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第112話 風の我慢
しおりを挟む(あ~……ミラって、なんて素直な子やろ)
人間だった時も、大精霊の今も。
俺の前では素直で……めちゃんこ可愛い女の子や。
いや、今は『女』か。
俺だけのもんや。
他の連中には、もう遠慮せん。
俺の気持ちに応えてくれた……この子は俺だけの『恋人』や。
俺が大精霊となって……今までそんな存在は居らんかった。必要がなかったからだ。
だからこそ……関係が進んだことで、それ以上のこともしたかったが。
ミラに怖がられたくなかったんで、『ただ寝る』だけを提案した。受け入れてくれたが……必要以上に緊張してくれるミラも無茶んこ可愛い。
触れたくて仕方なくて……せめても、と口付けだけを提案したら、受け入れてくれた。
だから俺は……出来るだけ怖がられんように、昼間の時みたくゆっくりと唇を合わせた。
なーんにも化粧してないはずなのに、プルプルしとるミラの唇は、どこか甘い。
擦り合わせるだけでも、十分気持ち良いねん。
もっと先の口付けもしたいが……今日はしないと決めたんや。ミラの身体もカチンコチンやしな?
最後に、押し付ける勢いで口付けてから……少し、唇を食んで、離した。
ミラの顔を見ると、蕩けている表情に……男の部分を非常に掻き立てられたが、我慢や!! 超頑張れ、俺!!
「ほな、寝よか?」
「……は、い」
本当に寝るだけで済むかわからんけど……とりあえずベッドに入って、向かい合わせで寝ることにした。
唇には我慢して……おでこに口付けてから、ぎゅっと抱きしめてやると。安心したのか、ミラはゆっくり目を閉じて……寝てしまった。
「……愛しとるで、ミラ」
俺の、唯一の番。
絶対大事にしようと決め、俺はミラを胸元に引き寄せるように抱きしめて、目を閉じたのだった。
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