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第十一章 異界の年の瀬
329.トロトロトマトリゾット-②
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クラウの騒がしい声に、もうご飯が出来たのかと体を起こせば……クラウがセヴィルさんの腕の中でジタバタしているのが見えた。
フィーさんが戻ってきて、苦笑いしていたけど。
「あ、カティア? 起きた??」
フィーさんが僕に気付くと、起きないようにと言ってから僕のおでこに手を当ててくれた。ちょっと冷たくて気持ちがいいのでアイスノンみたいだなって思ったよ。
「ふぇ~……」
「うんうん。まだ熱あるね?? けど、お腹空いたでしょ?? 君のレシピ参考に作ってみたけど」
と言って、フィーさんの亜空間収納から……美味しそうなトマトチーズリゾットが出てきた!!?
クラウが騒いでいたのはこの匂いかと納得出来るくらい、美味しそうな匂いで……簡易のちっちゃいテーブルをベッドの上に設置され、フィーさんがお皿をその上に置いてくれた。
「ふゅぅ、ふゅぅうう!!」
間近で嗅ぐと、クラウがはしゃぐのも無理はない。
食欲を掻き立てる、トマトソースと溶けたチーズの香り。あと、コンソメも使っているのかな?? とってもいい匂いだ。
まだちょっと咳は出るけど、お腹は空いているし……遠慮なく食べさせてもらおう!!
「いただきます」
ちゃんと食事の挨拶をしてから、スプーンを手に取り……ゆっくりと器の中身をすくい上げた。お米は柔らかそうで、トマトは優しい赤色。ところどころ、薄切りした玉ねぎも見えている。
もう我慢が出来ない!! と、軽く息を吹きかけてから口に入れた。
出来立てなのか、亜空間収納に入れていたから保温力が凄いのか……ちょっと熱くて、はふはふしちゃう!!
けど!!
「美味しいですぅ!!」
味加減、ソースの濃さ、チーズのコクなど……全てが僕が日本にいた頃に食べ慣れた味だった!!
僕、まかないもだけど自宅でも面倒な時はこれ作っていたんだよね……美味しいから!!
「良かった。まだおかわりあるから、遠慮なく言ってね??」
「はい!!」
「ふゅぅ、ぶゅうう!!」
「……クラウ。それはカティアの食事だ」
「ふゅぅ……」
「あの、フィーさん。クラウにも少し」
「しょうがないなあ??」
逆に後でクラウが駄々をこねる方が大変だもの。
クラウにはセヴィルさんが食べさせてくださり、僕はお腹いっぱいリゾットを食べてからまたぐっすり寝た。
次に起きた時には、セヴィルさんもクラウもいなかったけど……置いてあった鈴でコロネさんを呼んだら、着替えと一緒にすぐに来てくださった。
「たくさん汗をかいたでしょう?? お着替えしましょ」
「はい」
着替え途中にコロネさんにセヴィルさん達のことを聞いたら、今はご飯を食べに行っているらしい。けど、すぐに戻るんだって。
「カティアちゃんもお腹はどう??」
「…………結構ぺこぺこです」
たくさんリゾット食べても、ほとんど炭水化物だけだったからお腹が空いても無理はない。
お肉も少し欲しかったけど……治りかけの僕には何がいいのかな??
マリウスさんとかなら、何か考えてくださるかも。
コロネさんが着替えを持って行くついでに、その伝言をお願いしてから僕はまた寝転んで目を閉じた。
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