【完結】パンでパンでポン!!〜付喪神と作る美味しいパンたち〜

櫛田こころ

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第49話 カレーパン作り①

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「「「カレーパン!?」」」


 あたし、駿しゅんみおちゃんがいっしょのお休みの日に。

 美濃みのさんが、『どうじゃ?』と言ってくれたの!!

 みんな大好き、カレーパンだもの!! 誰もいやって言わなかったわ!


『そうじゃ。澪もおるし……段蔵だんぞうもおるとなれば、ドーナツ以上のものも出来よう』

「……まあな」

「「「わーい!!」」」


 カレーパン、カレーパン!!

 あつあつ。

 できたて。

 カレーパンが食べれるかも!!

 おとうさんはやけどするから、いっつもダメって言うのよね?


『うむ。であれば、今日も分担しようぞ? 桜乃さくのと駿には……野菜などのみじん切りじゃ』

「「え??」」

「美濃さん、二人にまだ刃物は」

『大丈夫じゃ、これがあるぞ』


 ぽんっと出てきて……浮いていたのは。

 とーめーな箱?

 けど、中にぐるぐる巻いた刃物があったわ。


「それなーに?」

『適当な大きさに切った、野菜を簡単にみじん切りにしてくれる道具じゃ』

「チョッパーですね! それなら、取り出す以外は二人なら」

『しかも、あちきの手が加わっておる。かなりの量が作れるぞえ?』

「「「おー!!」」」


 それは……すごいわ!!

 使い方は、美濃さんが切ったお野菜を刃物のとこに入れて……フタをして。フタと色が違うとこをぐいーんってひっぱれば!!

 糸が出てきて、中の刃物がぐるぐる回って。

 すぐに……お野菜がちっちゃくなっていくの!!


「「すごーい!!」」

『これを桜乃らにやってほしいんよ。出来るかえ?』

「うん!」

「はい!」

「そんなら……子ども用にスパイスも控えめか?」

『頼んだぞ』

「おう」

「「すぱいす??」」

「うーん。辛いカレーとかは、二人は食べたことある?」

「ううん」

「……僕、ある。おとうさんのカレー」

「ふふ。だから、今日は甘口になると思うの」

「!」


 からいカレーって……どんなのだろう?

 駿は怖がっていたから……あんまり食べたくないのかな?

 あたしは、おとうさんのカレー……食べたことないけど。


「桜乃。大人のカレーは、辛い場合も多い」


 思い出そうとしてたら、おじいちゃんがそう言ってくれたの。


「からいの?」

「口の中が痛くなるぞ」

「おとなはいいの?」

「大人はいいんだ」

「ふーん?」


 色々違うんだ? 不思議。

 とりあえず……美濃さんが切っていくお野菜を。

 あたしと駿で、どんどんみじん切りにしていく!!

 ひっぱれば出来るから、すっごく楽しい!!


『あらかた出来たら……炒めていこうぞ』


 バターをちょっと大きく切った、おっきいお鍋で……美濃さんがいためていくんだって。

 じゅーって、いい音。

 カレーって……おかあさんが作るとこも、宙太そらたが生まれてからは見ていないわ。

 おばあちゃんは……どうだったかなあ??

 でも、カレーの茶色いかたまり……ないんだけど?
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