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勇翔-1
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都心の一等地に広大な敷地のある、築50年以上は経過している家にやってきた。大通りに面した敷地の一部はクリニックになっていて、かなり古くから診療所をしている。
調査をしたところ、従兄弟が大学病院で働いている時に、この家の若先生に大変世話になった事を聞いた。若先生は大学病院で出世間違いなしの有能な人材だったようだ。しかし、この寂れたクリニックの立て直しのため惜しまれつつ大学病院を去って行ったらしい。
「この度は、うちの妹が大変お世話になりました。また、磯川先生には、親戚がお世話になったそうで、御礼申し上げます」
昨日の夜に、妹の彩音が倒れて数日この家にお世話になっている事を聞いてびっくりしたのは言うまでもない。両親は海外に行っていて、急遽俺が代理でここに来た。
俺の秘書たちは、大事な妹の緊急事態だというのに、「代議士との会食がー、取引先との会議がー」とか五月蠅く引き留めようとしたが振り切って来た。そんなおっさんたちと会って何が楽しい。そんなに俺に会いたきゃ、俺の写真でも見ていればいい。
移動の途中、ひっきりなしにスマホが振動していた。必要な指示だけ伝えて、有能な秘書や部下たちにあとは任せたが問題ないだろう。
予め訪問する事を伝えていなかったため、現在は高齢の女性がひとりだけのようだ。大先生と若先生はクリニックで勤務中であり、もうひとりいる医師は大学病院で働いている。
我が家を彷彿させる広い間口の玄関に立ち頭を下げると、ちまっとした可愛らしい高齢の女性がにこにこと居間に案内してくれた。
女性はあまり詳しい事情を知らないようだったが、数日一緒にいた妹の事をたいそう気に入って貰えたようだ。それもそのはず、うちの彩音はどこに出しても恥ずかしくないように母から厳しくしつけられているし、素直で愛らしく可愛い上に頭も良い。
妹は、特に年配の人々に可愛がられていたため、目の前の女性との交流は嬉しかったに違いない。
仕事で会う予定だったおっさんなどよりも、この女性と話をしているほうが有意義に時間を過ごせたと心底思う。楽しく会話をしていると、あっという間に夜になり妹が男と一緒に帰ってきた。
彩音を、やけに気遣い優しい瞳で見つめる男の存在が気になる。倒れたと聞いたが、今は元気そうでホッとした。
俺の姿を見た瞬間、美しい満開のツバキのように笑顔になるなんて。相変わらず兄離れ出来ていないお兄ちゃんっ子のようだ。誇らしいような照れくさいような気がして、そろそろ兄離れをさせなくてはと思いつつ、まだもう少し、俺の妹でいてもらいたいとも感じる。
「お兄ちゃん、来てくれたの? お仕事は? 忙しいのに、秘書の立花さんがよく許してくれたわね?」
「勿論だよ彩音。立花だって、彩音の一大事なんだから快く送り出してくれたし。俺の部下たちは非常に有能ぞろいだから、仕事のほうは問題ない」
立花の、「快くなんて誰も送り出してません! 羽交い絞めしていた私たちを投げ飛ばす勢いでダッシュで消えたくせに」という恨みつらみのこもった泣き言が聞こえたが、ほんの気のせいだろう。
「また今度、立花さんたちに御礼しなくちゃね」
「いらんだろ」
「もう、お兄ちゃんったら。すごくハードワークなのに、ついて来てくださってるんだからそんな風に言わずに、感謝の気持ちを伝えないとね」
「彩音がそういうならそうしよう。ところで、そちらの男性は?」
当然のように彩音の隣にいる大男をちらっとみると、彩音は男を見上げて微笑み合った。その様子を見て疎外感を抱きムッとしたが、彩音の前でみっともない姿を見せるわけにはいかない。全く気にしていないという表情を貫いた。
「あ、省吾先生、こちらは私の兄の天川 勇翔です。お兄ちゃん、こちらはいそかわクリニックのお身内で磯上省吾先生。私が倒れた時に、真っ先に助けてくださった方よ。省吾先生がいなかったら、私、どうなっていたかわからないの」
