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王女のまかない⑦
第4話『ほっこり米麹の甘酒』
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くぴ、くぴっと火傷しないように飲んでいくのが、とっても快感。
ネルやアーネストも、ゆっくりだけどちゃんと飲んでくれたわ。
「これは……」
「酒と言う括りではあるようですが、酒精の味はしないですね? とても飲みやすいですし、甘さに砂糖でも??」
「酒粕で作ったわけではないので、一切入っていないんですよ。ネルヴィスさん」
「ほう??」
いくらイツキでも、『リュシアーノ』が飲めないものは用意しないもの。
けど、本音を言うと……カクテルでもいいから、お酒飲みたい。ノンアルだとジュースだし……炭酸水はあるから、出来なくはないだろうけど。
(……まだまだ我慢ね??)
聞き分けが良い王女を演じていかなくちゃだから、そこは頑張らなくちゃだわ。
「しかし……室内とは言え、お花がたくさんありますし。これは簡易的なお花見ですね??」
「そうね? この世界だとピクニックはあっても、お花見ってないし」
日本のお花見イコール飲み食いって感じだから、ほとんどピクニックと変わりないでしょうけど。
「わざわざ花を見に??」
「殿下であれば、離宮の花がありますよね??」
「んもぉ、そうかもだけど……たまには、別の場所もいいでしょ? ふたりとも」
「野山のお花を見つつ、お弁当を広げるのも楽しいですしね??」
「桜があれば言うことなし!!」
「「サクラ??」」
あ。アーネストが加わっても、ネルの前でも桜の話題をしたことがなかったわ……。
「ここにある桃の花みたいな、ピンクや白……地域によっては赤に近いのもあるらしいし。緑もあるそうよ? って、全部私とイツキのいた日本がほとんどの花の樹だけど」
「似た花だとアーモンドの樹だって聞きましたね??」
「……へー?」
イツキは本当に色々知っているのね??
ただのOLだったとは思えないわ。アレルギーの知識だけだと、今の私でも簡単なことならわかるわ。
お母様の……産後の女性が食べちゃいけない食材についても、ざっくりとした知識しか知らないもの。
「春になったら……皆さんでお花見に行けたら、最高ですね?」
イツキが、しみじみとそんなことを言い出した。
これは……とネルやアーネストに目配せした後に頷く。
「行きましょう、イツキ! お花見に!!」
「……え?」
「料理はお任せしてしまいますが、僕やアーネストとかで……そのサクラの樹に似た花は探しておきます」
「だから、もう少し特徴を教えてほしい」
「まだ一ヶ月先だけど、雪ももうないし……ちょっとだけならお母様達も一緒に行けると思うわ!!」
ね? とウィンクしてみれば……イツキのほっぺが赤くなり、強く頷いてくれたわ。
絶対、絶対! イージアスでの最初のお花見は成功しなくちゃだわ!!
ネルやアーネストも、ゆっくりだけどちゃんと飲んでくれたわ。
「これは……」
「酒と言う括りではあるようですが、酒精の味はしないですね? とても飲みやすいですし、甘さに砂糖でも??」
「酒粕で作ったわけではないので、一切入っていないんですよ。ネルヴィスさん」
「ほう??」
いくらイツキでも、『リュシアーノ』が飲めないものは用意しないもの。
けど、本音を言うと……カクテルでもいいから、お酒飲みたい。ノンアルだとジュースだし……炭酸水はあるから、出来なくはないだろうけど。
(……まだまだ我慢ね??)
聞き分けが良い王女を演じていかなくちゃだから、そこは頑張らなくちゃだわ。
「しかし……室内とは言え、お花がたくさんありますし。これは簡易的なお花見ですね??」
「そうね? この世界だとピクニックはあっても、お花見ってないし」
日本のお花見イコール飲み食いって感じだから、ほとんどピクニックと変わりないでしょうけど。
「わざわざ花を見に??」
「殿下であれば、離宮の花がありますよね??」
「んもぉ、そうかもだけど……たまには、別の場所もいいでしょ? ふたりとも」
「野山のお花を見つつ、お弁当を広げるのも楽しいですしね??」
「桜があれば言うことなし!!」
「「サクラ??」」
あ。アーネストが加わっても、ネルの前でも桜の話題をしたことがなかったわ……。
「ここにある桃の花みたいな、ピンクや白……地域によっては赤に近いのもあるらしいし。緑もあるそうよ? って、全部私とイツキのいた日本がほとんどの花の樹だけど」
「似た花だとアーモンドの樹だって聞きましたね??」
「……へー?」
イツキは本当に色々知っているのね??
ただのOLだったとは思えないわ。アレルギーの知識だけだと、今の私でも簡単なことならわかるわ。
お母様の……産後の女性が食べちゃいけない食材についても、ざっくりとした知識しか知らないもの。
「春になったら……皆さんでお花見に行けたら、最高ですね?」
イツキが、しみじみとそんなことを言い出した。
これは……とネルやアーネストに目配せした後に頷く。
「行きましょう、イツキ! お花見に!!」
「……え?」
「料理はお任せしてしまいますが、僕やアーネストとかで……そのサクラの樹に似た花は探しておきます」
「だから、もう少し特徴を教えてほしい」
「まだ一ヶ月先だけど、雪ももうないし……ちょっとだけならお母様達も一緒に行けると思うわ!!」
ね? とウィンクしてみれば……イツキのほっぺが赤くなり、強く頷いてくれたわ。
絶対、絶対! イージアスでの最初のお花見は成功しなくちゃだわ!!
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