魔道師カナとひろしの同棲生活

tsuusan

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LOVEISがライブハウスでライブを行う。

ライブハウスは、愛とアイリのファンで埋めつくされていた。

愛ぃー!

アイリぃー!

舞台袖にいる愛とアイリは気合いを入れる。

「よし!頑張ろう、愛。」

「うん。行こう!」

二人はステージに上がる。

曲が流れファンの熱もあがる。


愛は、アイリとのライブが嬉しくて、テンションも上がり、ハリキってしまう。

ファンたちにも、愛のハイな気持ちが伝わり、ライブは盛り上がったまま。

アイリは、盛り上がってくれるファンたちを見て嬉しくなる。

ライブ成功に喜びと充実を感じた。

ライブが終わり、控え室に戻った愛とアイリ。


「次は、もっと大きなステージに立ちたいね…。」

二人は次の目標を決めた。



それから後日…。


LOVEISの曲もできあがり、二人はテレビやラジオ、ネット動画とあらゆる所で自分たちを売っていく。

LOVEISの知名度、人気はどんどん上がっていった。

鬼ババ先生に考えてもらった振り付けを練習する愛とアイリ。

二人とも可愛いがっていた鬼ババ先生は嬉しくて鬼の目にもだった。



ある日の事

愛は仕事に行き、ぼろアパートの部屋にはカナ様一人で居た。

夕方になり、愛とアイリは仕事が終わり、ぼろアパート近くのコンビニで買い物をしていた。

二人が買い物をしている時、ぼろアパートに一人の男が来る。

その男は、刑務所を脱走し逃走中でお金もなく、
窃盗や恐喝など繰り返していた桜庭ゆうまだった。

ゆうまは、とりあえず食える分だけの金を狙いぼろアパートに強盗目的で来た。

ピンポン


カナ様はアパートのドアを開ける。

ゆうまは、持っていたナイフをカナ様に向けて脅す。

「金だせ。」

カナ様はナイフの刃先を掴んで、ゆうまをじっと見る。

ゆうまはナイフを引いたり押したりしようとするが動かない。

少し焦るゆうま。


「闇に落ちし者よ」

「おまえの悪運は尽きた」

カナ様はナイフをオモチャのナイフに変えた。

ゆうまは、カナ様に恐怖を感じ、その場から逃げる事にする。

カナ様は掴んでいたオモチャのナイフを離す。

ゆうまは舌打ちして逃げて行った。

コンビニで買い物を済まし、ぼろアパートへ向かっていた愛とアイリ。

アパートから逃げようとしているゆうまと鉢合わせをしてしまった。


アイリがゆうまに気づいた。

「ゆうま…。」

怖くて震える声で名前を言う。

ゆうまは、アイリを見つけた瞬間、驚いたがすぐ、
にやけた。

ゆうまはアイリも疑い、標的にしていた。

「よぉアイリ、久しぶりだな。」

アイリは怖がり身体も震えている。

愛はアイリを守るように前へでてゆうまを睨む。

「おまえ、刑務所に居るはずだろ…」

ゆうまは愛を睨み、にやける。

「なんだ?邪魔するならてめえもやるぞ。」

オモチャのナイフをちらつかせるゆうま。

愛は本物のナイフだと思い、怖くなる。

だが愛はアイリを守る一心で、ゆうまに立ち向かう。

「アイリに近寄るな!」

ゆうまは、愛に向かって歩く。

「うるせぇよ!てめえ。」

ゆうまは愛のお腹に膝蹴りした。

(うぅ…)

膝を付きうずくまる愛。

「あ…愛ぃ!」

アイリは愛を守るようにしゃがみ心配する。

「愛は関係ないでしょ!やるなら私をやりなさいよ!」

アイリは下からゆうまを睨みつけた。

上から見下ろすゆうまは、オモチャのナイフを振りあげる。

(させる…か…)

