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第2章
第百八十話 会合 その三
「はっはっはっ……我が主にはかないませんな」
ロンダールは快活に笑いながら、手を付けていなかった料理に箸を伸ばす。
「確かにオゥルは得体の知れない畏怖すべき存在かもしれんが、アキト殿もその点においては十分にその資格を持っておられる」
「……俺がか?」
酒もいい感じで回り始め、腕から伝わるカラルの柔らかい感触も心地良く感じる。
「……わらわの選んだお方なのよ、当然じゃない」
「エルフの娘が持っていた魔石世界でアキト殿の力を見ましたが、十分に伝説級の能力を有し、成長にはまだ余力があるとお見受けします。魔力と精気をあれほど操れるのは魔族——それもカラル様と同じ業魔族か、もしくはそれ以上の存在でしょうか。この星など制圧することも造作ないこと」
「いや、俺にはそんな……」
言い終えない内にカラルが訂正を重ねる
「いいえ、アキト様そのあたりはご自覚があってもよろしくってよ」
言っている意味がわからない。
「例えば、先程の第六ダンジョンは百七十二層ありますが、あれを制覇するのに必要な時間はどのくらいですかな?」
「制覇というのは最下層のマスターを倒せばいいんだよな?」
「できれば、すべての階層のモンスターも倒していただきたい」
極私的絶対王国(マイキングダム)とクロック・アップ、それに戦術管制画面(タクティクスコンソール)を組み合わせれば、各階にいる冒険者も巻き込まずに倒せるかな?
「そうだな、一分もいらないな」
「……あぁ、アキト様さすがです、支配玉も操ることができるから、影からダンジョンを乗っ取ることができるわ」
「つまりどうなんだ?」
「表立っての大量殺戮では対立者どうしの疲弊が激しくなり、資源として残るものは少なく、継続的な搾取にはなりません。最善の支配というのは気づかれること無く資源をそのまま搾取し続けることにあります……アキト殿かかればこの星は一年もかけずに裏から支配が可能でしょうな……」
制圧と恐怖で世界を征服することもできるが、さらに難易度の高い表舞台には立たずとも裏から実質的な支配もできてしまうということか……。
「まぁ侵略や支配なんて面倒ものには手を出さないけどね……。俺には四人の嫁がいて、娘も生まれた。それだけで満たされているよ。この星まるごとなんて手に入れても持て余すだけだよ。それでもこの星を支配したいって奴らがいれば、全力で潰しにかかるけどね」
なんだか魔族の二人にいい感じに盛り上げられて気分は悪くない。
「さて、ご報告は以上です。そろそろお開きといきたいところですが、最後にこちらをどうぞ……」
そういってチケット差し出してきた。
「これから演奏会がございまして、そちらにご案内をいたします。……先日の魔石世界でのラッテ殿の轟音結界……あれと似た音楽を演奏する者たちがおりましたので、予約しておきました、あと一時間ほどで開演となります」
ラッテが持っていた、轟音結界という技で音楽を流し、自身の能力を最大限に上げる能力。ラッテの嫁たちにはうるさいと言われ不評なようだが、重厚なエレキギターとベース、高速打ちのドラム、シンセサイザーのような加工された音。
俺にとっては元いた世界の音楽でパンクやロックといった種類の音楽がこの世界にもあってラッテに分けてもらったものがある。それが生で聞けるのか。
「ぜひ聞きたいな。いろいろと気を使ってくれてありがとう、ロンダール」
「いえいえ、魔石の世界では命を救っていただいたお礼もありますし、接待をする側の楽しみもありますぞ」
そんなやり取りを見ていたカラルが
「……なんだか魔石世界でいろいろあったみたいじゃない?アキト様このあと聞かせてくれるんでしょ?」
今日の夜伽の相手はカラルだ。
「ああ、そうだな」
「やった。楽しみだな~。ん……準備できた?……それじゃアキト様にサプライズ!」
何やら独り言も含まれるやり取りの中、カラルは手をかざし、転移魔法陣を展開すると中から、レイラが出てきた。
「こんばんわ、アキト。美味しい料理いただけた?」
「……レ、レイラ!?」
産後とは思えない見事なプロポーションが伺えるタイトなスカートとさらに胸が強調されるへそ出しのチューブトップ。蒸し暑い夏のような気候のドルトミアにぴったりな夏のお姉さん。肌が白く黒を基調とした色合いで色白さがさらに強調されて色っぽく感じてしまう。
いつもと違った感じのレイラに戸惑いながらもまじまじと見つめてしまう。
「うぐっ」
俺に腕を絡めていたカラルから変な声が聞こえてみてみると、「負けた!」って顔を
していた。
ロンダールが席を立ち、壁際にあった予備の椅子を俺の隣に置いてレイラをエスコートする。ロンダールの中身は年寄りの悪魔族だが、見た目はムキムキマッチョの脂の乗った三十代の男なので、並んで歩くとまさに美女と野獣。絵になる二人だった。
さらにナプキンやフォーク、ナイフや箸を並べてくれたロンダールに「ありがとう」と軽く会釈する。
「わぁ~美味しそうな料理だね。食べてきたんだけれど、ちょっともらっちゃおうかな~」
小皿にとりわけ、マイペースで美味しそうに食べるレイラをしばらく三人で眺めていた。
ってことは今日はレイラとカラルと初の組み合わせってことになるか?……とっても楽しみだ。
ロンダールは快活に笑いながら、手を付けていなかった料理に箸を伸ばす。
「確かにオゥルは得体の知れない畏怖すべき存在かもしれんが、アキト殿もその点においては十分にその資格を持っておられる」
「……俺がか?」
酒もいい感じで回り始め、腕から伝わるカラルの柔らかい感触も心地良く感じる。
「……わらわの選んだお方なのよ、当然じゃない」
「エルフの娘が持っていた魔石世界でアキト殿の力を見ましたが、十分に伝説級の能力を有し、成長にはまだ余力があるとお見受けします。魔力と精気をあれほど操れるのは魔族——それもカラル様と同じ業魔族か、もしくはそれ以上の存在でしょうか。この星など制圧することも造作ないこと」
「いや、俺にはそんな……」
言い終えない内にカラルが訂正を重ねる
「いいえ、アキト様そのあたりはご自覚があってもよろしくってよ」
言っている意味がわからない。
「例えば、先程の第六ダンジョンは百七十二層ありますが、あれを制覇するのに必要な時間はどのくらいですかな?」
「制覇というのは最下層のマスターを倒せばいいんだよな?」
「できれば、すべての階層のモンスターも倒していただきたい」
極私的絶対王国(マイキングダム)とクロック・アップ、それに戦術管制画面(タクティクスコンソール)を組み合わせれば、各階にいる冒険者も巻き込まずに倒せるかな?
