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第四章 式典祭に乗じて
139.式典祭3日目ー帰城して告げられた事ー
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「げっ⁉︎」
何度か跳んでから、すとんとディシャスの背中の上に降りただけなのにエディオスさんが急に驚いた声を上げたので僕は前を見た。
「やっほー」
「ふ、フィーさん⁉︎」
ディシャスの手綱位置に何故か少年神様がのほほんと座り込んでいた。
神出鬼没だから、その登場の仕方はまだ少し驚くで済む。
もっと驚いたのは、いつもにこにこ顔か少し呆れる表情くらいしかしない彼が、珍しく怒ってる表情になっていたことだ。
(め、目が笑ってない……っ⁉︎)
大人よりもずっと怖く見えるその表情。
見た目中学生でも、この人は神様だから大人以上ではあるが、怖いものは怖い!
エディオスさんやセヴィルさん達の怒り方とは別の意味で背中がぞわぞわしてくるよ……。エディオスさんはと首を動かせば、少し青ざめてたが震え上がってはいなかった。
「……お前にはやっぱ誤魔化せなかったか」
「知らせてくれたのはコロネだよ。彼女とかがもしカティアの部屋に行かなきゃ、きっと君の計画通りではあっただろうね」
たしかに、式典中なのに僕への連絡係なんかはコロネさんが対応してくれてました。
女中頭のサシャさんはメインで式典の方にかかりっきりにならなきゃいけないからなのと、他の女中さん達じゃ少しでも僕のことを知れば噂となって広まるからその対策らしい。既にお散歩の時のことで色々広まってるがそれはそれだ。
(でも、フィーさんに知らせてくれたのはある意味正解かも……)
セヴィルさん達は手を離せないのはもちろんだが、お怒りの怖さが下手したらお城での初対面以上なのが想像しやすい。サイノスさんは見たことないけど大体は想像出来ます。どっちにしたって怖い!
「で、お使いとやらは終わったの?」
「あれ? フィーさんなんでそれを?」
「ああ、僕は記憶を覗いて探る以外にも、魔力の残滓からその場で何が起きたかを蘇らせることも出来るよ。ほんの微量でもあればね」
つまり、現場検証を映像化して見ることが出来る魔法のようなもの……犯罪があれば一発で解決出来ちゃいそうだな。
それはひとまず置いといて、
「なんでこの時間にお迎えに来てくれたんですか?」
フィーさんの神様としての能力なら、もっと早く僕らを迎えに来ることなんて簡単だったはずだ。
「出来たら出来たけど、そうしちゃったらカティアとクラウがすぐに戻ることになるでしょ? エディのしたことは決して褒められたことじゃないけど、君達を城に引きこもり状態にさせておくのも可哀想かなぁって」
「フィーさん……」
「まあ、セヴィル達に怒られるのはエディの自業自得だーけーどー?」
「ちょっ、知らせたのか⁉︎」
「してないよー? 一応はあのエディの側で進行役頑張ってたんだもの。見事に化けてるから誰も気づいてないよ」
ちょっといい事言ってくれたかと思えば、すぐにずどんと突き落とす発言は相変わらずだ。
これでこそフィーさん。
「とーにかく帰ろ? 楽しかったカティア?」
「あ、はい」
たった半日ではあったけど、色んな人に出会えて色んなことがあった。
「ん、気分転換出来たなら良かったよ」
じゃあ、帰ろうかと言って、怒りを解いたフィーさんのいつも通りの笑顔には少しほっと出来た。
それからフィーさんは僕とクラウを抱えてエディオスさんの席の少し後ろに座り込んだ。
「フィー」
手綱を掴んでから、エディオスさんが少し固い声でフィーさんに呼びかけた。
「どうしたの?」
「帰ってから言うが、あれが見つかった」
「…………わかった。その時に詳しく教えて」
何の事と思ったが、すぐにフォックスさんとのやり取りを思い出した。きっとその内容だろう。
とりあえず、疑問が残る帰り道になったが……その後がまた大変だった。
行きと変わりない豪速でお城へ飛ぶ事となり、僕はまた乗り物酔いになってフィーさんに治癒魔法をかけてもらうことになりました。
◆◇◆
獣舎までの帰路は今日出てきたのとほぼ同じ方法でフィーさんの転移魔法で戻った。
ディシャスにお鼻すりすりしてから別れを告げて、また転移で僕のゲストルームに着けば当然誰もいませんでした。