愛はアイリに覆い被さりアイリを守った。

「邪魔すんな!てめえ!」

ゆうまのオモチャのナイフが愛の背中に刺さる。

「あ、愛ぃー!」

アイリは涙を流し大声で叫んだ。


「愚かな奴め」

カナ様が現れ、ゆうまの手首を掴む。

ゆうまは驚く。

「さっきの…」

カナ様の拳がオーラをまとう。

ゆうまの顔面に魔道パンチを食らわす。

ゆうまはふっ飛びダウンした。

カナ様は、魔道ロープでゆうまをぐるぐる巻きにしていく。

ぐるぐる巻きのゆうまを、カナ様は引きずりながら、歩いていく。

アイリは、泣きながら愛の背中を見る。

「愛!大丈夫?」

ケガはしていないので安心するアイリ。

愛もほっとしていた。

(オモチャのナイフだったんだな?助かった。)

(あれ?カナ様、どこに連れていくんだ?)

愛とアイリはカナ様のあとを追いかけた。

ゆうまをズルズル引きずるカナ様。

近くの交番に、遠くからゆうまをぶん投げる。

ポイ!

追いかけてきた愛とアイリに向かってカナ様は、おっしゃる。

「帰るぞ」


愛とアイリは、きょとんとしてしまう。

愛は心配になりカナ様に小さな声で聞く。

「あいつ、カナ様のこと言ったりしないかな?」

カナ様は愛に小さな声で答える。

「奴の意識は闇の中」

「話す事は、もうできぬ」

愛は安心してカナ様にお礼を言う。

「ありがとう。助かったよ。」

アイリもカナ様にお礼を言う。

「お姉さん、ありがとうございました。」

「お強いんですね。」
 
カナ様は、うむと答えてすたすた歩く。

三人は、ぼろアパートへ帰った。


逮捕され、再び刑務所へ入るゆうま。
闇の中をもがき、苦しむ。



今回の事件で、絆がさらに深まった愛とアイリ。

周りの人たちも認めるほど仲良しだった。

愛は、仲良くすればするほど、あの日の自分を後悔する。

冷たい事を言ってしまった。

泣かせてしまった。

悔やんでも悔やみきれない。

愛は、アイリの笑顔を見るたび、胸が苦しくなる。

今、仲良くできる事を大切にして、絶対守っていく。

そう決意する愛だった。



ある日の事


愛とアイリは、会社の小会議室にいた。

大道さんが来て、今後のスケジュールを二人に言う。

「相田プロに所属するアイドルたちが集まり、アリーナでライブを行う。LOVEISも出演する事になった。」

アイリは、久しぶりの大きな会場でのライブに、とても喜んだ。

嬉しそうな笑顔を見せるアイリに愛は喜ぶ。

あれこれ愛とアイリで話していると、大道さんは退室した。


それから少しした時、

結咲が入ってくる。

「失礼します。」

アイリは結咲にお疲れ様の挨拶をした。

愛は、またなにしにきたよと結咲の顔を見る。

結咲は愛に向かって指をさし、宣言した。

「愛!あんたとは、正々堂々と勝負していくわ。」

「もう私は自分自身の力で一番になるわ。ふふ。」

そう言って結咲は帰って行った。

なんだったんだ?と愛とアイリは顔を見合せた。

結咲が宣言した訳…。

LOVEISとして仲良くしてる二人を見るたび、

自分が悲しくなった。

優しくしてくれるアイリ…。

アイリと楽しそうに話す愛。

(なにしてるんだろ?私…。)

人の邪魔をしても一番にはなれない。

結咲はそう思い、努力する事にした。 


結咲の言葉は、愛の心に突き刺さっていた。

(自分自身…正々堂々…。)

今は、愛としてアイリと仲良く幸せな日々を送っている。

だが、本当の自分ではない。

元の姿に戻ると、幸せな日々が無くなる。

このままで良いのか?

このままでいたい…。

愛は心の中で葛藤していた。

 
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