「そうだな、一分もいらないな」
「……あぁ、アキト様さすがです、支配玉も操ることができるから、影からダンジョンを乗っ取ることができるわ」
「つまりどうなんだ?」
「表立っての大量殺戮では対立者どうしの疲弊が激しくなり、資源として残るものは少なく、継続的な搾取にはなりません。最善の支配というのは気づかれること無く資源をそのまま搾取し続けることにあります……アキト殿かかればこの星は一年もかけずに裏から支配が可能でしょうな……」
制圧と恐怖で世界を征服することもできるが、さらに難易度の高い表舞台には立たずとも裏から実質的な支配もできてしまうということか……。
「まぁ侵略や支配なんて面倒ものには手を出さないけどね……。俺には四人の嫁がいて、娘も生まれた。それだけで満たされているよ。この星まるごとなんて手に入れても持て余すだけだよ。それでもこの星を支配したいって奴らがいれば、全力で潰しにかかるけどね」
なんだか魔族の二人にいい感じに盛り上げられて気分は悪くない。
「さて、ご報告は以上です。そろそろお開きといきたいところですが、最後にこちらをどうぞ……」
そういってチケット差し出してきた。
「これから演奏会がございまして、そちらにご案内をいたします。……先日の魔石世界でのラッテ殿の轟音結界……あれと似た音楽を演奏する者たちがおりましたので、予約しておきました、あと一時間ほどで開演となります」
ラッテが持っていた、轟音結界という技で音楽を流し、自身の能力を最大限に上げる能力。ラッテの嫁たちにはうるさいと言われ不評なようだが、重厚なエレキギターとベース、高速打ちのドラム、シンセサイザーのような加工された音。
俺にとっては元いた世界の音楽でパンクやロックといった種類の音楽がこの世界にもあってラッテに分けてもらったものがある。それが生で聞けるのか。
「ぜひ聞きたいな。いろいろと気を使ってくれてありがとう、ロンダール」
「いえいえ、魔石の世界では命を救っていただいたお礼もありますし、接待をする側の楽しみもありますぞ」
そんなやり取りを見ていたカラルが
「……なんだか魔石世界でいろいろあったみたいじゃない?アキト様このあと聞かせてくれるんでしょ?」
今日の夜伽の相手はカラルだ。
「ああ、そうだな」
「やった。楽しみだな~。ん……準備できた?……それじゃアキト様にサプライズ!」
何やら独り言も含まれるやり取りの中、カラルは手をかざし、転移魔法陣を展開すると中から、レイラが出てきた。
「こんばんわ、アキト。美味しい料理いただけた?」
「……レ、レイラ!?」
産後とは思えない見事なプロポーションが伺えるタイトなスカートとさらに胸が強調されるへそ出しのチューブトップ。蒸し暑い夏のような気候のドルトミアにぴったりな夏のお姉さん。肌が白く黒を基調とした色合いで色白さがさらに強調されて色っぽく感じてしまう。
いつもと違った感じのレイラに戸惑いながらもまじまじと見つめてしまう。
「うぐっ」
俺に腕を絡めていたカラルから変な声が聞こえてみてみると、「負けた!」って顔を
していた。
ロンダールが席を立ち、壁際にあった予備の椅子を俺の隣に置いてレイラをエスコートする。ロンダールの中身は年寄りの悪魔族だが、見た目はムキムキマッチョの脂の乗った三十代の男なので、並んで歩くとまさに美女と野獣。絵になる二人だった。
さらにナプキンやフォーク、ナイフや箸を並べてくれたロンダールに「ありがとう」と軽く会釈する。
「わぁ~美味しそうな料理だね。食べてきたんだけれど、ちょっともらっちゃおうかな~」
小皿にとりわけ、マイペースで美味しそうに食べるレイラをしばらく三人で眺めていた。
ってことは今日はレイラとカラルと初の組み合わせってことになるか?……とっても楽しみだ。
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