チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號

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第1章

第十六話 道中

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 ギルドを出ると馬が四頭つながれている。馬には一度も乗ったことがないが、見よう見まねで乗ってみると思いのほかうまく乗れた。

 馬はカッポカッポとゆっくりと歩きだす。

 門を出で街全体が見渡せる場所から振り返る。三日ほどしか滞在しなかったが、異世界で初めての訪れた街なので感慨深いものがある。また来ようと心に決めた。



 急ぎ足とそんなに変わらない速度で馬に揺られ、街道を進む。街道沿いはモンスターなどは現れないので暇すぎる。

「暇だなー、ずっとこんな感じなの?」と、近くにいたノイリに話しかける。

「ええ、街道沿いは軍や冒険者たちが頻繁に通るので、滅多なことではモンスターはでませんよ」

「安全なことはいいことだよな……」

 エスタを出発してモンスターとの遭遇もないまま夕方となった。街道から少し離れたところに大きな木があったので、その下を野営地にして晩御飯の支度をする。——支度といっても自炊の時間を短縮するため、テーブルには各自が屋台で買った物が並び、みんなでわいわいとつつきながら食べた。

 食事中に今晩の見張りの順番を決める話になったが、俺は箱魔法内での全員休息案を提案した。ルーミエが箱魔法の性能を知りたいと言うので、八畳くらいの箱魔法を展開する。

 剣で攻撃したり、ノイリに魔法で攻撃させたがびくともしなかった。

「あっ!ああああ~、アキトー!!」と、急にルーミエが大声で俺の名前を叫んだので何事かと焦る。

「な、何?どうした?」

「アキトにお願いがあるんだけど——」

「なんでしょう、ルーミエさん」

「そんな他人行儀はいやっ!ルゥって呼んで」

 ああ、これは昨日の甘えたいモードだな。

「どうしたの?ルゥ」

「お風呂の用意してくださらない?」と、お風呂が大好きなルーミエは俺の手をぎゅっと握り、かわいらしくお願いする。

 別に大した労力ではないので準備をする。まずは湯船にお湯をためる、側面は黒色で目隠し、天井は色を付けないようにとルーミエから細かい指示がだされた。

 「覗かないでね~」と、いたずらっぽく言うが、当然、他に二人の女の子がいるのに覗けるわけもない。

 月明かりとロウソクだけだが、風呂に入る分には問題ないようだ。

「はぁ~最高!!ありがとう。アキト」と、ご満悦のルーミエさん。

 話はお風呂で大きくそれたが、色々と攻撃してみて、耐久性には問題ないことを理解してもらえた。今夜だけはルーミエとユウキの交代で見張りをしながら、俺が寝ていても箱魔法が継続できるか確認することになった。

 箱魔法の一面だけ開けてみんなで中に入り閉じ、寝る準備にとりかかる。馬もモンスターに食い殺されても困るので別の箱も用意する。二つの箱魔法を展開してもMP消費的には問題ない。

 三人ともシングルサイズのベッドを出して、くっつけていた。やっぱりアイテムボックスは便利だな。俺も今度ベッド買っておこうと思った。

 ベッドがない俺は初期装備で入っていた、簡易テントセットの中からマットを出して、毛布をかぶって寝ようと思ったが、三人がベットの上から、おいでおいでと手招きするので、ベッドで一緒に寝かせてもらうことになった。

 最初の見張りはユウキだ。

「じゃあ、ユウキ見張りよろしくー」

「任されよー」と、暗闇の中、壁にもたれる。

「お休みなさい」

 ベッドは柔らかくていい香りがし、目をつむるとすぐに眠気がやってくる。外でベッドで寝るって不思議な感覚だな。

 今夜は降らないかな?箱魔法で雨は防げるかな?そんなことを思いながら、眠りに落ちていった。



 翌朝、目が覚めると目の前に服を着ている女の子の胸があった。触るわけにはいかない……はずだ。

 ルーミエが俺の顔を抱きかかえている形になって眠っている。……顔を埋めたい衝動に駆られるがぐっと堪える。

 昨日に引き続き今日もいい目覚めだ。

 昨日は全く思いつきもしなかったが、箱魔法でみんなを乗せて飛ぶことを検証してみる。

 八畳くらいの箱を展開、馬を四頭、人を四人を乗せて浮かび上がらせるが、重量がかなりあるため、MPをどんどん消費している。

 それに馬が空中に浮いたことに驚き暴れ始め、グラグラして安定しない。馬を乗せるのは断念し、ルーミエに俺が乗っていた馬の手綱を渡し、彼女たちと箱魔法で並走しながら、箱の中に入ったり、上に乗ったりと色々試してみる。

 ノイリはその行動が気になるらしく、ずっとこちらを見ている。

 最終的には箱魔法の内部に入り、箱の形を上から見てひし形にすることで先頭を尖らせ、風の抵抗を減し飛ぶやり方が揺れも少なく安定した。

 移動二日目の昼から、道中にぽつぽつモンスターが現れるようになった。倒しながら進み、タンナメについたのは、エスタを出発して三日目の夕方だった。

 タンメナは街道の中継地点で宿屋、料理屋がとても多く、海から距離があるため、肉料理が有名なんだそうだ。

 街の中を歩き、まずは宿を決める。三人の部屋と俺一人の部屋を取るように言ったが、「いーじゃない。仲間なんだからっ!」と、却下された。何か間違いがあっても知らないぞ。

 いったん部屋でくつろぎ、その後、馬を売りにいく。そしてエスタではできなかった打ち上げを行うべく高級肉料理店で個室を取った。

 料理の内容は蒸し鶏のサラダから始まり、中華料理っぽい感じかなと思っていたが、途中からステーキ、焼き鳥盛り合わせ、トンカツ、ローストビーフ、焼き肉などなど、何でもありの肉料理攻撃と化していた。

 男の俺にも多少きついラインナップだったが、冒険者の生活が長い彼女たちはペロリとたいらげてしまった。
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