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第96話 バター作り
しおりを挟む『普通の牛乳ではないぞ?』
パックのふたをあけると、中身はどろんとしてるヨーグルトに見えたわ!
「これなーに?」
『バターは本来生クリームから作るのじゃが、原材料……最初は同じ牛乳なのじゃよ。自由研究にするのに、ただ普通の生クリームを使っても面白くなかろう?』
「乳脂肪が多い牛乳なら、作れなくないってことですか?」
『そうじゃ。さすがは澪』
「成分とかは大学で習ったので」
よくわかんないけど……いろいろ理由があるみたい?
とりあえず、つくってみることになって、どろどろ牛乳をビンに半分くらい入れて……お塩をほんのちょこっと入れたら、ふってふってふる!!
「うにゅにゅにゅ!」
「た……へん!」
「おいしー、バター……のため!!」
「俺もやるかあ?」
美濃さん以外、ビンをたっくさんふってふってふって!!
じゃばじゃば音がして、全然バターにならないけど……ちょっとがんばってたら、ごろごろ音がした?
「う?」
ぶんぶんふっているのを見たら、中にころころしたのがあったわ!? これ……ひょっとしてバター??
『良いぞ、桜乃。あと五分は振るのじゃ』
「はーい」
だんだん楽しくなってきたから、ふってふってふって!!
もっとたくさんごろごろするのが、みんなもできあがったら……これをガーゼみたいな布とざる、ボウルを使ってごろごろとシャバシャバをわけて。
ごろごろには、ちょっとお塩を入れてから澪ちゃんが泡立て器でまぜてくれたら……バターができた!!
「「バターだ!!」」
「結構大変ですね……」
『作り甲斐があったじゃろう?』
「うん!」
「そうですね」
で、この手作りバターを使って……こーかすいパンがやけたら食べるんだって!
ときどき、レシピようの写真をとってくれたおじいちゃんが、『あぶるか?』って言ってくれたんだー! ジャムもたくさんあるとおいしいパンだから楽しみ!!
あと、おかたづけのときに、シャバシャバしたほうはどうするの? って美濃さんに聞いたら。
『そうさな。料理にも使えるしこのまま飲める。飲んでみるかえ?』
「おいしい?」
『それも経験じゃ』
コップに入れてくれると……ちょっと黄色い牛乳に見える。
おいしいのかなあって、ゆっくり飲んでみたんだけど。
すぐに、牛乳の味がわかってごくごくのんじゃったわ!!
「おいしい!」
「え!? 美味しいの!?」
「僕も飲みたいです!」
『ほほほ。まだあるぞえ?』
まだのこってたから、おじいちゃんも入れてみんなでシャバシャバをのんで、笑顔になったの。これは、なっちゃんにもおしえてあげたいなあ。ふるだけなら……たぶん、なっちゃんでもだいじょうぶだと思う。
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