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王国の武器と頭脳の不在
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ダニエルの失踪は王国を揺るがす大事件になった。私をミルドレイル伯爵家に送り届けてから、馬車ごとその姿を消したのだ。もちろん御者とルーク様も一緒にだ。
ダニエルとルーク様の乗った馬車が襲撃されたと思われる森の奥の道には、二十人を超える賊の足跡が土の地面に入り乱れ、残されていたらしい。
国を挙げて大勢の騎士や兵士が付近一帯を捜索したが、何の手がかりも見つけられなかったという。
敵国によるダニエルの殺害。天才的な頭脳を狙った隣国の誘拐説が王国中をまことしやかに流れた。でも私はダニエルは誘拐されたのだと半ば確信していた。そうでないと、あんな世界で最も誘拐に適さない人物を連れて襲撃の場から逃げる意味がない。さっさとあの場で殺しているはずだ。
キャサリンをはじめ何人かの人が私を慰めにミルドレイル伯爵家に訪れたが、私が食事もまともにとれず夜も眠れないくらいに心を痛めているのは、ダニエルの安否を気にかけてではなかった。
それよりも・・・何よりも私の心の中の大部分を占めていたのは、もちろんアレのありかだ。
ダニエルがアレを手に入れてから彼が訪れた場所は限られている。という事はアレは騎士団のダニエルの隊長室か、もしくはダニエルがさらわれたときに所持していたという事になる。アレが他人の目に触れる可能性があると考えるだけで、身震いがしてくる。そうして不安が一気に究極に達した。
「ダニエルの馬鹿ぁぁぁぁ!!私の下着!!!!」
部屋で一人きりでいると思わず叫んでしまうほどに私は追い詰められていた。もうあれから三日が過ぎたがダニエルに没収された下着は・・・もといダニエルの行方は杳として知れない。
私の下着がまだ隊長室にあるにせよダニエルが持っているにせよ・・・。いずれにしても私の使用済み下着はもう三日も洗濯もされないまま、どこかにあるという事だ。その事実は私の理性と良識を次第に侵していった。
「とにかく誰よりも早くアレを探し出さなきゃ・・・」
「エミリーったら・・・そんなにダニエル様の事が心配なのね。そんなにやつれてしまって、痛々しいわ・・・」
初夏らしい天気の良い日に、ミルドレイル伯爵家の自分の部屋でカウチもたれて悶えている私を見て、キャサリンが涙ぐみながら私の隣に腰を掛けた。部屋の隅に立っているメイドまでが、私を恋人の安否が心配で心を痛めている令嬢だと信じて疑ないようで、哀れな目をして私を見る。
だが私は意外に・・・本当に、自分でも信じられないくらいダニエルの事は全くと言っていいほど心配ではなかった。
あのダニエルが、誰か他人に害を加えられるとは想像もできない。あの黒光りする小さなしぶとい虫がこの地球上から消え果てても、ダニエルだけは生き残っているという妙な確信が私にはあった。
「キャサリン、慰めてくれてありがとう。でも私は大丈夫よ」
私は心が折れそうになりながらも、何とか無理やり笑顔を作ってキャサリンに微笑みかけた。この三日間というもの、昼夜を問わず下着の事を考えすぎてもうおかしくなりそうだった。
そうだ、何としてでもアレを探し出すまでは安眠できない。まずは可能性の一つである騎士団のダニエルの部屋を探ってみたい。なのに私が一人で外出しようとするとキャサリンが必ず一緒についてくる。しかも数名の護衛付きでだ。
ダニエルの誘拐で失意のどん底にある私を心配してというが、その友情に涙が出るほどに嬉しい反面、刻一刻と時間を争う私の下着の事を考えると手放しでは喜べない。
