71 / 128
第71話 おみやげを何に?
しおりを挟む
カキカキ
ヌリヌリ
ペタペタ
今日も夏休みの宿題。
あたしは、他の宿題もがんばっていたけど。ちょっとずつかいてたポスターの方も色ぬりをしていたわ。美濃さんのことはやっぱりかいちゃダメって言われたけど、おとうさんやおじいちゃんたちのことはかいていいっておじいちゃんが言ってくれたから……『ルーブル』を何回もかき直してから絵の具でぬっているの。
子どもだから、まだ上手にはかけないんだけど……大丈夫だと思う。
できたら美濃さんにも見てもらうんだー。
(……あとちょっとでお祭り)
お店のお手伝いは、しなくていいっておじいちゃんやおとうさんに言われたから……駿とかなっちゃんと屋台とかに遊びにいくつもり。ぼんおどりとかも、今年はちゃんとおどれるかなあ? まだおどりってむずかしいのよね?
おみやげはおこづかいで買えるだけ買うつもり。あんまり外に出れない美濃さんのために、たっくさん買うんだ! 美濃さんが一緒だったらもっと楽しいかもだけど。
『あちきが一緒じゃと、桜乃が楽しめぬじゃろう? 土産話で十分じゃ』
って言われたのもあるから、おみやげをたっくさん買うことにしたのよね?
(……何がいいかなあ?)
かき氷はとけちゃう。
わたあめは大きいけど、とけない。
たこ焼きはできたてじゃないし、それはお好み焼きも一緒。焼きそばも。
焼き鳥とかは、駿とか澪ちゃんのとこって決めているから大丈夫。
他……他。
うちは、この間チョコクリームパンは食べたから、いいって言うだろうし? おみやげって、むずかしいかもしれない。
ペタペタ、絵の具で色ぬりしながら考えてたけど……このままじゃ、よくないわ。一度かわかすのに絵の具を少し片付けて、近くで本を読んでたおじいちゃんに質問することにしたの。
「おじいちゃん」
「うん?」
メガネを外したおじいちゃんは、本じゃなくてあたしを見てくれた。
「お祭りで、美濃さんにおみやげ買おうと思うんだけど」
「おう。いいことだな?」
「……何がいいんだろう」
「いっぱい考えて、わかんなくなってきたか?」
「うん。うちは別にいいでしょう?」
「だなあ。この間食ったし」
「……何がいいかなあ?」
「……難しいな」
おじいちゃんも美濃さんのことはよく知っているから、あたしよりもおみやげについて考えてくれた。
でも、わかんないってなると……ほんとうに何がいいんだろう?
とりあえず、お祭りの日に一緒に回ろうって言ってくれたからうれしい!! おじいちゃんがいるなら、おみやげもっとたくさん買えるもん!!
ヌリヌリ
ペタペタ
今日も夏休みの宿題。
あたしは、他の宿題もがんばっていたけど。ちょっとずつかいてたポスターの方も色ぬりをしていたわ。美濃さんのことはやっぱりかいちゃダメって言われたけど、おとうさんやおじいちゃんたちのことはかいていいっておじいちゃんが言ってくれたから……『ルーブル』を何回もかき直してから絵の具でぬっているの。
子どもだから、まだ上手にはかけないんだけど……大丈夫だと思う。
できたら美濃さんにも見てもらうんだー。
(……あとちょっとでお祭り)
お店のお手伝いは、しなくていいっておじいちゃんやおとうさんに言われたから……駿とかなっちゃんと屋台とかに遊びにいくつもり。ぼんおどりとかも、今年はちゃんとおどれるかなあ? まだおどりってむずかしいのよね?
おみやげはおこづかいで買えるだけ買うつもり。あんまり外に出れない美濃さんのために、たっくさん買うんだ! 美濃さんが一緒だったらもっと楽しいかもだけど。
『あちきが一緒じゃと、桜乃が楽しめぬじゃろう? 土産話で十分じゃ』
って言われたのもあるから、おみやげをたっくさん買うことにしたのよね?
(……何がいいかなあ?)
かき氷はとけちゃう。
わたあめは大きいけど、とけない。
たこ焼きはできたてじゃないし、それはお好み焼きも一緒。焼きそばも。
焼き鳥とかは、駿とか澪ちゃんのとこって決めているから大丈夫。
他……他。
うちは、この間チョコクリームパンは食べたから、いいって言うだろうし? おみやげって、むずかしいかもしれない。
ペタペタ、絵の具で色ぬりしながら考えてたけど……このままじゃ、よくないわ。一度かわかすのに絵の具を少し片付けて、近くで本を読んでたおじいちゃんに質問することにしたの。
「おじいちゃん」
「うん?」
メガネを外したおじいちゃんは、本じゃなくてあたしを見てくれた。
「お祭りで、美濃さんにおみやげ買おうと思うんだけど」
「おう。いいことだな?」
「……何がいいんだろう」
「いっぱい考えて、わかんなくなってきたか?」
「うん。うちは別にいいでしょう?」
「だなあ。この間食ったし」
「……何がいいかなあ?」
「……難しいな」
おじいちゃんも美濃さんのことはよく知っているから、あたしよりもおみやげについて考えてくれた。
でも、わかんないってなると……ほんとうに何がいいんだろう?
とりあえず、お祭りの日に一緒に回ろうって言ってくれたからうれしい!! おじいちゃんがいるなら、おみやげもっとたくさん買えるもん!!
1
あなたにおすすめの小説
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる