スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜

櫛田こころ

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第28話 いとこ同士で悪役令嬢取り合い?

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「……ルカ、触り過ぎだ」


 地を這うような蛇かと思いましたわ。声の主がリデル様のものだとわかっておりましても、びっくりし過ぎて『ひっ』と声が漏れてしまうくらいに。

 すると、手を握ったままのアディルカ様が『まあ怖い』とわたくしを懐に抱き寄せてくださいましたの!?


「ちょっと仲良くなっただけなのに。そんな無愛想だと冷酷王太子のまんまじゃない? レイシアさんに怖がられるわよ?」
「……ぐっ」
「女の子は女の子同士でお話しましょう!!」
「待て、ルカ! レティは叔父上たちにも、披露すべきことが」
「あら、お父様たちに? けど、せっかくの可愛い女の子とおしゃべりしたいわ!!」
「……ルカぁ!?」


 板挟みにされているのは、なんとも言えない複雑な気分ですが。リデル様がどんどん蛇化していくかのように形相が怖くなっていきますの!! いつものような、甘やかで涼しい笑顔のリデル様がいらっしゃいませんの!!? アディルカ様が冷酷……っておっしゃっていましたけれど、普段のリデル様はこのように恐ろしいのですか!!?


「こらこら、私たちのことはともかく……リデル、一旦鬼面は仕舞いなさい。レイシア姫が泣き出しそうだが」
「…………申し訳ありません」


 仲裁してくださったのは、セレストの陛下でしたが。ちょっとだけですが、怖い御顔が緩んだ気がしましたわ。ですが、正直言って腰が抜けそうでして……アディルカ様には申し訳ありませんが支えていただいていましたの!


「しかし、穢れの気配がリデルにはほとんどないね? その手袋も少々」
「まあ、陛下? この手袋、特殊な波紋の柄ですが……薄い虹色じゃありませんこと??」
「……この手袋は、もとは我が両親の頭巾。移した穢れのままなのですが、我らの知る穢れではありません」
「「まあ」」
「……では、聖浄クリアラとやらで抜いてしまった穢れそのもの……クロノ様には『汚れ』だったものが」
「薄めれば、ただのインク扱いでしょう。……レティ、君の見解はそうだったよな?」
「は、はい!」


 それについてはしっかり答えなくてはいけませんので、頷きました。そして、リデル様はわたくしの返事に対して凛々しく顔を引き締めてくださいました!! もう怖くありませんわ!!


「え? お父様たちの穢れ……も、ただの汚れ扱いになるの??」
「おそらくな。だから、披露するのにはここでもいいがうちの両親にも見てもらった方がいい」
「……それなら仕方ないわ。伯父様たちの穢れが本当にないのなら、私でも生まれてから御顔すら見てないもの」
「こらこら、私たちも兄上らの顔なんて子どもの頃以来だ」


 とりあえず、おしゃべりは決定ですが。わたくしの次のお仕事へと向かいますわよ!!
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