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第112話『ナツ』と夏奈
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誰と誰、とお互い聞きたくて堪らない表情をしていたと思う。
「『……は??』」
お互い、さっきまでしゃべっていた男性と入れ替わる様にしての対面となった。
服装も髪型もそれぞれ全く違うのは当然だけれど……『顔』だけは瓜二つと言えるくらいにそっくりであった。『ナツ神』はようやくこの対面が成せたことに喜びが込み上がりそうになったが……一応は神らしく対応しなければいけないので、地面に倒れたままだった相対の自分を立たせてやった。
「……はじめまして、ね? 地球の私」
『え、あ、はい? はじめまして……あ、あたしなの??』
事情をハル神からあまり聞いていないのか、しどろもどろな言い方になってはいるが意識はしっかりとこちら側にリンクしているようだ。美晴の姿はどこにもいないし、ここで対面よりは
向こう側できちんと会わせるためか……単なるサプライズにしたいのか。
どちらにしても、ハル神の演出にしては『らしい』ので受け入れるしかない。
「そう。ここは、あなたとかが『異世界ファーム』と呼んでいた並行次元の世界」
『え? あれって……ゲームじゃないの?』
「そう見させていただけ。施設運営については手助け感謝だったわ」
『いや、その。……あたし、全然そこんとこの記憶あやふやなんだけど』
「……そうね」
藍葉以上に、精神疾患の重病患者。その投薬などの処置が間に合ったおかげで、ナツ神も自立した意識を取り戻せたと言っていい。
それを告げたところで、互いの現実は変わりない。『異質』そのものを他の存在から拒否させられていることに。
『……あの。ナツ神さん』
「ナツでもいいわ」
『……えっと。向こうで、あんたの『旦那候補』とかに会ったんだけど……あたしにもいるの?』
「いるわ。と言うか、さっきまで私と話してたわ」
『マジか!? ずるい!! あんなイケメン過ぎるのが神さまとかじゃなくても、会いたかった!!?』
「……彼の趣向だけで進めているわけじゃないから。そこはごめんなさい」
『あ、うん』
地球側は生命活動を静かに眠らせていくようにして、『冬眠モード』を施したはずなのに。藍葉やクロードのように、夏奈のように活発的に動いてしまっている『関係者』がまだ多いのか。
『クロニクル=バースト』の核にいる『加東奈月』はこちらとは疎遠の並行世界から抜け出したばかり。地球側で『起きて』いるのかはあやしいが……この時点で生命活動を眠らせていない存在を野放しには出来ない。
夏奈の場合は最悪だが、応援を呼ぶしかないだろう。幸いなことに、『加東奈月』と同じ入院病棟にて匿われている。スタッフらは冬眠モードになっているから役には立たないが……そこに、美晴を起こして投入すればどうなるか。
ハル神なら、相対の最愛となる可能性が高い相手同士の初対面の演出を……色々仕組み過ぎでも考えたのかもしれない。一点恥ずかしいのが、カテーテルを装着したままなので拘束器具を外したあとはふたりでなんとか外すしかない。
「夏奈。ハル神から、私のことは少し聞いた?」
『あ、うん。あんたの旦那候補?くらいは』
「ほかには?」
『あと? ここがファンタジーとかくらい?』
「……あんの、ど阿呆! 相変わらず、説明省くんだから!!」
自分のことは、相手が他所の自分でもちゃんと説明してやれということか。百年単位で相対していないのにも関わらず、次世代の『神』といえど……その巡り合わせはまったくそのままだ。
来るなら自分で来い。ただし、準備し終えてから。
地球ではなく、世界規模での変動があるときとないときとでも……まったく同じ対応でしかない。
『……ごめん。聞く前に、ここに落とされたの』
「いいわ。あいつがやりそうなことだもの。……いーい? 夏奈。建物の外は、あなたがこっちを『見て』きた光景とよく似たことになっている。夢が現実になったと思えばいいわ」
『え? 看護師とかが来ないせいもそれ関係ある?』
「大いにあるわ。ゆっくり説明してあげたいけど……またいきなり引き戻されることがあるから、出来るだけ簡潔に教えるわ」
『わ、わかった』
『神』の必要性。
地球と多次元の並行感覚。
そして、役割を持つ『人間』になる存在。
藍葉らのことも含め、ざっくりとした説明にはなってしまったが……そこまで頭の回転が悪くない夏奈は、とても真剣に話を聞いてくれていた。
「地震とかあったけど。皆『寝てた』から津波もとっくに到達しているのよ」
『……けど。あたしとか死んでないんだ? 不思議~』
「美晴に会わせなきゃ、私とかハル神も一時的に現実から消えるの。いわゆる『死亡』と同じね」
『うっわ、その人とどう会うの? あたしの身体、縛られているのに?』
「……それを。ハル神と美晴で話し合っている可能性大ね」
