自己顕示欲の強い妹にプロデュースされる事になりました

白石マサル

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第三章~初めての恋愛~

意見を通す

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 グループLINEで話し合ってから2日後の夜に再びグループにメッセージが書き込まれた。
 発信者は水樹で

〈中居が欲しがってる物が分かった〉

 という内容だった。
 その日は中居が欲しがっている物に着いて話して、土曜日にターミナル駅に隣接する百貨店に行く事にきまった。
 そして金曜日の夜に新島から着信があった。

「明日の買い物の件なんだけど、そこで友也君にやって欲しい事があるの」

 俺がもしもしと言う前に、開口一番そんな事を言ってきた。

「やって欲しい事ってやっぱり課題みたいなもんか?」
「言い方を変えればそうなるわね」
「それで、やって欲しい事って言うのは?」
「明日、一回でもいいから自分の意見を通しなさい」

 いきなり何言ってんだコイツは。意見を通すっていつも水樹がやってる事じゃないか。
 しかもその水樹が一緒に居る時に意見を通すなんて難しすぎるだろ。

「それはいくらなんでも難易度高くないか?」
「そう? 何でもいいのよ。どこどこの店に行きたいとか、少し休憩にしないか? とかね」
「ん~、そう考えると出来なくはないのか? でも大体は水樹が仕切るんじゃないか?」
「常に水樹が仕切る訳でもないから安心して。私も色々意見言ったりするから」
「わかった。一応努力はする」
「おっけ。じゃあまた明日」

 通話が終わりいきなり出された課題をどうやってクリアするか考える。
 もう一つの不安要素だった服装は、柚希に相談した所マネキン買いのもでいいらしい。
 めぐ以外は始めてみるから大丈夫だそうだ。
 そしてその日の会議でも新島と同じような事を言われて解散となった。

 翌朝、鏡で服装と髪型、表情をチェックして家をでる。
 最寄駅からターミナル駅までは15分で着いた。
 指定された待ち合わせ場所に行くと既に新島が居た。

「おっす、新島早いな」
「10分前行動は当たり前じゃない?」

 相変わらず二人きりの時は本性の方が前に出てくるな。

「丁度いいから今回の課題について話しておきましょ」
「ああ、その事なんだけど、プレゼント買って終わりだろ? どのタイミングで俺の意見を通すんだ?」
「それなら大丈夫。いきなりプレゼントを買いに行く事にはならないから」
「どういうこと?」
「せっかく来たんだから色々見て周りたいって話に十中八九そうなるから」
「それは新島が仕掛けるって事か?」
「ん~、これについては佳奈子も言う可能性はあるわね。佳奈子が言わなかったら私が言うから安心して」
「断られたらどうするんだ?」
「逆に聞くけど、私が断られると思う?」
「想像できません」

 そんなやり取りをしていたら水樹の姿が見えた。
 その瞬間新島の表情がいつもの完璧美少女に切り替わる。
 女の人って怖い。

「二人とも早いな、ってか俺が遅いのか」
「そんな事無いよ~。まだ待ち合わせの時間まで2分あるし、遅いっていったら佳奈子が心配かな」
「ははは、確かに。あいつ遅刻の常習犯だからな」

 俺の時の反応とはえらい違いだ。10分前行動が当たり前じゃなかったんですかね?
 そうこうしているうちに、遠くに及川が走って向かって来ているのが見えた。
 途中転びそうになりヒヤッとしたが無事俺達の元へやってきた。

「ご、ごめ~ん。待った~?」
「そんなに待ってはいないけど……」
「はい、及川遅刻~。後で飲み物奢りな」
「え~ヒドイ~」
「だったらその遅刻癖治せよな」

 まるで俺の存在が無いかの様に会話が弾んでいる。
 このメンバーで意見を通すってかなり難しいだろ。
 すると早速水樹が仕切り出す

「とりあえずどうする? このままプレゼント見に行く?」
「そうだね! 早く決めないと!」

 と水樹の提案に乗っかる及川。 という事は

「え~せっかく来たんだから色々見て周りたいな~。佳奈子もアクセ欲しいって言ってたじゃん?」
「う~ん、そうだね。せっかくだし色々見ながらプレゼント買おう」
「なら適当に見て周るか」

 ま、マジで色々見て周る事になった。
 やっぱり新島は恐ろしいな。

 それから服やアクセサリー等を見て周ったが、なかなか自分からこの店行きたいと切り出せず、気づけば昼近くになっていた。

「もう昼だし何処かで飯食わね?」

 と水樹が切り出した。

「そうだね~」
「何処にしよっか~」

 及川の何処にしようかという言葉を聞いてチャンスだ! と思った。
 昨夜、柚希からターミナル駅近くのパスタ屋の事を聞いていたのだ。
 恐らくお昼何処で食べるという話題になるからと、柚希オススメの店を教わった。
 このチャンスを逃したら次はいつチャンスが来るか分からない。
 と考えていたら

「とりあえず近くのファミレスでも行く?」

 と水樹に先を越されてしまった。
 だが女性陣達は
 
「どうしよっか~」
「私は何処でもいいかな」

 と余り色好い返事がなかった。
 なので、ここぞとばかりに

「あのさ、駅の近くに美味しいパスタ屋があるんだけど、そこに行かない?」

 と、探り探り提案する。
 すると

「パスタいいかも~」
「うん、パスタ食べたい」

 と女性陣からは好評だった。
 しかし、水樹の提案を蹴ってしまった形になってしまい、水樹が不機嫌になっていないか様子を見ると

「へ~、友也詳しいんだな。それじゃそこに行こうか。二人もいいだろ?」
「「問題ないで~す」」

 不機嫌になる所か率先して女性陣に確認を取る。
 これが本当のイケメンってやつか。
 課題はクリアしたものの、何処か負けた感じがした。
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