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彼女はくすぐられ、快楽の扉を開く
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「ダメ……ダメって、言ってるのに……っふ、ふふっ、あははっ……んんっ……」
くすぐったさと恥じらいとが交錯する声を上げながら、綾乃はくねるように礼司の腕の中で身をよじらせる。
脇腹を優しく撫でられるたび、指先の微細な動きが、笑いと熱を同時に呼び覚ます。
だが、その「ダメ」という言葉が、もはや拒絶ではないことを、礼司は確信していた。
「綾乃様……」
彼は、囁くように名を呼びながら、その手の動きを一旦止めた。
綾乃は、くすぐったさからの余韻に体を震わせ、くったりと礼司の肩にもたれかかる。
「……礼司さん……?」
その問いかけに、礼司は優しく、けれど真剣な瞳を向けた。
「……先ほどから、“ダメ”と仰いますが……」
「はい……?」
「綾乃様の笑顔も、声も、震える指先も……すべてが“もっと”と告げているように、私には感じられてなりません」
綾乃の頬が、ふっと赤く染まる。
目を逸らそうとしたが、礼司の視線にそっと引き戻され、まるで心を覗き込まれるようだった。
「ちが……っ、そんなつもりじゃ……」
声は弱く、抗いきれぬ戸惑いが滲んでいた。
けれど、その声にこそ、礼司は確かな揺れを感じ取った。
「では、お訊きしてもよろしいでしょうか」
「……なにを……?」
「“ダメ”とは、本当に“いや”という意味なのでしょうか。
それとも――『もっとして』という、奥ゆかしい願いの形ですか?」
その言葉は、まるでくすぐりと同じく、綾乃の胸の奥を柔らかく、しかし鋭く突いてくる。
答えたくない、けれど否定もできない――その狭間で、綾乃は小さく唇を噛んだ。
やがて、彼女はかすかに、ほんのかすかに頷く。
「……わたし、気づかないふりを……してたのかもしれない……」
「それは……なぜでしょう」
礼司の問いに、綾乃は少し考えるように目を閉じ、それから静かに口を開いた。
「……だって……もし認めたら……
わたし、ほんとうに――あなたに、全部、許してしまいそうで……」
その言葉は、微かな震えと共に、礼司の胸に深く沈んだ。
「……綾乃様……」
礼司の手が、再び彼女の身体へと触れる。
今度はその指が、彼女の太腿をやさしくなぞり、ひざ裏に忍び寄る。
「許して、いただけますか。わたしに……綾乃様の、すべてを」
その囁きは、決して強制ではなく、求愛だった。
そして――綾乃は、震える声で応えた。
「……くすぐって……」
礼司の目が、かすかに見開かれた。
彼女はさらに一歩、自らの意志で続ける。
「笑わせて……感じさせて……もう、逃げないから……
あなたに触れられると、わたし……こんなに……気持ちよくて……」
その告白は、まるで蜜のように甘く、艶を帯びていた。
礼司の手が、再び太腿から鼠径部のほとりへ、じわりと指を這わせていく。
「……綾乃様、ようやく……本当の意味で、私の腕の中に来てくださったのですね」
「うん……お願い、礼司さん……もっと、くすぐって……わたしを……」
その声は、願い。
その身体は、愛にほどけた微笑み。
快感と快楽の狭間で、綾乃は、ついに自ら“愛されること”を選んだのだった――。
くすぐったさと恥じらいとが交錯する声を上げながら、綾乃はくねるように礼司の腕の中で身をよじらせる。
脇腹を優しく撫でられるたび、指先の微細な動きが、笑いと熱を同時に呼び覚ます。
だが、その「ダメ」という言葉が、もはや拒絶ではないことを、礼司は確信していた。
「綾乃様……」
彼は、囁くように名を呼びながら、その手の動きを一旦止めた。
綾乃は、くすぐったさからの余韻に体を震わせ、くったりと礼司の肩にもたれかかる。
「……礼司さん……?」
その問いかけに、礼司は優しく、けれど真剣な瞳を向けた。
「……先ほどから、“ダメ”と仰いますが……」
「はい……?」
「綾乃様の笑顔も、声も、震える指先も……すべてが“もっと”と告げているように、私には感じられてなりません」
綾乃の頬が、ふっと赤く染まる。
目を逸らそうとしたが、礼司の視線にそっと引き戻され、まるで心を覗き込まれるようだった。
「ちが……っ、そんなつもりじゃ……」
声は弱く、抗いきれぬ戸惑いが滲んでいた。
けれど、その声にこそ、礼司は確かな揺れを感じ取った。
「では、お訊きしてもよろしいでしょうか」
「……なにを……?」
「“ダメ”とは、本当に“いや”という意味なのでしょうか。
それとも――『もっとして』という、奥ゆかしい願いの形ですか?」
その言葉は、まるでくすぐりと同じく、綾乃の胸の奥を柔らかく、しかし鋭く突いてくる。
答えたくない、けれど否定もできない――その狭間で、綾乃は小さく唇を噛んだ。
やがて、彼女はかすかに、ほんのかすかに頷く。
「……わたし、気づかないふりを……してたのかもしれない……」
「それは……なぜでしょう」
礼司の問いに、綾乃は少し考えるように目を閉じ、それから静かに口を開いた。
「……だって……もし認めたら……
わたし、ほんとうに――あなたに、全部、許してしまいそうで……」
その言葉は、微かな震えと共に、礼司の胸に深く沈んだ。
「……綾乃様……」
礼司の手が、再び彼女の身体へと触れる。
今度はその指が、彼女の太腿をやさしくなぞり、ひざ裏に忍び寄る。
「許して、いただけますか。わたしに……綾乃様の、すべてを」
その囁きは、決して強制ではなく、求愛だった。
そして――綾乃は、震える声で応えた。
「……くすぐって……」
礼司の目が、かすかに見開かれた。
彼女はさらに一歩、自らの意志で続ける。
「笑わせて……感じさせて……もう、逃げないから……
あなたに触れられると、わたし……こんなに……気持ちよくて……」
その告白は、まるで蜜のように甘く、艶を帯びていた。
礼司の手が、再び太腿から鼠径部のほとりへ、じわりと指を這わせていく。
「……綾乃様、ようやく……本当の意味で、私の腕の中に来てくださったのですね」
「うん……お願い、礼司さん……もっと、くすぐって……わたしを……」
その声は、願い。
その身体は、愛にほどけた微笑み。
快感と快楽の狭間で、綾乃は、ついに自ら“愛されること”を選んだのだった――。
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