【完結】【R18】これから、白いドアを開けて体験授業に挑みますっ!

にじくす まさしよ

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白いドアを開けられて、体験授業に挑む事になります!

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 マリアは、頬にキスを贈り合うと心がなんだかとても満たされた。やりきった、そんな気分になり、にこにこと笑っていたのである。

「では、行こうか」
「はい?」

 マリアは、一体どこに行くのかと思い、首を傾げた。そして、三人が微笑みながらマリアを見つめ、潤んだ熱い視線を投げかけて来たのでようやく、アーロンがどこに行こうと言っているのかを理解したのである。

「あ……!」

 そうだ、ずっと話をしていてすっかり忘れていた。特にアダムとのやり取りのあとの大団円ですでに終わった感があったのである。

 そう言えば、序列というか、夫の順位ってどう決まるんだろう? 家それぞれによって、妻が気に入った順だったり、求婚順だったり、夫の地位順だったり色々だ。

 妻は、夫たちを便宜上順位を決めるが平等に愛する義務がある。それでも、書類や儀式では順位が必要となる場合がある。

 マリアは、家族以外の異性とスキンシップすらした事がない。

  それを伝えるのは誰がいいのだろうか……? それに、誰から体を重ねるのか……? いや、お風呂は? 服は? 下着の色はなんだっけ?  明日は晴れかな?

  パニックになってしまって考えがぐちゃぐちゃになり、まるで、食べたあとの袋に残った砕けたポテトチップス状態だ。
  食べにくい上に湿気っていてふにゃりとしつつ手や口周りに細かくくっついて気持ちが悪く……など思考はあっち行きこっち行きしていて収拾がつかない。

「あの……、その……。わ、私……」
「マリア、僕たちにまかせてください」

 すっかり気が動転してしまったマリアに、視線を合わせて安心するようにやさしくスティーブが微笑んだ。

「えっと、わたし……」
「マリア、分かっているから。だから……、」

 アダムがそっとマリアを立たせる。大きな手の平がマリアの小さな白い手を包み、もう片方の手をアーロンが握る。スティーブは未だ開けられていない白いドアに向かい、その前に立った。

「「「行こうか」」」

 三人はそう言うと、白いドアに同時触れた。

ブゥンと音が鳴り、白いドアが無くなった先には、中央にでーんと、まっしろなシーツがピンと張られた家具が鎮座していた。

  ぎょっとしたマリアは足がぴたりと止まり、体がこわばる。

 三人は、そっと優しく、だけど、マリアを逃さない力で手をベッドに向かって引き、ドアの前にいたスティーブは、すでにマリアの背後に回っており背中に温かくて大きな手の平をそっと当てている。

 右に大柄なアーロンが、左にはしなやかなアダムが。後ろには逞しいスティーブがいて、まるで人間で出来た檻のよう。

 マリアは、彼らの力に引っ張られるように足が寝室に一歩一歩入って行った。やがてスティーブも入り込むと、白いドアが現れて背後が完全に閉ざされてしまった事を悟る。

 右を見ても、左を見ても、ましてやドアを見ようと後ろを振り返ろうとしても誰かがいる。唯一開かれている前方には、まるで王者のように堂々とあるベッドだけ。
 キングサイズよりも大きなそれは本当に手すりも天涯もない、単なるシーツだけを敷かれたベッド。隠すものはなにもなく、広くて明るい照明に照らされて輝きを放っていた。

「ひ……」

 思わずマリアはひゅっと息を吸い込み小さく悲鳴をあげてしまう。カチカチと歯が鳴ってしまい、しっかりしなくちゃ、このままではせっかくマリアに合わせてくれた彼らに悪いと思えば思うほどいう事を聞かなかった。



 覚悟はしていたはずだ。



  沢山授業でも色んな性行為の動画を見て来た。でも、それでも目の前の現実が目の前に迫って来てようやくふんわりとしたイメージだった彼らとの行為が現実味を帯びたのだ。

「マリア……、きちんと学校や政府に掛け合ってあげるから今日は話をして時間が過ぎるのを待とうか? 俺としては一日も早く貴女とつながりたいけれど、心から貴女が決意できるまでじっくり時間をかけてもかまわないよ?」

 きゅっと左手を握り、青ざめてしまったマリアを気づかわし気にハノ字に眉を下げてアダムがそう言った。

  マリアは一瞬すがるような視線を彼に投げかけてしまう。

 すると、右手がすっと動かされ、視線をそちらに向けると、アーロンが同じように心配してくれているのか揺れる瞳でマリアを見つつ、そして小さく頷いた。

 勿論、背後のスティーブも安心させるように背中をゆっくり撫でており三人の気持ちに心が温かくなる。

  けれど、ここで彼らとの「体験」が無かったと知られれば、彼らの立場がなくなる。いくら権力があっても、彼らが色々言われるなんて、そんな事態になる事は絶対に避けたいし、何よりも彼らの誠意に応えたいと思った。

「……、ありがとう、みんな……。わ、私、どうしていいのかわからなくて……。こ、怖くて。あ、あなたたちが嫌とか、そういうんじゃなくって……!」

 マリアは、目尻から涙が零れそうになり、俯いて目を閉じる。三人とも、もっと強引にしようと思えば出来るはずなのに優しくて、それが嬉しくて、でも、飛び込んで行けない、意気地のない自分に対して、なんだか情けなくなり悲しくなってしまった。







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