「で、エディ? 僕だけじゃない方がいいでしょ?」
「っつっても、自分で出て来といてなんだが今の進行じゃどこまでだか」
「まあ、あの子は控室で警護でもしてるんじゃない? だーかーらー」
ぱちんと指を鳴らしてフィーさんの前に、いきなり黒い大きな影が現れて僕はクラウとびっくらこいた。
「な、なんだ?」
「サイノスさん!」
影の正体はサイノスさんだった。
三日ぶりにお会いするサイノスさんの服装は、兜がないほぼ全身甲冑スタイル。マントも鎧もすっごく豪華だ。これが多分将軍さんとしての正装だろう。
「あ? カティア? って、髪色変えてっがエディ⁉︎ お前さっき控室にいただろ?」
「ありゃ違げぇよ。俺がお願いして代わりに出てもらってる方だ」
「ってーと……またあの人か。お前らほんと似てんな。それよか、俺をあそこから転移させたのはフィーか? どうしたんだ急に」
「エディから話があるからってー」
「話?」
注目が一斉にエディオスさんに向く。
エディオスさんは無詠唱で髪色とか片眼鏡の変装を解いて元に戻してから、少し表情を険しくさせた。
「ほぼ確定と言っていい。だが、あいつに伝えていいかまだわかんねぇからお前を呼んだ」
「それで?」
「……フィーがあれだけ探しても見つけれんかった奴がシュレインにいた」
「ちょっ、はぁ⁉︎」
サイノスさんがこれでもかと言うくらいに琥珀の目を見開いた。
けれど、僕はまだ事情がわからないのでうまく飲み込めない。
「シュレインって、こっからめっちゃ近いだろ⁉︎ どこにいやがったんだ!」
ほとんど掴みかかるに近いくらいの距離までサイノスさんが詰め寄ったが、エディオスさんは突き放すこともなくそのまま続きを口にする。
「ミービスのバルだ。あそこに引き取られて一応は下宿人になってた。普段は学園にいるそうだが、歳から考えて職員の見習い辺りに紛れてたんだろ」
「見落とし過ぎだろ……裏は?」
「フォックスが今念入りにな。気づいてはいたが俺とかが探しに行かねぇように見てくれてたらしい」
「ミービスさんの……?」
下宿って単語は少し聞いた覚えがある。
該当するのは、ただ一人。
「セリカさんがですか?」
「ああ。あそこじゃ言えんかったが、セリカは随分前から行方不明になってた」
「だったら連れて帰れなかったのかよ⁉︎」
「自分の名前以外記憶なかったんだから無理あるだろ!」
「っ!」
今度こそ胸ぐらを掴んだサイノスさんの怒号に、エディオスさんは同じくらいの大きな声で言い返した。
サイノスさんもだが、隣にいたフィーさんも息を飲んだ。
「カティアとは少し逆だけど、名前以外全部……?」
「女将の口から聞いた範囲じゃな? 軽い変幻してる俺にも気づかなかったし、あの成長した姿見なきゃ俺だって信じられんかったな」
「似てたのか……?」
「ああ。あいつの家に昔行った時に見せてもらった二代前の肖像画そのまんまかと思ったぜ。目の色とかは違ってたが」
なんだかとんでもない話になってきたが、セリカさんはやっぱりお貴族さんのようだ。エディオスさんが家に行ったことがあるってくらいだし、相当高位の家柄なはず。
何で行方不明になったのかはまだ今は聞けない。わざわざサイノスさんだけを呼びつけた方が重要だ。
「で、どーすんだ。あいつに言うか? フォックスが調べてからでもいいが」
「どっちにしても言えるか……? 180年もずっと行方探しまくってた妹が近くにいても記憶なくしてちゃ」
「え、誰にですか?」
てっきりサイノスさんの妹さんかと勘違いしてたが、どうも違うようだ。
僕が割り込めば、フィーさんも含めて三人が同時に手を振った。
「セリカはイシャールの妹だ」
「えぇえええぇええ⁉︎」
告げられた事実に、僕はクラウを放り投げちゃうくらい飛び上がった。
何度か跳んでから、すとんとディシャスの背中の上に降りただけなのにエディオスさんが急に驚いた声を上げたので僕は前を見た。
「やっほー」
「ふ、フィーさん⁉︎」
ディシャスの手綱位置に何故か少年神様がのほほんと座り込んでいた。
神出鬼没だから、その登場の仕方はまだ少し驚くで済む。
もっと驚いたのは、いつもにこにこ顔か少し呆れる表情くらいしかしない彼が、珍しく怒ってる表情になっていたことだ。
(め、目が笑ってない……っ⁉︎)
大人よりもずっと怖く見えるその表情。
見た目中学生でも、この人は神様だから大人以上ではあるが、怖いものは怖い!