「あなたが妹の命の恩人でしたか。省吾先生、妹を助けてくださってありがとうございます」
「いえ、人として当然の事をしたまでですから、頭を上げてください」
彩音の恋人かと一瞬身構えたが、そうではないようで安堵する。その後、大先生や若先生も交えて話をした。一人暮らしのアパートでは、セキュリティがしっかりしているとはいえ、今回のような事をがあったらと思うと、とても心配だ。
「私、おばあちゃんのお手伝いに行ってくる」
「彩音? 手伝いってお前……」
「えっとね、おばあちゃん何も言わないけど、指を傷めているみたいなの。お世話になったし、せめて料理だけでもお手伝いしないと……」
「そうか。なら、手伝ってあげてこい」
「うん」
彩音が夕食の支度手伝いに台所に向かった時に、省吾先生からスマホを差し出された。
「天川さん、どうするべきか迷っていたんですが……。これをご覧ください。恐らく、彩音さんが倒れた原因かと。彩音さんにはまだ見せてはいません」
スマホに保存されたSNSのやり取りや、省吾先生が見たという恋人からの酷い言葉や仕打ちに目の前が真っ赤に燃えあがった気がした。
「これは………………」
言葉を失うほどの衝撃を受けたのは、彩音が恋人が出来た事を嬉しそうに俺に話した去年以来だ。まさか、その相手がこんなクズだったとは思いもしなかった。ひとり立ちの第一歩として苦渋の決断で彩音を送り出したが、ひとりにするべきじゃなかった。
確かに、こんな事は彩音は知らなくていい。省吾先生の気遣いに頭を下げたが、腸はその男の事で煮えくり返っていた。
彩音は一度言い出したらきかない。今すぐ大学をやめさせて実家に連れ戻したいが絶対に卒業すると言い張って頷かないだろう。かといって卒業まで、こんな事があった以上一人暮らしをさせるわけにはいかないと唸る。
すると、大先生と若先生から、夕食時にこの家に彩音を下宿させてはどうかと提案された。ここからなら大学まで大通りに面しているから人通りも多い。さらに、家には常に誰かがいる上に側には交番もある。
彩音自身もこの提案にびっくりしていたが、俺としては彩音が大学を卒業するまでの間、これ以上の良案はないだろうと申し出を受けた。
両親に伝えたところ、それでいいと返事を貰った事もあり、彩音はこの家で大学に通う事が決定されたのである。
調査をしたところ、従兄弟が大学病院で働いている時に、この家の若先生に大変世話になった事を聞いた。若先生は大学病院で出世間違いなしの有能な人材だったようだ。しかし、この寂れたクリニックの立て直しのため惜しまれつつ大学病院を去って行ったらしい。
「この度は、うちの妹が大変お世話になりました。また、磯川先生には、親戚がお世話になったそうで、御礼申し上げます」
昨日の夜に、妹の彩音が倒れて数日この家にお世話になっている事を聞いてびっくりしたのは言うまでもない。両親は海外に行っていて、急遽俺が代理でここに来た。
俺の秘書たちは、大事な妹の緊急事態だというのに、「代議士との会食がー、取引先との会議がー」とか五月蠅く引き留めようとしたが振り切って来た。そんなおっさんたちと会って何が楽しい。そんなに俺に会いたきゃ、俺の写真でも見ていればいい。
移動の途中、ひっきりなしにスマホが振動していた。必要な指示だけ伝えて、有能な秘書や部下たちにあとは任せたが問題ないだろう。
予め訪問する事を伝えていなかったため、現在は高齢の女性がひとりだけのようだ。大先生と若先生はクリニックで勤務中であり、もうひとりいる医師は大学病院で働いている。
我が家を彷彿させる広い間口の玄関に立ち頭を下げると、ちまっとした可愛らしい高齢の女性がにこにこと居間に案内してくれた。
女性はあまり詳しい事情を知らないようだったが、数日一緒にいた妹の事をたいそう気に入って貰えたようだ。それもそのはず、うちの彩音はどこに出しても恥ずかしくないように母から厳しくしつけられているし、素直で愛らしく可愛い上に頭も良い。
妹は、特に年配の人々に可愛がられていたため、目の前の女性との交流は嬉しかったに違いない。
仕事で会う予定だったおっさんなどよりも、この女性と話をしているほうが有意義に時間を過ごせたと心底思う。楽しく会話をしていると、あっという間に夜になり妹が男と一緒に帰ってきた。
