僕がサポーターになった理由

弥生 桜香

文字の大きさ
16 / 128
第一章

14

しおりを挟む
 午前の授業が終わり、午後からはSクラスとの顔合わせがある。
 まずはBクラスとの顔合わせ、そして、僕がいるAクラスに彼らはやって来た。

「お前ら、組が決まったらオレかお前たちの担任に紙を提出する事。
 後は好きにやってくれ。」

 扇先生はそう言うと壁に凭れ掛かり目を閉じた。
 どうやら完全に生徒に任せるようだ。

「やっほー、二人とも。」
「藤井さん。」
「何か気が抜けるわね。」
「一平のバカ、これが通常運転じゃん。」
「そうね、貴女の場合そうよね。」

 いつもの二人のやり取りに僕は苦笑する。

「藤井さん、そちらの方々は?」
「ああ、杏里(あんり)ちゃん。」

 黒髪のいかにも美女というような女性が藤井さんに声を掛けて来た。

「巡?」

 林くんは藤井さんの名前を呼び、紹介しなさいと目で訴える。

「ああ、えーと、こっちのおかまが林一平、あたしの幼馴染つーか、腐れ縁。」
「貴女という人は…。」

 額に手を当て、呆れた顔をする林くんに僕は苦笑を浮かべ、杏里ちゃんと呼ばれた彼女をみる。
 彼女は唖然とした顔をしながら林くんを見たが、すぐに失礼だと分かったのか、表情を取り繕う。

「で、こっちの天使が空野紫織くん。」
「はじめまして、武上(むじょう)杏里さんですよね?」
「あら、わたくしの名前を?というか、空野って確か…。」

 色々と入ってくる情報やそれに関連する情報が多すぎたのか彼女は混乱している。

「今回のテストの五位だったかな。」
「のっ!」

 藤井さんの後ろからにょきっと現れ、藤井さんは気づいていなかったのか、思いっきり体をのけぞらせる。

「分野(ぶんや)くん、脅かさないでよ。」
「すまない、話しが聞こえたからつい。」
「巡が大げさなだけよ。」
「何だと?」

 今にも殴り出しそうな藤井さんに僕は苦笑する。

「えっと、話を戻した方がいいかな?」
「あっ、うん、いいよ、一平には後で覚えてろよ。」
「嫌よ。」
「……本当に仲がいいな。」
「そんな事ないわよ。」
「そんな事ない。」

 被る二人に僕は苦笑し、二人は嫌な顔をして、同時にそっぽを向く。

「仲がいいですね。」
「そうだな。」
「ですね。」

 僕たちはほんわりして、そして、自己紹介を再開する。

「えっと、武上さんは今回のテストで、一位で、分野順斗(じゅんと)くんは二位だよね?」
「ご存知でしたのね?」
「名前と成績だけだよ、顔まではまだ一致してないよ。」
「ふむ、ところで、空野くんの属性は何にかな?ああ、ぼくは地と風なんだ。」
「そうですわね、わたくしは光ですわ。」
「……。」

 二人は気づいていないだろう、僕を値踏みしているという事を、もし、自分の属性に有利な属性ならばと考えてくれているのだろうけど、僕は無属性だ。

 藤井さんと林くんは互いに戸惑っている、僕は意を決して口を開こうとした瞬間。

「はっ、お前いたのかよ。」
「……群青(ぐんじょう)くん。」

 聞き覚えのある声は群青迅(じん)、僕と同じ中学で何かと僕を睨む人物だった。

「無属性がなんでこんなところにいるんだよ、普通科に行けよ。」
「……。」
「ちょっと、何酷い事言っているのよっ!」
「えっ、藤井さん?」

 群青くんに突っかかる藤井さんはずんずんと彼に近づく、そして、彼に触れようとした瞬間、怒声轟く。

「触れるなっ!」
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

BLゲームの脇役に転生したはずなのに

れい
BL
腐男子である牧野ひろは、ある日コンビニ帰りの事故で命を落としてしまう。 しかし次に目を覚ますと――そこは、生前夢中になっていた学園BLゲームの世界。 転生した先は、主人公の“最初の友達”として登場する脇役キャラ・アリエス。 恋愛の当事者ではなく安全圏のはず……だったのに、なぜか攻略対象たちの視線は主人公ではなく自分に向かっていて――。 脇役であるはずの彼が、気づけば物語の中心に巻き込まれていく。 これは、予定外の転生から始まる波乱万丈な学園生活の物語。 ⸻ 脇役くん総受け作品。 地雷の方はご注意ください。 随時更新中。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

笑って下さい、シンデレラ

椿
BL
付き合った人と決まって12日で別れるという噂がある高嶺の花系ツンデレ攻め×昔から攻めの事が大好きでやっと付き合えたものの、それ故に空回って攻めの地雷を踏みぬきまくり結果的にクズな行動をする受け。 面倒くさい攻めと面倒くさい受けが噛み合わずに面倒くさいことになってる話。 ツンデレは振り回されるべき。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。 ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。 あの日までは。 気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。 (無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!) その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。 元日本人女性の異世界生活は如何に? ※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。 5月23日から毎日、昼12時更新します。

幼馴染み

BL
高校生の真琴は、隣に住む幼馴染の龍之介が好き。かっこよくて品行方正な人気者の龍之介が、かわいいと噂の井野さんから告白されたと聞いて……。 高校生同士の瑞々しくて甘酸っぱい恋模様。

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。

或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。 自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい! そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。 瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。 圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって…… ̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶ 【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ 番外編、牛歩更新です🙇‍♀️ ※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。 少しですが百合要素があります。 ☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました! 第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!

処理中です...