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第九章 想う相手に向けて
289.久しぶりのお散歩
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セヴィルさんとお出かけ……。
神域に行く前はちょこちょこお散歩とか、ティータイムを過ごしたりはしたけど。このお城に帰って来てからはなかった。
セヴィルさん達は当然お仕事があるし、僕は居候の身だ。ピッツァとかを振る舞うことは出来るけど、それ以外特に何も出来ない。
セヴィルさんと、実は婚約者……御名手だと言うのは……事情を知らない人達には信じられないだろうから。セリカさんに打ち明けた時も随分と驚かれたしなあ?
(……それにしても)
セヴィルさんって、やっぱり綺麗でかっこいいなあ?
睫毛とか、女性顔負けなくらいバッサバッサで長いし。肌もむちゃんこ白い。長い黒髪もすっごいサラサラしている感じ。触ってみたいと思う時もあるけど、今の身長差じゃ無理。と言うか、大変失礼だけど!!
「ふーゅ! ふゅぅ!!」
それと、今日はクラウが一緒だったから……クラウはセヴィルさんに抱っこしてもらいながらご機嫌さんだ。ちょっと……ちょっと羨ましいだなんて思ってないんだからね!?
「? どうかしたか、カティア??」
「ふぇ?」
「あまり、元気がないように見えたが」
「ふゅぅ?」
「だ、大丈夫です!!」
年甲斐もなく? 見惚れてたのと羨ましがってたなんて言えますか!?
僕は今は八歳か十歳くらいだけど、実年齢二十歳!! 大人!!
「……そうか? それならいいが」
「あ!? 閣下にカティアちゃん!?」
「ぴ!?」
「ふゅ!?」
散歩再開と言うところで、廊下の向こう側から聞き覚えのある女性の声が。
そっちを見ると、サイノスさん程じゃないがかっちりした騎士服を身につけた女性が僕達に手を振ってきた。
「シェイルさん?」
一応僕の護衛さんで、フォックスさんの娘さんだ。
「今日も可愛ええなあ? クラウちゃんも可愛ええ!!」
「ふゅ?」
「君やでー? 覚えとる??」
「ふゅゆ!」
セヴィルさんが抱っこしているのに、今日はセヴィルさんにビビっていない。いわゆる、クラウ効果って言うのかな??
「……シェイリティーヌ。職務は?」
「は! ひと段落ついたため、将軍からカティアちゃんの護衛任務の続きをするようにと」
「……そうか」
おお、ちょっと上司と部下のやり取りっぽい??
僕も日本にいた時は料理長達に叱られたり、優しくされたりはあったけど?
「ですが。おふたりの貴重なお時間の邪魔は致しません。ひとまず、これにて」
と言って、シェイルさんは忍者みたいに飛び上がって消えちゃった!?
お父さんのフォックスさんみたい!? あ、逆かな??
「……とりあえず、行くか?」
僕がぽかーんとしていると、セヴィルさんから軽く髪を撫でられた。結構あったかい手だ。
「はい!」
まだこの人との関係については、甘えがちな部分はあるが。
プレゼントを完成してから、気持ちを固めれたならとも思う。
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