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第八章 過去の嘆き
257.今の生活(ファルミア視点)
しおりを挟む☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆(ファルミア視点)
黑の世界に転生してから、約百年。
外見年齢も、小学生の中学年……だいたい十歳前後まで成長したわ。ほんと長命過ぎて成長が遅いから歯痒いわ!!
たった、とか今の両親が言うのも納得だったわ……赤ん坊の時期は、前にいた世界とあんまり変わらなかったけど……今の身長になるまで数十年以上って。前だったら、とっくにお陀仏になっていた年齢よ!?
(それに……この年齢になってようやく分かったけど)
このムスタリカって貴族の家柄。
爵位とかは伯爵らしいが、それ以外に……四凶達がいるからただの貴族ではないと思ってたけれど……どうやら、ヴァスシード王国の密偵とか護衛部隊を輩出するので有名な家らしい。
(スパイよ!? 忍者よ!!)
とかなんとか、最初の頃ははしゃいでいた自分が懐かしく感じるわ……。両親は、その話をした後に家訓的なのも話してくれた。如何に、国のため王族のために、死力を尽くしてお仕えする云々。
私は女だけど、成績次第では当主にもなれるらしい。結婚願望は前世に引き続きなかったから、目標はそれにすることを決めた。
決めた途端……マナーレッスン以上に、体術や魔術訓練が大変過ぎて後悔しかけたけれど。
四凶達がいなきゃ乗り越えれなかったわ。四凶がムスタリカの家に宿っているのは血の盟約。初代ムスタリカの当主と、文字通り血の契約を交わして……適任者に宿る仕組みを作ったからだって。で、今回は私らしい。
使役することが普通だけど、元の姿が化け物でも私は彼らを蔑ろにはしなかった。
変身すればイケメン集団だけど……なんだかんだ、小さい頃から一緒だもんで愛着が湧いてきたのだ。まだ元の姿は怖いけど、イケメンのままで命令するのはちょっと抵抗があったから。
だから、サイズは変えているけど……魔物討伐訓練の時は、彼らを元の姿に戻している。ムスタリカの人間として、四凶の主人として……成長は出来てるけど。
(まさか……友達が出来ないだなんて?!)
学校のようなものに通うことになっても、誰一人として私は学友すら出来なかった。
外見が悪くなくても、四凶を宿す人間として敬遠されてしまっているのだ。事務的な会話はクラス内であれど、それだけ。
他の用事か何かがない限り、男女問わず……教員ですら私に話しかけて来ないときた。
(異世界転生って、苦労話はあっても……こう言うのはないはずなのに)
あれもすべて、妄想や絵空事ではあるけれど。
その日も特に何も話しかけられなかった私は……昼休みに学食に行く気力がなかったので、中庭に行くことにしたわ。
【今日もか、ファルミア?】
影にいる窮奇が話しかけてきたので、私もテレパシーで答えることにした。
『そうね? お弁当は作ってもらったし……そこで食べましょう?』
本当は自分で料理したいんだけど……両親が許してくれないのよね??
訓練はいいのに、料理はダメって何でかしら??
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