なので私は策を巡らせた。騎士団の隣町に小さな教会があり、そこには祈りをささげるための特別な廟があるらしい。昔からバチルマの教会は神に一番近い場所と呼ばれていて有名なのだ。
だが王国の政情が不安定な時代には大勢の人が詰めかけたが、ここ十何年間は戦争もなく平和が続いている為、祈りに行く人はもう殆どいないらしい。
「キャサリン、わたしダニエルの無事を祈りにバチルマの教会に行きたいの。こうしている間にもダニエルが酷い目に遭っているかもしれないと思うだけで、心が痛くなるわ・・・うぅっ」
「ああ・・エミリー、何て可哀想に・・大丈夫よ。私も一緒に行ってお祈りするわ・・」
私を心配して優しく肩を抱いてくれるキャサリンを騙すようで気がひけるが、私は彼女の差し出してくれたふくよかな手をそっと握りしめながら、潤んだ瞳でその目を見つめた。
「いいの、私一人でお祈りしたいの。そうすれば神はお聞き届けになってくださるかもしれないわ。ダニエルを想う気持ちなら誰にも負けないもの」
まあ、そのほとんどが負の感情だけれどもね・・・とは言わなかった。するとキャサリンはそんな私を見て更に涙を流して感動した。そうしてすぐに外出の支度をし、バチルマの教会に向かう事にした。私は濃い緑のシンプルなドレスを着て、薄いレースの肩掛けを肩に羽織った。そうして首にはダニエルから貰ったチョーカーを身に着けた。
ダニエルが噛んだ歯の痕は、まだかさぶたになって残っている。毎日リボンで誤魔化すわけにもいかないので、丁度いい機会だと思って首に巻いた。身に着けた瞬間、チョーカーを貰った時のダニエルに首を絞めつけられる感覚が蘇って息苦しくなる。
「あのふてぶてしいドSのダニエルが酷い目に合うはずはないわ。むしろ誘拐犯の方が心配よ。そうよ、そうに決まっているわ」
化粧台の前に座りながら思わず小さな声で呟く。この理解できない感情は無視することにして、キャサリンとバチルマの教会に向かった。教会の前で数名の護衛と共に下ろしてもらい、キャサリンには馬車で一旦屋敷に戻って、夕方再び迎えに来てもらう事になった。
そうして護衛は教会の前に待たせておいて、私は緊張しながら教会の木の重い扉を開けた。
バチルマの教会は思ったよりも大きくて天に向かってそびえたち、思ったよりも老練であちこち痛みが目立つ。五百年前の建築様式で建てられた教会はどちらかといえば素朴で、華美な所は一切なく純朴な雰囲気に包まれている。
教会を訪れるものはもう町の住人くらいなのだろう。何百人と収容できそうな教会の隅にひっそりと座った老人が、しゃがれた声でマリア様に祈りを捧げているのが聞こえる。歩くたびに私の靴が荘厳な教会の空間にコツンコツンといった音を響かせる。
長椅子がたくさん並んでいる奥には祭壇があり、奥には金箔が所々剥がれた大きな十字架が飾ってあった。ステンドグラスの格子の付いた大きな窓から入ってくる淡い色のついた光が差し込んできている。そこまで足を進めた時、大きな太い柱の陰から一人の大柄の人物が突然出てきた。彼は白いカラーの付いた黒の牧師服を身にまとっている。
「こんな場所に珍しい貴族のお嬢様ですね。バチルマの教会に何の用ですか?懺悔なら私が喜んでお聞きしますよ」
白髪交じりの髪を後ろに撫でつけて、小じわのある顔には人懐っこい笑みが浮かんでいた。
「え・・・いいえ。あの懺悔ではなくて、この教会の地下の廟である方の為にお祈りを捧げたいのです」
「ああ・・・そちらの目的ですね。随分歩きやすそうな靴を履いてるということは、そういう事ですよね」
そういって意味深な目をして私を見る。まさか私の企みがバレているのかと冷や冷やしながらも、素知らぬ顔をしてその茶色の目を見返した。
「おっしゃる意味がわかりませんわ」