彩音を、やけに気遣い優しい瞳で見つめる男の存在が気になる。倒れたと聞いたが、今は元気そうでホッとした。
俺の姿を見た瞬間、美しい満開のツバキのように笑顔になるなんて。相変わらず兄離れ出来ていないお兄ちゃんっ子のようだ。誇らしいような照れくさいような気がして、そろそろ兄離れをさせなくてはと思いつつ、まだもう少し、俺の妹でいてもらいたいとも感じる。
「お兄ちゃん、来てくれたの? お仕事は? 忙しいのに、秘書の立花さんがよく許してくれたわね?」
「勿論だよ彩音。立花だって、彩音の一大事なんだから快く送り出してくれたし。俺の部下たちは非常に有能ぞろいだから、仕事のほうは問題ない」
立花の、「快くなんて誰も送り出してません! 羽交い絞めしていた私たちを投げ飛ばす勢いでダッシュで消えたくせに」という恨みつらみのこもった泣き言が聞こえたが、ほんの気のせいだろう。
「また今度、立花さんたちに御礼しなくちゃね」
「いらんだろ」
「もう、お兄ちゃんったら。すごくハードワークなのに、ついて来てくださってるんだからそんな風に言わずに、感謝の気持ちを伝えないとね」
「彩音がそういうならそうしよう。ところで、そちらの男性は?」
当然のように彩音の隣にいる大男をちらっとみると、彩音は男を見上げて微笑み合った。その様子を見て疎外感を抱きムッとしたが、彩音の前でみっともない姿を見せるわけにはいかない。全く気にしていないという表情を貫いた。
「あ、省吾先生、こちらは私の兄の天川 勇翔です。お兄ちゃん、こちらはいそかわクリニックのお身内で磯上省吾先生。私が倒れた時に、真っ先に助けてくださった方よ。省吾先生がいなかったら、私、どうなっていたかわからないの」
「あなたが妹の命の恩人でしたか。省吾先生、妹を助けてくださってありがとうございます」
「いえ、人として当然の事をしたまでですから、頭を上げてください」
彩音の恋人かと一瞬身構えたが、そうではないようで安堵する。その後、大先生や若先生も交えて話をした。一人暮らしのアパートでは、セキュリティがしっかりしているとはいえ、今回のような事をがあったらと思うと、とても心配だ。
「私、おばあちゃんのお手伝いに行ってくる」
「彩音? 手伝いってお前……」
「えっとね、おばあちゃん何も言わないけど、指を傷めているみたいなの。お世話になったし、せめて料理だけでもお手伝いしないと……」
「そうか。なら、手伝ってあげてこい」
「うん」
彩音が夕食の支度手伝いに台所に向かった時に、省吾先生からスマホを差し出された。
「天川さん、どうするべきか迷っていたんですが……。これをご覧ください。恐らく、彩音さんが倒れた原因かと。彩音さんにはまだ見せてはいません」
スマホに保存されたSNSのやり取りや、省吾先生が見たという恋人からの酷い言葉や仕打ちに目の前が真っ赤に燃えあがった気がした。
「これは………………」
言葉を失うほどの衝撃を受けたのは、彩音が恋人が出来た事を嬉しそうに俺に話した去年以来だ。まさか、その相手がこんなクズだったとは思いもしなかった。ひとり立ちの第一歩として苦渋の決断で彩音を送り出したが、ひとりにするべきじゃなかった。
確かに、こんな事は彩音は知らなくていい。省吾先生の気遣いに頭を下げたが、腸はその男の事で煮えくり返っていた。
彩音は一度言い出したらきかない。今すぐ大学をやめさせて実家に連れ戻したいが絶対に卒業すると言い張って頷かないだろう。かといって卒業まで、こんな事があった以上一人暮らしをさせるわけにはいかないと唸る。
すると、大先生と若先生から、夕食時にこの家に彩音を下宿させてはどうかと提案された。ここからなら大学まで大通りに面しているから人通りも多い。さらに、家には常に誰かがいる上に側には交番もある。
彩音自身もこの提案にびっくりしていたが、俺としては彩音が大学を卒業するまでの間、これ以上の良案はないだろうと申し出を受けた。
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