エディオスさんやセヴィルさん達の怒り方とは別の意味で背中がぞわぞわしてくるよ……。エディオスさんはと首を動かせば、少し青ざめてたが震え上がってはいなかった。
「……お前にはやっぱ誤魔化せなかったか」
「知らせてくれたのはコロネだよ。彼女とかがもしカティアの部屋に行かなきゃ、きっと君の計画通りではあっただろうね」
たしかに、式典中なのに僕への連絡係なんかはコロネさんが対応してくれてました。
女中頭のサシャさんはメインで式典の方にかかりっきりにならなきゃいけないからなのと、他の女中さん達じゃ少しでも僕のことを知れば噂となって広まるからその対策らしい。既にお散歩の時のことで色々広まってるがそれはそれだ。
(でも、フィーさんに知らせてくれたのはある意味正解かも……)
セヴィルさん達は手を離せないのはもちろんだが、お怒りの怖さが下手したらお城での初対面以上なのが想像しやすい。サイノスさんは見たことないけど大体は想像出来ます。どっちにしたって怖い!
「で、お使いとやらは終わったの?」
「あれ? フィーさんなんでそれを?」
「ああ、僕は記憶を覗いて探る以外にも、魔力の残滓からその場で何が起きたかを蘇らせることも出来るよ。ほんの微量でもあればね」
つまり、現場検証を映像化して見ることが出来る魔法のようなもの……犯罪があれば一発で解決出来ちゃいそうだな。
それはひとまず置いといて、
「なんでこの時間にお迎えに来てくれたんですか?」
フィーさんの神様としての能力なら、もっと早く僕らを迎えに来ることなんて簡単だったはずだ。
「出来たら出来たけど、そうしちゃったらカティアとクラウがすぐに戻ることになるでしょ? エディのしたことは決して褒められたことじゃないけど、君達を城に引きこもり状態にさせておくのも可哀想かなぁって」
「フィーさん……」
「まあ、セヴィル達に怒られるのはエディの自業自得だーけーどー?」
「ちょっ、知らせたのか⁉︎」
「してないよー? 一応はあのエディの側で進行役頑張ってたんだもの。見事に化けてるから誰も気づいてないよ」
ちょっといい事言ってくれたかと思えば、すぐにずどんと突き落とす発言は相変わらずだ。
これでこそフィーさん。
「とーにかく帰ろ? 楽しかったカティア?」
「あ、はい」
たった半日ではあったけど、色んな人に出会えて色んなことがあった。
「ん、気分転換出来たなら良かったよ」
じゃあ、帰ろうかと言って、怒りを解いたフィーさんのいつも通りの笑顔には少しほっと出来た。
それからフィーさんは僕とクラウを抱えてエディオスさんの席の少し後ろに座り込んだ。
「フィー」
手綱を掴んでから、エディオスさんが少し固い声でフィーさんに呼びかけた。
「どうしたの?」
「帰ってから言うが、あれが見つかった」
「…………わかった。その時に詳しく教えて」
何の事と思ったが、すぐにフォックスさんとのやり取りを思い出した。きっとその内容だろう。
とりあえず、疑問が残る帰り道になったが……その後がまた大変だった。
行きと変わりない豪速でお城へ飛ぶ事となり、僕はまた乗り物酔いになってフィーさんに治癒魔法をかけてもらうことになりました。
◆◇◆
獣舎までの帰路は今日出てきたのとほぼ同じ方法でフィーさんの転移魔法で戻った。
ディシャスにお鼻すりすりしてから別れを告げて、また転移で僕のゲストルームに着けば当然誰もいませんでした。
「で、エディ? 僕だけじゃない方がいいでしょ?」
「っつっても、自分で出て来といてなんだが今の進行じゃどこまでだか」
「まあ、あの子は控室で警護でもしてるんじゃない? だーかーらー」