「廟から外に通じる裏口の扉の場所を知りたいのではないですか?」
牧師様の真意が理解できず、私がどう答えたものかと牧師様の顔を思案しながら見つめていると、牧師様は手に持っている銀の鎖の付いたロザリオの珠を指で回して笑ってこう言った。
「では700グルでお教えしますよ。馬車が必要ならば300グルですぐに用意できます。いかがですか?」
ここで牧師様の狙いが分かってホッと安心する。お金の為というなら話は早い。教会に一人でも協力者がいると物事を進めやすいからだ。
「そうかもしれませんわね。裏口を知っていれば火事の時にでも助かりますわよね。でも馬車は必要ないから・・・500グルでどうかしら?」
私はそういってお金をそのまま手の上に乗せて牧師様の目の前に見せた。
「はは、貴族のご令嬢から値段交渉をされるとは思いませんでした。いいですよ。そういう気丈な女性は嫌いではありませんよ」
牧師様は笑って私が差し出した手を下から覆うように大きな手で支えて、その反対の手でお金を受け取った。
「貴方の大事な方のご多幸を、サービスで祈っておきますね」
そういって茶目っ気のある様子でウィンクをした。私は牧師様と一緒に地下の廟まで石造りの狭い階段を降りていき、マリア様の像の奥にある隠し扉の場所を教わった。
「帰りは今までと逆の順路で戻ってこれますから心配しないでください」
隠し扉の奥は真っ暗で全く何も見えない。でもその先に階段があるのは分かった。不安になりながらも階段を両方の壁に手をつきながら登っていくと、光が見えてきて外へとつながる扉が見えてきた。そこを抜けると、教会の真裏にある集団墓地の向こうに出た。
とにかく安全に外に出られてほっとした。そうしてしばらくそのままで目がようやく太陽の光に慣れてきた頃、騎士団に向かって歩き始めた。私の予想だと二十分くらい歩けば騎士団につきそうだ。私は肩に巻いていたレースのショールを頭に巻きつけて歩き始めた。
ダニエルとルーク様の乗った馬車が襲撃されたと思われる森の奥の道には、二十人を超える賊の足跡が土の地面に入り乱れ、残されていたらしい。
国を挙げて大勢の騎士や兵士が付近一帯を捜索したが、何の手がかりも見つけられなかったという。
敵国によるダニエルの殺害。天才的な頭脳を狙った隣国の誘拐説が王国中をまことしやかに流れた。でも私はダニエルは誘拐されたのだと半ば確信していた。そうでないと、あんな世界で最も誘拐に適さない人物を連れて襲撃の場から逃げる意味がない。さっさとあの場で殺しているはずだ。
キャサリンをはじめ何人かの人が私を慰めにミルドレイル伯爵家に訪れたが、私が食事もまともにとれず夜も眠れないくらいに心を痛めているのは、ダニエルの安否を気にかけてではなかった。
それよりも・・・何よりも私の心の中の大部分を占めていたのは、もちろんアレのありかだ。
ダニエルがアレを手に入れてから彼が訪れた場所は限られている。という事はアレは騎士団のダニエルの隊長室か、もしくはダニエルがさらわれたときに所持していたという事になる。アレが他人の目に触れる可能性があると考えるだけで、身震いがしてくる。そうして不安が一気に究極に達した。
「ダニエルの馬鹿ぁぁぁぁ!!私の下着!!!!」
部屋で一人きりでいると思わず叫んでしまうほどに私は追い詰められていた。もうあれから三日が過ぎたがダニエルに没収された下着は・・・もといダニエルの行方は杳として知れない。
私の下着がまだ隊長室にあるにせよダニエルが持っているにせよ・・・。いずれにしても私の使用済み下着はもう三日も洗濯もされないまま、どこかにあるという事だ。その事実は私の理性と良識を次第に侵していった。
「とにかく誰よりも早くアレを探し出さなきゃ・・・」
