異世界転生して最強召還師になったけど現世に帰ってきた女子高生ですが何か？

145話 賄い

喫茶店『天使の扉』で、働いてる私…。

そして、どうにか午前中働いて、休憩の許可を翼さんにもらった…。


休憩する控え室には、すでに摩耶がいてくつろいでいるのであった…。

そこで、摩耶と、どっちが翼さんのことを好きか、言い合いになった…。


その声がお店にも聞こえていたらしく、怒った翼さんが部屋に入ってきた…。

すかさず、摩耶は私にいじめられたと嘘泣きして、翼さんに抱きついた。

なんで、摩耶は嘘を言って、私を陥れようとするんだ…。


もしかしなくても、摩耶は私のこと嫌っている…？

私も摩耶のことを、クソガキと思っているけど…。



そう思いながら、キッと摩耶の方を睨んだら…。

なんと摩耶は翼さんに抱きつきながら、あっかんべーをしているのだ。


私も負けじと渾身のあっかんべーを返した…！

私がしたあっかんべーを、翼さんにしっかり見られてしまったのだ…！


ますます、翼さんに摩耶をいじめているのではないか？と疑いを持たれてしまった…。



私は変顔をして、摩耶に笑って欲しかったんですと苦し紛れな言い訳をした…。

私はあっかんべーをやめて、唇を突き出して、ひょっとこみたいな変顔をした…。


あまりに変なので、摩耶はドン引きして…。

私はそのまま翼さんの顔に、変顔を近づけた…。


翼さんは、思わず笑って吹き出してしまうのであった…。



「もうわかったから…。二人とも仲良くね…！」

プププと笑いながら、翼さんが言った。


翼さんは、お腹を抱えながら、苦しそうに笑っている…。

笑っている翼さんが、やっぱり一番かわいいなと思う…。


守りたい…。その笑顔…。ずっと見つめていたい…。


まさに天使のような笑顔だ…。

改めて、惚れてしまう…。


「もう！ノアちゃんその顔やめて！かわいい顔が台無しよ…？」

翼さんが、瞳の縁に涙を溜めながら言う…。


その水晶のような涙の玉を、私は舐めて取りたいと思った…。

まぁ、こんな公共な場所ではやらないけれど…。


翼さんが、そういうので私はいつもの美少女モードの私に戻る…。


「そう…。いつものかわいいノアちゃんがいいわ…」


翼さんは、自分の瞳の縁の涙を指で拭った…。

綺麗で長い翼さんの指先に、涙の雫が残る…。


私は、うっとりとして見とれてしまう。


「そうだ！二人ともお腹空いたでしょ？賄い食べるでしょ？」


翼さんが、思い付いたように言う…。

そういえば、お腹空いたな…。

ありがたくいただくことにしよう…。