『2次元の彼R《リターンズ》~天才理系女子(りけじょ)「里景如志(さとかげ・しし)のAI恋愛事情~』

あらお☆ひろ

文字の大きさ
13 / 36

⑨ 「相談」

しおりを挟む
⑨ 「相談」

 如志は「JPB」が教えてくれた画像・動画関連ソフトが「スパコン展示会」でもらった最新のサンプルプログラムにあったことを思い出した。自宅に戻り外付けのハードディスクに保存していたプログラムをTSUBASA本体の生成AIプログラムにリンクしようとするがうまくいかない。
 (あー、やっぱりプログラミングとアッセンブルは別物なのね。私と違う性格の人の作ったプログラムを取り込むのは、「人に合わせられない」私にはむいてないのよね。また明日、「JPB」君にちょっと聞いてみようかしら。)と接続ポイントやアクセス要件でエラーがかかっていたところをメモした。

 翌日の講義の後、いつものようにチャットに残った「JPB」に質問を投げた。「JPB」は丁寧に説明してくれたが、実機を操作しながらでない状況で如志は理解しきれず時間切れとなった。
 「教え方が下手ですみません。」と謝る「JPB」に「先生がこれじゃダメよね。先生も頑張って勉強するからまた教えてね。」とチャットを閉じた。(あー、かっこ悪い所見せちゃったな。講師の面目丸つぶれってなもんよね…。くすん。)
 落ち込みながらパソコンの電源を落とすと、スマホが鳴った。ポケットからスマホを出して画面を見ると弾嗣からだった。
「先日は、ごちそうさまでした。TSUBASAはその後うまく動いていますか?リンケージソフトの無料サンプルと複数ソフトをリンクさせる際のメモリ最適化プログラムが入ったんですけど使って見ませんか?メインプログラムと別インストールのソフトの相性が悪い時に使うとスムーズにいくソフトで僕も使っている納得のソフトです。」
というメッセージに如志は速攻で反応した。
 「JPB」に推薦を受けた画像・動画ソフト名を上げ、TSUBASAとうまくリンクできていないことを伝えるとライン電話がかかってきた。一瞬とるのをためらったが廊下に出ると受信ボタンをタップした時にうっかりスピーカーホンのボタンも押してしまった。
「その画像・動画ソフトは僕も使ってるものですから大丈夫だと思いますよ。この間の食事のお礼もしたいんでまたお会いできませんか?」
と弾嗣の声が廊下に響いた瞬間背後から現れた舞久利が如志のスマホを奪って叫んだ。
「おー、如志ちゃんへのデートの誘いなんか?お兄ちゃんなんか?おじさまなんか?イケメンか?私の大事な如志ちゃんやねんから大事にしたってくれよ!如志ちゃんを泣かすようなことあったら私が許せへんからな!ケラケラケラ。」
と笑いながら去っていった。

 「えっ、今の誰ですか?」と驚く弾嗣に学校の同僚で仲良しの先輩で悪気は無い旨を伝えた。「イケメンゲーム」仲間であり、如志が「生成AIチャットゲーム」を作るのを待っていることを伝えた。
「ふーん、じゃあ、その同僚さんの為にも如志さんの為にも、「セリフの自動選定」プログラムのテストがてら、デート会話のデータ取りをしてみましょう。そうですね、いくつか欲しい機材もあるんで日本橋でデートといきましょうか?如志さんも遊べるように「理系トーク」もたくさんデータ収集するのに協力させてください。カラカラカラ。」
笑う弾嗣に再び現れた舞久利が「おっしゃ、次の土曜日10時に日本橋な!男に恵まれへん私の為にも如志ちゃんのソフト作りに協力したってや。」と如志のスマホにしゃべりかけると「私が如志ちゃんをかわいくコーディネートしておくけど、襲ったりすんなよ!」と最後にドスの入った脅しを入れると勝手に電話を切った。
 困った顔をしている如志に舞久利は「後は私に任せとけ!如志ちゃんは私に絶対に裏切らへん優しい「3D」イケメンを用意し、私は如志ちゃんに「3次元」の男の良さを教えたるバーターやな。今日はもう授業は終わりやろ。私と一緒に「梅田」に行くで!」と一方的に話すと如志の腕を引いて更衣室に急いだ。

 最初に「眼鏡店」に行った。「この子のグリグリメガネを最新式の薄いプラスチックレンズでかわいいフレームで作ったって!」と店員に言うと、視力測定の機械の前に如志を座らせた。店員から「なんとか在庫の「薄型レンズ」でいける。」と回答があった。
 舞久利はフレーム売り場に如志を連れて行き、ぐりぐり眼鏡を奪うと並んでいるかわいいフレームを次から次へかけさせてはスマホで写真を撮った。「度」が合わない眼鏡を掛けさせられ、何も見えない如志は従うしかなかった。
 約10種類のフレームを試すと、ようやく元の眼鏡を返してもらえた。「さて、どれがええかな?如志ちゃんは元が童顔やから「セクシーさ」よりも「プリティーさ」を優先させたで!」と如志の顔を正面と斜めから撮ったスマホの写真とその時のフレームを合わせて「これええなぁ!」、「これは高校生に見えてしまうかな?」、「うーん、下フレームもあざとくてええかも…。」と舞久利主体で選択していく。
 今まで、おしゃれフレームの眼鏡をかけた自分の顔を見たことが無かったのでスマホの中の自分の顔に少し照れた。紆余曲折ありながら候補は薄いピンクの丸めで細いボストンフレームとプラスチックの紫の下ハーフフレームの2本に候補が絞られた。如志が悩んでいると
「よっしゃ、ボストンと下ハーフで決まりや!どっちもかわいい!店員さん、これ2本作っといて!先にカードで払っとくから1時間後にもう一回来るわな!」
と叫んで舞久利が精算を済ませた。
 
 続いて連れて行かれたのは見るからに高そうな美容院だった。「舞久利さん、ここ高いんじゃないの?」と尻込みする如志に「大丈夫や!初回限定2000円のクーポンがあんねん!」とだけ言うと、店に飛び込み「予約の富良礼ふられや。このを「橋本環奈ちゃん」か「大谷凜香ちゃん」にしたってな!」と言うとスマホのクーポン画面を見せ、2000円をイケメン理容師に渡すと一人で美容院を出ていった。
 1時間後、大きな紙袋を両手に持って舞久利が帰ってきたころにはすっかり如志のカットは終わっていた。舞久利は両手の紙袋を持ち上げて見せると如志に優しく言った。
「おっ、めっちゃ可愛くなってるやん!じゃあ、あとはこのワンピースと靴に着替えて眼鏡を替えたら道頓堀に「ナンパ」されに行こか!」

 その後、舞久利といっしょに道頓堀に繰り出した。「如志ちゃんはなんもしゃべらんでもニコニコしとったらええからな!」と言われた如志は生まれて初めての「ナンパ」を十数人から受け、舞久利主導で初の「ただ飯」を味わった。高級フレンチとワインを奢らせた舞久利は「あー、眼鏡と服代取り返したわ!これからは月末で飯代に困ったら如志ちゃんと一緒に道頓堀に来ることにするわな。」と真面目な顔をして呟いた。
 門真に戻っていつもの居酒屋に行っても、如志への男性客の視線が熱かった。生中を飲みほしてご機嫌で舞久利はジョッキをテーブルに置いた。
「デートの日は、朝9時に私が「髪」のセットに行くからな!如志ちゃんの「リアル彼」の友達に「寺田心」君みたいなかわいい子が居るようやったら紹介してもらえるように言っておいてな。ケラケラケラ。」



しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...