443 / 578
第十五章 異界の夏に向けて
443.大好きな理由?
しおりを挟む「んで、こっちに来てるってことは……イシャールに用か?」
サイノスさんには、僕らの行動もお見通しのようだ。
「クラウがお腹すいたので……今日は上層の皆さんお忙しいようですし、イシャールさんが良ければまたピッツァを作ろうかなと」
「あいつは喜びそうだなあ?」
「ふゅぅ!(ピッツァ~!)」
クラウはサイノスさんの腕の中で、嬉しくて二重にはしゃいでいるよ。
ピッツァもだけど、そんなにもサイノスさんが大好きなんだね?
「ピッツァ……あれは、実に美味だった」
ジェイルさんには一度食べていただいた以来だからね?
食べたいのかな? と思っても……今はお仕事の途中だから悔しそうな表情をされている。
「また食わせてくれ。俺とジェイルは親父に呼ばれてんだ」
「……サイノスさんのお父さんですか?」
「おう。将軍は一応俺だが、親父は大将軍って地位にいるんだ」
「おー……」
まだお会いしたことないけど……どんな人なんだろう?
エディオスさん達のご両親みたいに、そっくりなのかな?
機会があれば、是非ともお会いしてみたいものだ。
とりあえず、離れがたいとばかりにひっつくクラウをなんとか引き剥がして……僕らは中層の厨房に向かうことにした。
「……ふゅ(サイノス~……)」
「そんなに、サイノスさん好き?」
「ふゅ!(うん! いい匂いするの!)」
「……いい匂い?」
聖獣とかにも好かれやすい体質だから、何かフェロモンでも出ているのかな?
たしかに、『頼れる兄貴!』ってオーラは物凄く出ているけども。
「あら、カティアちゃん」
そろそろ食堂の扉に着く頃に、その前でシャルロッタさんと遭遇出来ました。
これはチャンス! とクラウを抱っこしたまま駆け寄る!!
「こんにちは、シャルロッタさん!」
「こんにちは。……何か作りに来たの?」
「はい。上の皆さんとは、今日はご一緒出来ないもので」
「そうね? 陛下のお誕生日が近いもの」
そう。
夏も近づいてきたと言うことは。
エディオスさんの誕生日が近いと言うこと。
海のお約束を何とかするのに……エディオスさんもだけど、皆さんもめちゃくちゃ頑張っているんだ。
遊ぶことは、全力でなんとかしたい気持ちはわかる!!
「……こちらもお忙しいです?」
「大丈夫よ? それに、カティアちゃんが来てくれたら料理長はめちゃくちゃ喜ぶわ」
「……ほっ」
シャルロッタさんとイシャールさんは……表面上はいつも通りだけど。御名手って婚約者でも、普段ってこう言うものなのかな?
僕とセヴィルさんが……ちょっと特殊?
僕の体の関係があっても……ラヴアタックって普通ないのかな??
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
867
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる