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第2章
第百七十話 宴も終わって……
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宴会場となっている庭では嫁たち同士が、楽しそうに話をしている。俺もラッテにこの世界のことについて質問しまくっていた。
俺のように始めから力が備わっていたわけではなく、力が足りず悔しい思いをしていた冒険者になりたての頃、幼なじみであるキアートの励ましと鍛錬を積み重ねる。月日は過ぎやがて魔人にも負けない、武器や力を手に入れ世界中を旅する。まるで少年マンガのような人生だったからこそ、その冒険譚は今もなお世界中で愛されているのだ。
「話は全部本当だったんだ……でもこれだけの移動はどうしてたんだ?」
「物語を綴ってくれた作者には一部脚色は入れてもらうように頼んだ……あっ!」
ラッテは何か思い出したかのように鞘に収まった妖刀ロウブレンを取り出した。
「そうだった、すっかり忘れていたよ。アキトに出会ってから驚きの連続だったからな……移動はコイツを使っていたんだ」
ロウブレンに精気を注ぎ込んでいるようだ。しだいに鞘は形を変え、一メートルくらいの帆船に形を変える。
「大きさは自由に変えることができる。空を飛ぶ帆船だ。鞘は手元に残ったが剣がないとどうしようもなくてね。ロウブレンを失ってからは馬車と徒歩の旅できつかったな」
魔人と戦いで愛刀を失ったが世界は平和になったという感じで物語は収束をむかえている。もちろんその後も冒険は続いている。物語では描かれていないエピソードだ。
いつの間にやら夕方になり女性陣たちは家の中に移動して、おしゃべりは継続中だ。
女性たちとは違い、話すことが尽き庭に残った俺、ラッテ、ロンダールの三人は日が傾き徐々にオレンジ色に染まっていくカムラドネ山を眺め、酒をちびちびやっている。昼からずっと何かを食べ続けているため晩飯という気分でもない。
さてそろそろ男性陣だけでもしめるか……。そんなことを思っている俺の手元に魔法での手紙が送られてくる。
シャン……という着信音的な通知とともに空中に現れひらひらと落ちてくる手紙をつかみ取る。差出人はエソルタ島にいるカガモン帝国の宰相ゾンヌフからだった。
手紙の内容は「緊急事態!エソルタ」
よほど慌てていたのだろうか……。
「手紙魔法……女か?家とかでは拒否するのが得策だぞ、アキト」
着信拒否みたいなものか……。そういう内容でないことを伝えるためにラッテに届いた手紙を渡す。
「随分と慌てているようだな。行くのか?」
「数少ない友人の一人だからな」
カラルに状況を説明してロンダールを連れていく。
箱魔法に乗り込み異世界魔法陣展開……。昨日、異世界侵略を仕掛けてきた亜種魔族の世界を経由し、カノユール王国、王都ザインに上空に移動する。
エソルタ島にいるのであれば、ここザインかもしくは次の都市セロニアになる。冒険者たちの奪還もゆっくりではあるが着実に進んでいるとカラルから報告を聞いている。
分析能力発動し、その詳細の中からゾンヌフの名前を検索するが見当たらない……となればセロニアか。せめて街の名前は書いてほしかったな、と心の中で愚痴りつつ、異世界転移魔法陣で移動する。
同じ手順でゾンヌフを探すとこの街にいることはわかった。人口約二万人。街の周囲やザインと結ぶ街道にはにはまだまだモンスターたちが多く生息し、日夜冒険者たちが領地拡大に励んでいる。ザインとセロニアとは転移魔法陣で行き来はでき、前線へも商人たちも進出しているので街の中は賑わっている。
繁華街を上空から極私的絶対王国(マイキングダム)で探していくと宿と飲み屋が一つになった建物の中にいる。そこには二百人ほどの冒険者たちが飲んで騒いでいる大ホールではなく個室で皇帝のエルガードも一緒にいる。周りを囲むのは女性の冒険者……それも十人全員がエルフの女性という珍しい構成だ。
飲み屋側の入り口から入ると威勢の良い出迎えの声がかかる。
「三名様ですか~?」
タイトな給仕服の店員がこちらに尋ねる。
「連れが二階で……」
と、言い終わらないうちに「お二階の突き当りの部屋の方ですね~。伺ってます~、どうぞ~」
勝手に行けというようだ。騒がしいフロアを抜け階段を上がる。
個室の部屋のドアをノックすると中から「どうぞ……」と言われ、扉を開けると酔ってご機嫌のゾンヌフとエルガード二人だけがいる。
上から覗いたときと様子が違うな……そう思いながら足を踏み入れる。
「アキト!」「アキト殿」
ラッテとロンダールが危険を察知したようだがすでに相手の術中にハマっていた。時を刻む音がカチカチと何かに向けてカウントダウンが始まる。
嫌な予感はあったし当然心の準備もある。
クロック・アップ発動、極私的絶対王国(マイキングダム)発動し、一瞬で部屋を覆う。
「全員動くな!術式無効、魔法発動禁止!」
酔った二人は幻影だったのか、椅子におとなしく座ってこちらを申し訳なさそうに見ている。
「おお……あれを解いちゃうんだ……」
「追加の術が入らないよ!」
女エルフが十人。部屋の奥側にあるテーブルに腰掛けてこちらを見ている。どうやら束縛をとくだけの力を持った奴はいないようだ。
「よお、久しぶりだな……この女性たちを紹介してくれないか?」
ゾンヌフは恐る恐る口を開く。
「す、すまない、アキト。帰ることができたら弁明はさせてもらう。これにはお前のことを思って行動した結果なんだ」
「気にするなって。……んで、そちらのお姉さん方に聞くのがいいのかな?……うちの連れが世話になってるな」
「まあ、そうなるかね。彼が望んだから与えたようとした……。説明はするから、この束縛を解いていただけないかしら……」
不意打ちでも対応できるだろう。魔法禁止のまま、自由に動けるようにしてやると、やれやれといった表情を見せる。
「説明してくれ」そう伝えるとリーダー格のエルフの女性が立ち上がり、説明を始める。金色の髪を耳にかける仕草が色っぽい。彼女の名はメルーシャ、年齢はこれまで見てきた中では最高齢二千八百三十一歳だが見た目は三十代だ。整った顔立ち、儚げながらも力強い水色の眼はずっと見つめていたくなるほどだ。今日の戦いを終えて戻って来て少し疲れているのだろう。
彼女たちは世界を渡り歩き、長ければ数十年その土地に住み、冒険者をしながら生活をしている。メンバーは結婚して退団した者もいれば新たに加わったものもいる。加入できる条件として純粋なエルフまたはその子供のみと決まっている。
純血のエルフ……ゾンヌフのやつ、エルフ好きの俺のために声をかけて探ろうとしてくれたのだろうか。
エソルタ島を魔族の手から奪い返すための討伐が始まった話を聞き、やって来た彼女たちは、今日の討伐もそこそこに常宿であるここで食事をしていたところ、ゾンヌフが声をかけた。
見た目が美しい彼女たちにはナンパは日常茶飯事でそのあしらい方はいくつかあるようだ。
財力や権力を自慢する奴であれば、食事代や武器や防具を買わせるためのカモにする。イケメンで気に入った男には力になったり、一夜をともにしたりして、いいようにひとときの慰めものにする。武力や力を自慢する奴らは腕相撲や魔法勝負をして適当にあしらい金を巻き上げる。
執拗に迫ったり、面倒だった時に奥の手を出すそうだ……。
彼女たちの奥の手と呼ばれるものがテーブルの上にゴロンと転がる。直径十センチほどの紫色の宝石だ。
「ちょっとしたお仕置きアイテムよ。あんまりしつこいとね、その中に押し込めるのよ」
「押し込まれると死ぬのか?」
「さあ?どうなるのかしらね。これまで何百年と続けてきけど、生きて出てきたやつは知らないわ。大抵が死んで教会送りになるんじゃないかしら……」
「……その宝石はいつの頃から使われている?」
「さあね、あたしが記憶がないときから持っていたものだから……」
「で、この男があまりに力自慢をするから封じてやろうとしたわけか……」
「そうよ、自分は強くないのに”知り合いにとてつもなく強い奴がいる”なんて豪語するからね、そいつもろとも放り込んでやろうかってことになってたわけ……それがあなたなんでしょ?後ろにいる二人もかなりやばい感じね……言っていたことは本当だってわけだ。で、どうする?このまま帰る?」
そうだなゾンヌフとエルガードも無事なようだし、このまま連れて帰っても向こうは手を出してこなさそうだな……。
「行こう、アキト」
ラッテが強く宣言する。
「……危ないんじゃないのか?ロンダールの意見は?」
「あの宝石にどれだけに広さの空間があって、何が隠されているのか気になりますなぁ~」
君たち本当に自由に生きてるね。ラッテに小声で相談する。
「あれが何だか知っているのか?」
「ああ、千年前に突如として現れたエルフの何人か持っていた代物だ。大丈夫だ詳しくは後で話す」
ラッテはかなり興奮し、目が血走っている。
約千年前にエルフが突如としてこの世界に現れた時に持っていたいたものとなれば、エルフの故郷の秘密に近づけるかもしれない。
「ここに来たのも何かの縁か……」
「なんだい?生きて帰れるっていうのに物好きな兄さん方だね……」
「アキト、俺たちも連れて行ってくれ」
エルゴートはてっきり残るものだと思ったのだが……ほらゾンヌフも驚いてあわあわしているし……。
「こうなった責任は俺たちにあるんだ……それをアキトだけに押し付けて何もなかったかのように帰ることなんてできない。足手まといかもしれないが頼む」
極私的絶対王国(マイキングダム)で術式無効の解除、魔法発動禁止の解除を命じる。
「わかったよ」
エルフに向かって術を発動するように促す。
「あんたが望んだんだからね恨みっこなしだよ……ま、無理だとは思うけどまた会えたら、みんなで一回ずつ抱いてさしあげるわ……」
彼女たちは随分と性に対しておおらかだった……。
「……その言葉忘れるなよ!必ず帰ってきてやるからな」
と、雑魚っぽいことを言い放ったゾンヌフだった。
俺のように始めから力が備わっていたわけではなく、力が足りず悔しい思いをしていた冒険者になりたての頃、幼なじみであるキアートの励ましと鍛錬を積み重ねる。月日は過ぎやがて魔人にも負けない、武器や力を手に入れ世界中を旅する。まるで少年マンガのような人生だったからこそ、その冒険譚は今もなお世界中で愛されているのだ。
「話は全部本当だったんだ……でもこれだけの移動はどうしてたんだ?」
「物語を綴ってくれた作者には一部脚色は入れてもらうように頼んだ……あっ!」
ラッテは何か思い出したかのように鞘に収まった妖刀ロウブレンを取り出した。
「そうだった、すっかり忘れていたよ。アキトに出会ってから驚きの連続だったからな……移動はコイツを使っていたんだ」
ロウブレンに精気を注ぎ込んでいるようだ。しだいに鞘は形を変え、一メートルくらいの帆船に形を変える。
「大きさは自由に変えることができる。空を飛ぶ帆船だ。鞘は手元に残ったが剣がないとどうしようもなくてね。ロウブレンを失ってからは馬車と徒歩の旅できつかったな」
魔人と戦いで愛刀を失ったが世界は平和になったという感じで物語は収束をむかえている。もちろんその後も冒険は続いている。物語では描かれていないエピソードだ。
いつの間にやら夕方になり女性陣たちは家の中に移動して、おしゃべりは継続中だ。
女性たちとは違い、話すことが尽き庭に残った俺、ラッテ、ロンダールの三人は日が傾き徐々にオレンジ色に染まっていくカムラドネ山を眺め、酒をちびちびやっている。昼からずっと何かを食べ続けているため晩飯という気分でもない。
さてそろそろ男性陣だけでもしめるか……。そんなことを思っている俺の手元に魔法での手紙が送られてくる。
シャン……という着信音的な通知とともに空中に現れひらひらと落ちてくる手紙をつかみ取る。差出人はエソルタ島にいるカガモン帝国の宰相ゾンヌフからだった。
手紙の内容は「緊急事態!エソルタ」
よほど慌てていたのだろうか……。
「手紙魔法……女か?家とかでは拒否するのが得策だぞ、アキト」
着信拒否みたいなものか……。そういう内容でないことを伝えるためにラッテに届いた手紙を渡す。
「随分と慌てているようだな。行くのか?」
「数少ない友人の一人だからな」
カラルに状況を説明してロンダールを連れていく。
箱魔法に乗り込み異世界魔法陣展開……。昨日、異世界侵略を仕掛けてきた亜種魔族の世界を経由し、カノユール王国、王都ザインに上空に移動する。
エソルタ島にいるのであれば、ここザインかもしくは次の都市セロニアになる。冒険者たちの奪還もゆっくりではあるが着実に進んでいるとカラルから報告を聞いている。
分析能力発動し、その詳細の中からゾンヌフの名前を検索するが見当たらない……となればセロニアか。せめて街の名前は書いてほしかったな、と心の中で愚痴りつつ、異世界転移魔法陣で移動する。
同じ手順でゾンヌフを探すとこの街にいることはわかった。人口約二万人。街の周囲やザインと結ぶ街道にはにはまだまだモンスターたちが多く生息し、日夜冒険者たちが領地拡大に励んでいる。ザインとセロニアとは転移魔法陣で行き来はでき、前線へも商人たちも進出しているので街の中は賑わっている。
繁華街を上空から極私的絶対王国(マイキングダム)で探していくと宿と飲み屋が一つになった建物の中にいる。そこには二百人ほどの冒険者たちが飲んで騒いでいる大ホールではなく個室で皇帝のエルガードも一緒にいる。周りを囲むのは女性の冒険者……それも十人全員がエルフの女性という珍しい構成だ。
飲み屋側の入り口から入ると威勢の良い出迎えの声がかかる。
「三名様ですか~?」
タイトな給仕服の店員がこちらに尋ねる。
「連れが二階で……」
と、言い終わらないうちに「お二階の突き当りの部屋の方ですね~。伺ってます~、どうぞ~」
勝手に行けというようだ。騒がしいフロアを抜け階段を上がる。
個室の部屋のドアをノックすると中から「どうぞ……」と言われ、扉を開けると酔ってご機嫌のゾンヌフとエルガード二人だけがいる。
上から覗いたときと様子が違うな……そう思いながら足を踏み入れる。
「アキト!」「アキト殿」
ラッテとロンダールが危険を察知したようだがすでに相手の術中にハマっていた。時を刻む音がカチカチと何かに向けてカウントダウンが始まる。
嫌な予感はあったし当然心の準備もある。
クロック・アップ発動、極私的絶対王国(マイキングダム)発動し、一瞬で部屋を覆う。
「全員動くな!術式無効、魔法発動禁止!」
酔った二人は幻影だったのか、椅子におとなしく座ってこちらを申し訳なさそうに見ている。
「おお……あれを解いちゃうんだ……」
「追加の術が入らないよ!」
女エルフが十人。部屋の奥側にあるテーブルに腰掛けてこちらを見ている。どうやら束縛をとくだけの力を持った奴はいないようだ。
「よお、久しぶりだな……この女性たちを紹介してくれないか?」
ゾンヌフは恐る恐る口を開く。
「す、すまない、アキト。帰ることができたら弁明はさせてもらう。これにはお前のことを思って行動した結果なんだ」
「気にするなって。……んで、そちらのお姉さん方に聞くのがいいのかな?……うちの連れが世話になってるな」
「まあ、そうなるかね。彼が望んだから与えたようとした……。説明はするから、この束縛を解いていただけないかしら……」
不意打ちでも対応できるだろう。魔法禁止のまま、自由に動けるようにしてやると、やれやれといった表情を見せる。
「説明してくれ」そう伝えるとリーダー格のエルフの女性が立ち上がり、説明を始める。金色の髪を耳にかける仕草が色っぽい。彼女の名はメルーシャ、年齢はこれまで見てきた中では最高齢二千八百三十一歳だが見た目は三十代だ。整った顔立ち、儚げながらも力強い水色の眼はずっと見つめていたくなるほどだ。今日の戦いを終えて戻って来て少し疲れているのだろう。
彼女たちは世界を渡り歩き、長ければ数十年その土地に住み、冒険者をしながら生活をしている。メンバーは結婚して退団した者もいれば新たに加わったものもいる。加入できる条件として純粋なエルフまたはその子供のみと決まっている。
純血のエルフ……ゾンヌフのやつ、エルフ好きの俺のために声をかけて探ろうとしてくれたのだろうか。
エソルタ島を魔族の手から奪い返すための討伐が始まった話を聞き、やって来た彼女たちは、今日の討伐もそこそこに常宿であるここで食事をしていたところ、ゾンヌフが声をかけた。
見た目が美しい彼女たちにはナンパは日常茶飯事でそのあしらい方はいくつかあるようだ。
財力や権力を自慢する奴であれば、食事代や武器や防具を買わせるためのカモにする。イケメンで気に入った男には力になったり、一夜をともにしたりして、いいようにひとときの慰めものにする。武力や力を自慢する奴らは腕相撲や魔法勝負をして適当にあしらい金を巻き上げる。
執拗に迫ったり、面倒だった時に奥の手を出すそうだ……。
彼女たちの奥の手と呼ばれるものがテーブルの上にゴロンと転がる。直径十センチほどの紫色の宝石だ。
「ちょっとしたお仕置きアイテムよ。あんまりしつこいとね、その中に押し込めるのよ」
「押し込まれると死ぬのか?」
「さあ?どうなるのかしらね。これまで何百年と続けてきけど、生きて出てきたやつは知らないわ。大抵が死んで教会送りになるんじゃないかしら……」
「……その宝石はいつの頃から使われている?」
「さあね、あたしが記憶がないときから持っていたものだから……」
「で、この男があまりに力自慢をするから封じてやろうとしたわけか……」
「そうよ、自分は強くないのに”知り合いにとてつもなく強い奴がいる”なんて豪語するからね、そいつもろとも放り込んでやろうかってことになってたわけ……それがあなたなんでしょ?後ろにいる二人もかなりやばい感じね……言っていたことは本当だってわけだ。で、どうする?このまま帰る?」
そうだなゾンヌフとエルガードも無事なようだし、このまま連れて帰っても向こうは手を出してこなさそうだな……。
「行こう、アキト」
ラッテが強く宣言する。
「……危ないんじゃないのか?ロンダールの意見は?」
「あの宝石にどれだけに広さの空間があって、何が隠されているのか気になりますなぁ~」
君たち本当に自由に生きてるね。ラッテに小声で相談する。
「あれが何だか知っているのか?」
「ああ、千年前に突如として現れたエルフの何人か持っていた代物だ。大丈夫だ詳しくは後で話す」
ラッテはかなり興奮し、目が血走っている。
約千年前にエルフが突如としてこの世界に現れた時に持っていたいたものとなれば、エルフの故郷の秘密に近づけるかもしれない。
「ここに来たのも何かの縁か……」
「なんだい?生きて帰れるっていうのに物好きな兄さん方だね……」
「アキト、俺たちも連れて行ってくれ」
エルゴートはてっきり残るものだと思ったのだが……ほらゾンヌフも驚いてあわあわしているし……。
「こうなった責任は俺たちにあるんだ……それをアキトだけに押し付けて何もなかったかのように帰ることなんてできない。足手まといかもしれないが頼む」
極私的絶対王国(マイキングダム)で術式無効の解除、魔法発動禁止の解除を命じる。
「わかったよ」
エルフに向かって術を発動するように促す。
「あんたが望んだんだからね恨みっこなしだよ……ま、無理だとは思うけどまた会えたら、みんなで一回ずつ抱いてさしあげるわ……」
彼女たちは随分と性に対しておおらかだった……。
「……その言葉忘れるなよ!必ず帰ってきてやるからな」
と、雑魚っぽいことを言い放ったゾンヌフだった。
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