なぜか自分の寝室に連れてこられた。
「先生? 何の勉強をするんですか?」
「まあ、なんだ。この間、自慰を教えてやっただろ? まあ、それの続きみたいなもんだ。ようするに子作り、だな」
「は?」
「お前、跡継ぎだろ? 子作りもちゃんとした仕事のようなもんだ。教えられずにいて、あちこちで種をまかれるのも困るし。結婚後、妻にきちんとしてやれるように訓練しておくんだ」
「え? は? 子作り、子作りって、えええええ?」
これまで、漠然としたイヴォンヌとの結婚生活しか思っておらず、鍛錬と戦、いかに剣を奮い敵を倒すかに重点を置かれていたのに、いきなり閨教育がこうして始まった。
曲がりなりにも、サヴァイヴは辺境伯爵として相応しい相手が必要だ。子を産めない、もしくは、子を産む必要のない未亡人に避妊薬を飲ませて、彼のパートナーを務める相手を決めなくてはならない。
すでに大人と同じ体型になっていた彼の相手はすぐに見つかった。
この一週間で、クロヴィスの他、友達や騎士たちから赤裸々に閨の話を聞く。
「おー、とうとうサヴァイヴもか!」
「え? なになに?」
「閨だよ、閨!」
「俺の時は母上よりも下だったけどよ、なんつーか、任せておけばいいぜ?」
「俺は、まあ見た事あったからそこそこかなー?」
「皆いいなー 僕なんかまだだよ!」
「とにかくすんげー気持ちいいぜ? あと少ししたらお別れらしいけどなー。ずっと閨の教育受けてていいけどな!」
「サヴァイヴの相手、若くて綺麗だといいな! 俺んとこはもういねえけど、お遊びで女の人が来てくれるんだ」
「えー、僕も父上に頼みたい!」
「そうしろよ! じゃないと、初夜で絶対恥かくぞ?」
「だよなー。女の子はそういうの習ってこないからリードをちゃんと出来ないとな~」
「そんな事いって、ヤりたいだけだろう?」
「お前こそっ!」
「はははは」
「……」
サヴァイヴは、どこから漏れたのか、友達がそんな風に肩を叩きながら笑っていう会話を聞いて何も言えなかった。それよりも、ほとんどの友達が経験済みだった事にびっくりする。
なんだか、皆が先に大人になっていた事実を知りショックな気持ちになった。だが、今度、自分もその仲間入りするのかと思うとむず痒い。
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