【完結】パンでパンでポン!!〜付喪神と作る美味しいパンたち〜

櫛田こころ

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第95話 高加水パン作り②

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 時間短縮クイックはしたけど、メモする時間を作った方がいいって……美濃みのさんのアドバイスで、駿しゅんと一緒にノートに書き書きしていく。

 えんぴつできたない字になっちゃったうけど、先生に出すときにきれいにすればいいからだいじょぶ!

 メモはちょっとにがてだけど、がんばってがんばってたくさん書いたら、美濃さんがりんごのジュースを出してくれたの。おいしくていっぱいのんじゃう!!


「おいしー!」


 ごくごくのんだのは、あたしだけじゃないわ。駿にみおちゃんもいっぱいのんでたの。


「すっごく美味しいです」

「おいしーい」

『酵母用に仕込んでたりんごのあまりで作ったのじゃ』

「「「りんごでも?」」」

『酵母を侮るなかれ? 香草……ハーブでも作れるし、種類は豊富なのじゃ』

「ミント酵母とかか。難しいんだよなあ?」


 こーぼって、ほんとうにいっぱいあるのね。びっくりだわ……もっともっとべんきょーしなくちゃ!

 きゅーけいがおわったら、次はこーかすいパンの形だけど……まず切るのがすっごくすっごくたいへんだったの!!


「……美濃さん」

「これ……パンになるんですか?」

「べちゃべちゃ……」


 台の上に、たっくさん粉つけてなきゃ……失敗したスライム作りにしか見えないわ! これがおいしいパンになるだなんて思えない!!

 あたしたちの手は真っ白だけど、どろどろべちゃべちゃになったわ……。でも、そこに美濃さんが来ると。


『ほいほいほい』

「「「えぇえ??」」」


 くるん、くるんってあんまりさわらなくても、四角い生地にできちゃった!? 美濃さんはやっぱりすごいわ!!


『慣れれば、指先だけで出来る。あまり手全体で触らぬ方が良い』

「ま、慣れだな。俺も知った時はびっくりしたぜ」

「「「はーい」」」


 桜乃さくの、しゅぎょーの道はまだまだ長いって、ゲームのように思ったわ。

 そこから、もう一回ドウコンではっこーさせて、ぽんぽん形を整えて……オーブンでしっかり焼くだけ。

 このパンはこれでいいからってことで、次はみんなで何をするかと美濃さんが考えてくれたの。


『手作りバターを作ろうぞ』

「「手作り?」」

「それも自由研究らしく?」

『普通に食べられるものが、かなりの手間だとよくわかるじゃろう?』

「んだな」


 で、美濃さんが用意してくれたのは……ペットボトルと、牛乳にお塩。

 これでバターができるのかしら??
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