『変な状態で初対面やだぁ』
「わがまま言わないで」
死んでいないだけ、最悪の事態でないのだから数倍マシだ。
「『……は??』」
お互い、さっきまでしゃべっていた男性と入れ替わる様にしての対面となった。
服装も髪型もそれぞれ全く違うのは当然だけれど……『顔』だけは瓜二つと言えるくらいにそっくりであった。『ナツ神』はようやくこの対面が成せたことに喜びが込み上がりそうになったが……一応は神らしく対応しなければいけないので、地面に倒れたままだった相対の自分を立たせてやった。
「……はじめまして、ね? 地球の私」
『え、あ、はい? はじめまして……あ、あたしなの??』
事情をハル神からあまり聞いていないのか、しどろもどろな言い方になってはいるが意識はしっかりとこちら側にリンクしているようだ。美晴の姿はどこにもいないし、ここで対面よりは
向こう側できちんと会わせるためか……単なるサプライズにしたいのか。
どちらにしても、ハル神の演出にしては『らしい』ので受け入れるしかない。
「そう。ここは、あなたとかが『異世界ファーム』と呼んでいた並行次元の世界」
『え? あれって……ゲームじゃないの?』
「そう見させていただけ。施設運営については手助け感謝だったわ」
『いや、その。……あたし、全然そこんとこの記憶あやふやなんだけど』
「……そうね」
藍葉以上に、精神疾患の重病患者。その投薬などの処置が間に合ったおかげで、ナツ神も自立した意識を取り戻せたと言っていい。
それを告げたところで、互いの現実は変わりない。『異質』そのものを他の存在から拒否させられていることに。
『……あの。ナツ神さん』
「ナツでもいいわ」
『……えっと。向こうで、あんたの『旦那候補』とかに会ったんだけど……あたしにもいるの?』
「いるわ。と言うか、さっきまで私と話してたわ」
『マジか!? ずるい!! あんなイケメン過ぎるのが神さまとかじゃなくても、会いたかった!!?』
「……彼の趣向だけで進めているわけじゃないから。そこはごめんなさい」
『あ、うん』
地球側は生命活動を静かに眠らせていくようにして、『冬眠モード』を施したはずなのに。藍葉やクロードのように、夏奈のように活発的に動いてしまっている『関係者』がまだ多いのか。
『クロニクル=バースト』の核にいる『加東奈月』はこちらとは疎遠の並行世界から抜け出したばかり。地球側で『起きて』いるのかはあやしいが……この時点で生命活動を眠らせていない存在を野放しには出来ない。
夏奈の場合は最悪だが、応援を呼ぶしかないだろう。幸いなことに、『加東奈月』と同じ入院病棟にて匿われている。スタッフらは冬眠モードになっているから役には立たないが……そこに、美晴を起こして投入すればどうなるか。
ハル神なら、相対の最愛となる可能性が高い相手同士の初対面の演出を……色々仕組み過ぎでも考えたのかもしれない。一点恥ずかしいのが、カテーテルを装着したままなので拘束器具を外したあとはふたりでなんとか外すしかない。
「夏奈。ハル神から、私のことは少し聞いた?」
『あ、うん。あんたの旦那候補?くらいは』
「ほかには?」
『あと? ここがファンタジーとかくらい?』
「……あんの、ど阿呆! 相変わらず、説明省くんだから!!」
自分のことは、相手が他所の自分でもちゃんと説明してやれということか。百年単位で相対していないのにも関わらず、次世代の『神』といえど……その巡り合わせはまったくそのままだ。
来るなら自分で来い。ただし、準備し終えてから。
地球ではなく、世界規模での変動があるときとないときとでも……まったく同じ対応でしかない。
『……ごめん。聞く前に、ここに落とされたの』
「いいわ。あいつがやりそうなことだもの。……いーい? 夏奈。建物の外は、あなたがこっちを『見て』きた光景とよく似たことになっている。夢が現実になったと思えばいいわ」
『え? 看護師とかが来ないせいもそれ関係ある?』
「大いにあるわ。ゆっくり説明してあげたいけど……またいきなり引き戻されることがあるから、出来るだけ簡潔に教えるわ」
『わ、わかった』
『神』の必要性。
地球と多次元の並行感覚。
そして、役割を持つ『人間』になる存在。
藍葉らのことも含め、ざっくりとした説明にはなってしまったが……そこまで頭の回転が悪くない夏奈は、とても真剣に話を聞いてくれていた。
「地震とかあったけど。皆『寝てた』から津波もとっくに到達しているのよ」
『……けど。あたしとか死んでないんだ? 不思議~』
「美晴に会わせなきゃ、私とかハル神も一時的に現実から消えるの。いわゆる『死亡』と同じね」
『うっわ、その人とどう会うの? あたしの身体、縛られているのに?』
「……それを。ハル神と美晴で話し合っている可能性大ね」
『変な状態で初対面やだぁ』
「わがまま言わないで」
死んでいないだけ、最悪の事態でないのだから数倍マシだ。
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