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第九章 想う相手に向けて

270.頑張って作ろう

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 ◆◇◆









 セヴィルさんへのアクセサリー作りを打ち明けたのは、他にセリカさんにすることにした。


「ゼルお兄様にアクセサリー? カティアちゃんの手作り?! 絶対喜ぶと思うわ!!」
「そ、そうでしょうか??」
「そうよ!!」


 とりあえず、途中経過とは言え、セリカさんに研磨している結晶を見せると……何故か後退りされてしまいました。


「……なんて、凄い神力!? それが……フィルザス様に許可をいただいた結晶!!?」
「はい。あと一部はクラウのおやつです」
「クラウちゃんの??」
「ふゅゆぅ!!」


 今日も変わらず、ベッドの上でフィーさんから新しくもらった結晶を食べていました。感覚的にポテチを食べているような咀嚼音なんだよね??


「あ……あんなにも!? けど、クラウちゃんは神獣だものね??」
「お腹が空くのを、少しでも抑えるためでもあるとか」
「なるほど……? そのアクセサリー……磨く以外にも頑張るの?」
「はい。フィーさんに教わります!」
「頑張ってね?」
「はい!」


 隠しているのはいけないことと思われるかもしれないが、これはちょっとした驚きだ。

 セヴィルさんに喜んでいただけるかはわからないけど、彼は苦手なものをはっきりと言う人だ。だから、もし拒否されたら僕が自分でつける予定ではある。

 ただ、それにしては大人のアクセサリーサイズなので、使うのはだいぶ先かもしれないが。


「ふんふーんふん、ふふんふーん」


 空いている時間は表面を布でよく削って。ある程度の大きさになるまで削っていく。

 機材があるわけじゃないから、全部手作業でやるしかない。裁縫と違うのは手が怪我しにくいことだから有難い。

 僕、針仕事とかは本当に苦手だから!!



 くきゅるぅうううううううう!!




 作業していたら、お腹が軽く空いてきた。気づいたら、お昼ご飯の時間になっていたのでクラウを抱っこして食堂に向かうことにした。


「今日のお昼は何だろうね??」
「ふゅゆゆ!!」


 ヴィラカダを大量に持ち帰ったから、今日もそれだろうか??

 見た目はまだ克服しきれていないが、味については虜になってしまった。

 ピッツァももちろんだが、パスタ料理も絶品!!

 あと、塩茹でも捨てがたい!!


(エビと言えば、あとお米にも合うけど……)


 せっかくだから、炒飯を提案しようかな??

 ウルス米って品種でお米があるのは確認出来ているし……夜は提案してみよう!!

 そして、食堂に行ったらなんですが。


「おお! カティアちゃん!!」


 ちょっとぶりに、レストラーゼさんが同席していたわけです。
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