「エミリーったら・・・そんなにダニエル様の事が心配なのね。そんなにやつれてしまって、痛々しいわ・・・」
初夏らしい天気の良い日に、ミルドレイル伯爵家の自分の部屋でカウチもたれて悶えている私を見て、キャサリンが涙ぐみながら私の隣に腰を掛けた。部屋の隅に立っているメイドまでが、私を恋人の安否が心配で心を痛めている令嬢だと信じて疑ないようで、哀れな目をして私を見る。
だが私は意外に・・・本当に、自分でも信じられないくらいダニエルの事は全くと言っていいほど心配ではなかった。
あのダニエルが、誰か他人に害を加えられるとは想像もできない。あの黒光りする小さなしぶとい虫がこの地球上から消え果てても、ダニエルだけは生き残っているという妙な確信が私にはあった。
「キャサリン、慰めてくれてありがとう。でも私は大丈夫よ」
私は心が折れそうになりながらも、何とか無理やり笑顔を作ってキャサリンに微笑みかけた。この三日間というもの、昼夜を問わず下着の事を考えすぎてもうおかしくなりそうだった。
そうだ、何としてでもアレを探し出すまでは安眠できない。まずは可能性の一つである騎士団のダニエルの部屋を探ってみたい。なのに私が一人で外出しようとするとキャサリンが必ず一緒についてくる。しかも数名の護衛付きでだ。
ダニエルの誘拐で失意のどん底にある私を心配してというが、その友情に涙が出るほどに嬉しい反面、刻一刻と時間を争う私の下着の事を考えると手放しでは喜べない。
なので私は策を巡らせた。騎士団の隣町に小さな教会があり、そこには祈りをささげるための特別な廟があるらしい。昔からバチルマの教会は神に一番近い場所と呼ばれていて有名なのだ。
だが王国の政情が不安定な時代には大勢の人が詰めかけたが、ここ十何年間は戦争もなく平和が続いている為、祈りに行く人はもう殆どいないらしい。
「キャサリン、わたしダニエルの無事を祈りにバチルマの教会に行きたいの。こうしている間にもダニエルが酷い目に遭っているかもしれないと思うだけで、心が痛くなるわ・・・うぅっ」
「ああ・・エミリー、何て可哀想に・・大丈夫よ。私も一緒に行ってお祈りするわ・・」
私を心配して優しく肩を抱いてくれるキャサリンを騙すようで気がひけるが、私は彼女の差し出してくれたふくよかな手をそっと握りしめながら、潤んだ瞳でその目を見つめた。
「いいの、私一人でお祈りしたいの。そうすれば神はお聞き届けになってくださるかもしれないわ。ダニエルを想う気持ちなら誰にも負けないもの」
まあ、そのほとんどが負の感情だけれどもね・・・とは言わなかった。するとキャサリンはそんな私を見て更に涙を流して感動した。そうしてすぐに外出の支度をし、バチルマの教会に向かう事にした。私は濃い緑のシンプルなドレスを着て、薄いレースの肩掛けを肩に羽織った。そうして首にはダニエルから貰ったチョーカーを身に着けた。
ダニエルが噛んだ歯の痕は、まだかさぶたになって残っている。毎日リボンで誤魔化すわけにもいかないので、丁度いい機会だと思って首に巻いた。身に着けた瞬間、チョーカーを貰った時のダニエルに首を絞めつけられる感覚が蘇って息苦しくなる。
「あのふてぶてしいドSのダニエルが酷い目に合うはずはないわ。むしろ誘拐犯の方が心配よ。そうよ、そうに決まっているわ」
化粧台の前に座りながら思わず小さな声で呟く。この理解できない感情は無視することにして、キャサリンとバチルマの教会に向かった。教会の前で数名の護衛と共に下ろしてもらい、キャサリンには馬車で一旦屋敷に戻って、夕方再び迎えに来てもらう事になった。
そうして護衛は教会の前に待たせておいて、私は緊張しながら教会の木の重い扉を開けた。
バチルマの教会は思ったよりも大きくて天に向かってそびえたち、思ったよりも老練であちこち痛みが目立つ。五百年前の建築様式で建てられた教会はどちらかといえば素朴で、華美な所は一切なく純朴な雰囲気に包まれている。
教会を訪れるものはもう町の住人くらいなのだろう。何百人と収容できそうな教会の隅にひっそりと座った老人が、しゃがれた声でマリア様に祈りを捧げているのが聞こえる。歩くたびに私の靴が荘厳な教会の空間にコツンコツンといった音を響かせる。
長椅子がたくさん並んでいる奥には祭壇があり、奥には金箔が所々剥がれた大きな十字架が飾ってあった。ステンドグラスの格子の付いた大きな窓から入ってくる淡い色のついた光が差し込んできている。そこまで足を進めた時、大きな太い柱の陰から一人の大柄の人物が突然出てきた。彼は白いカラーの付いた黒の牧師服を身にまとっている。
「こんな場所に珍しい貴族のお嬢様ですね。バチルマの教会に何の用ですか?懺悔なら私が喜んでお聞きしますよ」
白髪交じりの髪を後ろに撫でつけて、小じわのある顔には人懐っこい笑みが浮かんでいた。
「え・・・いいえ。あの懺悔ではなくて、この教会の地下の廟である方の為にお祈りを捧げたいのです」
「ああ・・・そちらの目的ですね。随分歩きやすそうな靴を履いてるということは、そういう事ですよね」
そういって意味深な目をして私を見る。まさか私の企みがバレているのかと冷や冷やしながらも、素知らぬ顔をしてその茶色の目を見返した。
「おっしゃる意味がわかりませんわ」
「廟から外に通じる裏口の扉の場所を知りたいのではないですか?」
牧師様の真意が理解できず、私がどう答えたものかと牧師様の顔を思案しながら見つめていると、牧師様は手に持っている銀の鎖の付いたロザリオの珠を指で回して笑ってこう言った。
「では700グルでお教えしますよ。馬車が必要ならば300グルですぐに用意できます。いかがですか?」
ここで牧師様の狙いが分かってホッと安心する。お金の為というなら話は早い。教会に一人でも協力者がいると物事を進めやすいからだ。
「そうかもしれませんわね。裏口を知っていれば火事の時にでも助かりますわよね。でも馬車は必要ないから・・・500グルでどうかしら?」
私はそういってお金をそのまま手の上に乗せて牧師様の目の前に見せた。
「はは、貴族のご令嬢から値段交渉をされるとは思いませんでした。いいですよ。そういう気丈な女性は嫌いではありませんよ」
牧師様は笑って私が差し出した手を下から覆うように大きな手で支えて、その反対の手でお金を受け取った。
「貴方の大事な方のご多幸を、サービスで祈っておきますね」
そういって茶目っ気のある様子でウィンクをした。私は牧師様と一緒に地下の廟まで石造りの狭い階段を降りていき、マリア様の像の奥にある隠し扉の場所を教わった。
「帰りは今までと逆の順路で戻ってこれますから心配しないでください」
隠し扉の奥は真っ暗で全く何も見えない。でもその先に階段があるのは分かった。不安になりながらも階段を両方の壁に手をつきながら登っていくと、光が見えてきて外へとつながる扉が見えてきた。そこを抜けると、教会の真裏にある集団墓地の向こうに出た。
とにかく安全に外に出られてほっとした。そうしてしばらくそのままで目がようやく太陽の光に慣れてきた頃、騎士団に向かって歩き始めた。私の予想だと二十分くらい歩けば騎士団につきそうだ。私は肩に巻いていたレースのショールを頭に巻きつけて歩き始めた。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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