ぱちんと指を鳴らしてフィーさんの前に、いきなり黒い大きな影が現れて僕はクラウとびっくらこいた。
「な、なんだ?」
「サイノスさん!」
影の正体はサイノスさんだった。
三日ぶりにお会いするサイノスさんの服装は、兜がないほぼ全身甲冑スタイル。マントも鎧もすっごく豪華だ。これが多分将軍さんとしての正装だろう。
「あ? カティア? って、髪色変えてっがエディ⁉︎ お前さっき控室にいただろ?」
「ありゃ違げぇよ。俺がお願いして代わりに出てもらってる方だ」
「ってーと……またあの人か。お前らほんと似てんな。それよか、俺をあそこから転移させたのはフィーか? どうしたんだ急に」
「エディから話があるからってー」
「話?」
注目が一斉にエディオスさんに向く。
エディオスさんは無詠唱で髪色とか片眼鏡の変装を解いて元に戻してから、少し表情を険しくさせた。
「ほぼ確定と言っていい。だが、あいつに伝えていいかまだわかんねぇからお前を呼んだ」
「それで?」
「……フィーがあれだけ探しても見つけれんかった奴がシュレインにいた」
「ちょっ、はぁ⁉︎」
サイノスさんがこれでもかと言うくらいに琥珀の目を見開いた。
けれど、僕はまだ事情がわからないのでうまく飲み込めない。
「シュレインって、こっからめっちゃ近いだろ⁉︎ どこにいやがったんだ!」
ほとんど掴みかかるに近いくらいの距離までサイノスさんが詰め寄ったが、エディオスさんは突き放すこともなくそのまま続きを口にする。
「ミービスのバルだ。あそこに引き取られて一応は下宿人になってた。普段は学園にいるそうだが、歳から考えて職員の見習い辺りに紛れてたんだろ」
「見落とし過ぎだろ……裏は?」
「フォックスが今念入りにな。気づいてはいたが俺とかが探しに行かねぇように見てくれてたらしい」
「ミービスさんの……?」
下宿って単語は少し聞いた覚えがある。
該当するのは、ただ一人。
「セリカさんがですか?」
「ああ。あそこじゃ言えんかったが、セリカは随分前から行方不明になってた」
「だったら連れて帰れなかったのかよ⁉︎」
「自分の名前以外記憶なかったんだから無理あるだろ!」
「っ!」
今度こそ胸ぐらを掴んだサイノスさんの怒号に、エディオスさんは同じくらいの大きな声で言い返した。
サイノスさんもだが、隣にいたフィーさんも息を飲んだ。
「カティアとは少し逆だけど、名前以外全部……?」
「女将の口から聞いた範囲じゃな? 軽い変幻してる俺にも気づかなかったし、あの成長した姿見なきゃ俺だって信じられんかったな」
「似てたのか……?」
「ああ。あいつの家に昔行った時に見せてもらった二代前の肖像画そのまんまかと思ったぜ。目の色とかは違ってたが」
なんだかとんでもない話になってきたが、セリカさんはやっぱりお貴族さんのようだ。エディオスさんが家に行ったことがあるってくらいだし、相当高位の家柄なはず。
何で行方不明になったのかはまだ今は聞けない。わざわざサイノスさんだけを呼びつけた方が重要だ。
「で、どーすんだ。あいつに言うか? フォックスが調べてからでもいいが」
「どっちにしても言えるか……? 180年もずっと行方探しまくってた妹が近くにいても記憶なくしてちゃ」
「え、誰にですか?」
てっきりサイノスさんの妹さんかと勘違いしてたが、どうも違うようだ。
僕が割り込めば、フィーさんも含めて三人が同時に手を振った。
「セリカはイシャールの妹だ」
「えぇえええぇええ⁉︎」
告げられた事実に、僕はクラウを放り投げちゃうくらい飛び上がった。
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