『2次元の彼R《リターンズ》~天才理系女子(りけじょ)「里景如志(さとかげ・しし)のAI恋愛事情~』

あらお☆ひろ

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⑧ 「オンライン授業」

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⑧ 「オンライン授業」

 大阪CPTSには、年間でのコース選択による専門学校が指定する講義の中から週15コマの講義を選択して受ける生徒と、個別講義ごとに課金される生徒がいる。前記の生徒は、高卒の生徒がほとんどで「専門学校卒」の資格を得て、就職活動に備える。後記の生徒は、より専門性を求めて社会人や大学生や高専・工科高校生が受講するものが多い。
 如志の担当する「生成AI」に関する講義に関しては後者の生徒が多いのが特徴である。社会人や大学生の受講生が多く、レベルの高い「専門性」が求められる為講師自身も日々の勉強が必要となる。

 リアルタイムで行う講義を編集し、追加の技術理論や参考プログラムのデモンストレーションを入れたいつでも生徒がアクセスできるアーカイブプログラムを利用するものが多い中、講師との「チャット」やオンライン通信での質疑応答や講師との交流を望む者は「リアルタイム」講義に参加する。
 如志は担当する3科目を週に2回ずつ「生中継」で公開し、翌週にその2回の良いとこどりで再編集したものをアーカイブにあげるものを監修するため、実質的に週5日で延べ約40時間を費やしている。

 最近のオンライン講義の楽しみは、熱心な生徒からの感想と質問を読むことである。講師の立場からは見えない角度で生徒から出される質問や意見で新たなプログラムの可能性が見えてくることも少なく無く、日進月歩のソフト業界で毎日何十本も発表される如志の知らない「ソフト」や「アプリ」、時として「ゲーム」の情報も得られる良い機会となる。
 その中でいつも受講者がチャットから落ちた・・・後に参加してくるのが「ふなっしーもどき」のアイコンの「JPB」で、真面目な質問8割に加えて砕けた会話の2割が心を癒してくれている。
「里景先生の授業は凄くわかりやすいです。」と書き込まれれば嬉しいし、「僕は「眼鏡っ」推しなんで眼鏡がかわいい里景先生が好みです。」などと書き込まれるとちょっと恥ずかしいがやる気が出る。

 しかし、オンラインの生対話となると如志は、画面のアバター相手ではあるが、言葉に詰まりがちになりうまくコミュニケーションが取れない。「JPB」もそこは理解しているようで、「オンライン会話」の時は「おしゃべり」は少な目で「生成AI」と「対話型チャットGPT参考」の話題を中心にしてくれるので最近は講義後の15分の質問タイムをフルに使う事も少なくない。
 「JPB」から「最初の質問」で出た2年前に自殺した日本人プログラマーが制作した「CGTTコンピュータ・ゲネレーティブプログラム・トーキング・トランスフォーマー」については熱く語ってくる。
「かつてのジャストシステムの「一太郎」や「ロータス123」がマイクロソフトオフィスの「ワード」や「エクセル」より先進性を持っていた時代があったように、これからのGPTの時代でも日本人が作ったプログラムが世界に広まって欲しいんですよね。僕英語力がないんで日本語でプログラムが組めるようになってくれたらいいなーって思ってるんです。
 先生は帰国子女だから英語の読み書きもペラペラなんでしょ?里景先生の英語の授業だったら頑張れるんですけどねー!里景先生モデルの生成AIのフルCGの英語教育プログラム作ってくださいよ!そしたら思いっきり英語も勉強しますよ!カラカラカラ。」
などと可愛いことも言ってくると少しは会話も弾む。
「へー、「JPB」君って考え方が凄いね。確かに今のプログラム業界は「英語」中心で動いてるから、日本語だけだと外国の基本プログラムとの連結は難しいわね。まあ、ここで英語を教えることはできないけど、生成AIでのフルCGの教師なら私なんかより、かわいいアイドルや美人女優さんの方がいいんじゃない。ケラケラケラ。」

 そんな短い会話の中で、如志がスパコンを手に入れて生成AIと類似型対話型GPTプログラムを用いて「イケメンおしゃべりプログラム」を作っているが、苦戦していることを話すことがあった。
「ふーん、里景先生は「2次元好き」なんだ。3DプログラムやVRシステム持ってるんだったら、アッセンブルしやすい画像・動画ソフトを教えてあげますよ。先生、電話番号かメールアドレス教えてくれませんか?」
との申し出を受けたが
「ごめんね。生徒とプライベートな連絡を取り合うのは学校のルールで禁止されてるのよ。「JPB」君が卒業したら相談にのってね。」
と返さざるを得なかった。
 あからさまに少しテンションが下がった「JPB」だったが、「ルールなら仕方ないですね。とりあえず参考ソフト名をチャットの最後にあげておきますので試してみて下さい。」とふて腐れることなく情報提供してくれたので、如志も「ありがとう。参考にさせてもらうわね。」と返事をしてその日の会話は終わった。


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