73 / 192
第十九章 眞島の場合⑩
第1話 結構悩む
しおりを挟む
眞島怜は非常に悩んでいた。
恋人とのことで……だが、破局とかそう言う問題ではない。
恋人の小森裕司のことを……怜はとても大好きだ。あまり口にすることは恥ずかしいが、それ以上に愛してもいる。
気持ちの面ではともかく、怜が悩んでいるのはイベントについて。日本では、バレンタインと対になる『ホワイトデー』のことだ。
「むむぅ~~……」
ひと月くらい前、のバレンタインだったが。
大学の友人である伊東皐月との合同提案と言うことで……それぞれの恋人を連れて、そこそこお高めなホテルのスイーツバイキングに行ったのだが。
払えなくないと言うのに、逆に裕司からは出費すると金を渡されてしまった。それは皐月の恋人である富樫智也も同じだった。
きちんと、皐月と相談した上で組んだプランだったが……やはり、男性側には気を遣わせてしまったようだ。肝心のバイキングの方も、美味しくないわけではないが普通の女子とよりも……舌が肥えてしまった怜にはいまいちだった。
だからではないが、裕司の津餃子を食べたいと皐月らが提案したことで……甘いどころかしょっぱい系のバレンタインデーを過ごした。皐月が提案したひとつにあった、裕司と智也との接点を取り持つことは出来たため……また新たなきっかけを与えることも出来た。
裕司には、『怜やん様様だよ』と言ってもらえた。
いいことになったが、少し望んでいたバレンタインと違う結果だった。
だから……怜は、これはもうホワイトデーにもきちんとプレゼントを渡さなくてはと思ったのだが。
「うぅ~ん……」
バイトも大学もほとんどない、春休みののどかな一日。
今日は裕司がバイトなので、怜は自宅でひとりだった。裕司の部屋に行って、掃除やらなんやらしても構わないのだが……ホワイトデーについては自分の家で計画をしたかった。
サプライズでなくてもいいのだが、出来れば喜ぶものにしたい。お金をあまりかけず、かつ喜ぶもの。それがすぐにわかれば……ここまで悩むことはない。
具体的に、裕司にチョコレート菓子を渡してはいないから……クッキーなどのホワイトデー菓子をあげるのも不自然。
あと、チョコレートとは違って、あれらには変な意味がもうけられている。それもバレンタインと同じように、日本独自のものであるらしいから。
「私をもらって? いやいやいや、こもやんはそう言うの……い、いやかなあ??」
裕司とは本当の意味で恋人の垣根を越えた。以降、不定期ではあるが……そのような行為をお互いの部屋でもするようになった。
今更な部分もあるが、行為に発展させるような……お約束な展開を裕司は望むだろうか。喜んでくれないわけではないが、なにか違うような気がした。
なので、バレンタインで関わってくれた皐月に通話してみたら。
『あ~~……ホワイトデーねぇ?』
皐月も皐月で、気にしていたのか……彼女自身も智也へ考えていたようだった。
恋人とのことで……だが、破局とかそう言う問題ではない。
恋人の小森裕司のことを……怜はとても大好きだ。あまり口にすることは恥ずかしいが、それ以上に愛してもいる。
気持ちの面ではともかく、怜が悩んでいるのはイベントについて。日本では、バレンタインと対になる『ホワイトデー』のことだ。
「むむぅ~~……」
ひと月くらい前、のバレンタインだったが。
大学の友人である伊東皐月との合同提案と言うことで……それぞれの恋人を連れて、そこそこお高めなホテルのスイーツバイキングに行ったのだが。
払えなくないと言うのに、逆に裕司からは出費すると金を渡されてしまった。それは皐月の恋人である富樫智也も同じだった。
きちんと、皐月と相談した上で組んだプランだったが……やはり、男性側には気を遣わせてしまったようだ。肝心のバイキングの方も、美味しくないわけではないが普通の女子とよりも……舌が肥えてしまった怜にはいまいちだった。
だからではないが、裕司の津餃子を食べたいと皐月らが提案したことで……甘いどころかしょっぱい系のバレンタインデーを過ごした。皐月が提案したひとつにあった、裕司と智也との接点を取り持つことは出来たため……また新たなきっかけを与えることも出来た。
裕司には、『怜やん様様だよ』と言ってもらえた。
いいことになったが、少し望んでいたバレンタインと違う結果だった。
だから……怜は、これはもうホワイトデーにもきちんとプレゼントを渡さなくてはと思ったのだが。
「うぅ~ん……」
バイトも大学もほとんどない、春休みののどかな一日。
今日は裕司がバイトなので、怜は自宅でひとりだった。裕司の部屋に行って、掃除やらなんやらしても構わないのだが……ホワイトデーについては自分の家で計画をしたかった。
サプライズでなくてもいいのだが、出来れば喜ぶものにしたい。お金をあまりかけず、かつ喜ぶもの。それがすぐにわかれば……ここまで悩むことはない。
具体的に、裕司にチョコレート菓子を渡してはいないから……クッキーなどのホワイトデー菓子をあげるのも不自然。
あと、チョコレートとは違って、あれらには変な意味がもうけられている。それもバレンタインと同じように、日本独自のものであるらしいから。
「私をもらって? いやいやいや、こもやんはそう言うの……い、いやかなあ??」
裕司とは本当の意味で恋人の垣根を越えた。以降、不定期ではあるが……そのような行為をお互いの部屋でもするようになった。
今更な部分もあるが、行為に発展させるような……お約束な展開を裕司は望むだろうか。喜んでくれないわけではないが、なにか違うような気がした。
なので、バレンタインで関わってくれた皐月に通話してみたら。
『あ~~……ホワイトデーねぇ?』
皐月も皐月で、気にしていたのか……彼女自身も智也へ考えていたようだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
183
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる