ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!

櫛田こころ

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第69話 久しぶりに会う

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「藍葉っち~! ひっさびさー」
「あ。夏菜ちゃん」


 中学からの幼馴染で、たまたま進学が同じ場所だったマブダチ。三年になると就活や卒論制作などでそれぞれの時間を取るので、なかなか講義もかぶらないし時間も合わない。

 そんな彼女と、久しぶりに会うが彼女はリクルートスーツではなく普通の格好だった。


「内定取れたの?」
「そうそう。……藍葉っちは大丈夫?」
「うん。障がい枠でインターン受けてる。そこになりそう」
「ほんと? いや~、よかったよかった。就活始めたばかりはどん底だったじゃん?」
「まあ、ね」


 身体障がいがあるだけで……お見舞いメールが多数来るだけだった初回。それが、兄らの計らいでインターンになれるとは思わなかった。それと、成樹との再会に加えて……恋人になるまでも。後半はこんな往来の場で言うわけにはいかないので、空いている講義室をひとつ借りてから報告すれば。


「え!? 藍葉っちの初恋の人……と、めでたくゴールイン??」
「まあ……簡単に言っちゃえば」
「なにそれなにそれ!? かっこいい人だよね? キスした??」
「……かっこいいけど。まだ」
「なんで!?」
「……タイミング?かな?」


 仕事関連だと、ふたりきりにはなかなかなれない。車の中だと赤信号になって……のお決まりのも特にないでいた。お互いの家だと、美晴がいるのでなおさら難しい。というパターンを繰り返しているので、まだファーストキスすらしていなかった。


「もったいなーい。今、何か月目??」
「……二ヶ月目?」
「は? 記念日的なのは??」
「え? した方がいい?」
「しようよ!! うちも付き合ってる彼氏とは月更新ごとにしてるし!!」
「そ、そうなんだ?」


 人によるというものだが、成樹もそれなりに忙しいと思っているから遠慮するのは……逆に、よくないのか。


「え、彼氏さんいくつ? 藍葉っちのペース考えてくれてるの??」
「えっと……この間誕生日だったから、二十八くらい??」
「歳の差恋愛!! うっわ~、藍葉っちの初彼だから……やっぱ、ペース考えてくれてるのかな?」
「うーん。そうかも??」


 なんだかんだで、成樹ひと筋だった藍葉を気遣いしてなら……下手に手を出す行動をしないのは怖がらせないためか。成樹のこれまでがどうだったかは聞いていないけれど、藍葉の古傷をいやすかのように……普段はとろとろになるくらい甘やかしてくれている。行動というより、言動が。

 であれば、次はキスとかハグとかだろうか? 手を繋ぐとかは歩行じゃ出来ないので家の中とか。それを思い浮かべただけで、藍葉は自然と顔が熱くなってくる。


「あ、なーに? いい雰囲気にはなってたとか?」
「……た、ぶん。自覚、ないだけで?」
「いいないいな~。うちの彼氏とも久しぶりにらぶらぶしたいなあ!!」
「最近会ってないの?」
「うん。一個上だけだし、卒論の追い込み?」
「……大変、なんだね」
「まあ、こればっかりは口出しできないし?」


 藍葉も成樹らの管轄に関しては、無闇に口出しをしないようにしている。出来るだけ、言葉選びをしてから業務連絡についても質問しているだけだ。ただ、プライベートはどうかというと……成樹の都合がつく以外、わがままで勝手に会いにいこうとはしていない。

 アクセス方法や合いかぎはもらっているが、まだ、少し勇気が出ないのだ。胸を張って、成樹の彼女だと言えるような自信が。そこは少しだけ、昔のトラウマがまだこびりついているからだろう。

 夏菜とそのまま学食にでも行こうとしたが、メール受信用のアラームが鳴ったので確認すると。


『今から会えんか?』


 と、成樹からのお誘いが会ったため、夏菜にはまた会おうねと別れることにした。だいたい一週間ぶりだが、メールや通話は毎日のようにしていても直接会える方が何倍も嬉しい。

 それくらい、恋というものは心の浮き沈みを大きく左右させてくれるものだと自覚した。


(話しながら、ポイ活の進み具合もちゃんと報告しなきゃだけど)


 隣接したファームであるから、互いの育成具合は筒抜けだ。それでも、きちんと報告し合うのは大事だと思ったのだ。
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