12 / 14
限界のその先へ
しおりを挟む
「ふふ…もう、だめ…っ」
綾乃の身体はふわふわと浮かぶような幸福に包まれながら、笑い声を洩らし続けていた。礼司の指が、彼女の太腿の内側を円を描くように這い上がり、くすぐるというより、愛おしく慈しむような動きで滑っていく。
「まだだよ、綾乃様。あなたがどれほどこの快感を求めているか、もっと深く知りたいのです」
そう囁く礼司の声には、ひとしずくの甘い狂気が混じっていた。しかし、その指先はあくまで優しく、けれども容赦なく。
膝裏に忍ばせた手が、節の柔らかい関節をなぞるたび、綾乃はくすぐったさに跳ねながらも、逃げ場のない快感に酔っていった。
「んんっ!くすぐったい…っ、でも、きらいじゃ…なくて…」
「――むしろ、欲しいのですね?」
礼司の言葉に、綾乃は目を逸らした。けれどその頬は、羞恥に染まりつつも、まるで恋を語る乙女のように紅く愛らしかった。
「だめ…って言っても、からだが、求めてるの…」
礼司の両手が、綾乃の脇腹から脇の下へと滑り上がってゆく。くすぐりという刺激のなかに、熱を帯びた想いが宿っていた。愛情の重みが、指先に、手のひらに、確かにこもっている。
「あなたの"だめ"は、"もっと"に聞こえるのですよ」
柔らかく、しかし確信に満ちた声。
次の瞬間――礼司の指は綾乃の両脇を左右交互に優しく、けれど執拗に責め立てた。指の腹が小刻みに震えるような動きで、皮膚の浅い層を撫で、擽り、押し上げる。
「ひゃっ、あははっ、ああっ、だめぇっ、あっははははっ!」
笑い声が天井に弾けた。けれどそこにあるのは苦しみではない。
狂おしいほどの快感と、与えられる幸福に酔いしれた、ひとりの女性の悦びだった。
「どうか、綾乃様…このくすぐったさに身を任せて。私はあなたのすべてを包みたいのです。くすぐりという愛で――」
「れいじ、ああっ、もっと、笑わせて…止めないで…!」
その瞬間、綾乃の口から溢れた願いは、言葉というより、魂の叫びだった。
もはや羞恥は薄れ、ただ礼司の愛を求めて、くすぐりのなかに溶けてゆく彼女の姿。
礼司もまた、彼女の応える身体に心を震わせながら、指を、愛を、さらに深く注ぎ込んでいく。
やわらかな足裏に指を滑らせ、くすぐりながら、彼女のくびれ、肩甲骨の下、背中のくぼみへ――
礼司の手は、彼女の歓びのツボを知り尽くす執事として、完璧な愛撫を繰り返していた。
綾乃の声は笑いと甘い吐息のあいだを揺れ、ただひとつ、彼に伝えたい想いを紡ぐ。
「好き…くすぐられるの、あなたにされるのが…いちばん、好き…!」
礼司の手が止まることはなかった。
それはもう、奉仕ではない。魂を捧げるような愛だった。
綾乃の身体はふわふわと浮かぶような幸福に包まれながら、笑い声を洩らし続けていた。礼司の指が、彼女の太腿の内側を円を描くように這い上がり、くすぐるというより、愛おしく慈しむような動きで滑っていく。
「まだだよ、綾乃様。あなたがどれほどこの快感を求めているか、もっと深く知りたいのです」
そう囁く礼司の声には、ひとしずくの甘い狂気が混じっていた。しかし、その指先はあくまで優しく、けれども容赦なく。
膝裏に忍ばせた手が、節の柔らかい関節をなぞるたび、綾乃はくすぐったさに跳ねながらも、逃げ場のない快感に酔っていった。
「んんっ!くすぐったい…っ、でも、きらいじゃ…なくて…」
「――むしろ、欲しいのですね?」
礼司の言葉に、綾乃は目を逸らした。けれどその頬は、羞恥に染まりつつも、まるで恋を語る乙女のように紅く愛らしかった。
「だめ…って言っても、からだが、求めてるの…」
礼司の両手が、綾乃の脇腹から脇の下へと滑り上がってゆく。くすぐりという刺激のなかに、熱を帯びた想いが宿っていた。愛情の重みが、指先に、手のひらに、確かにこもっている。
「あなたの"だめ"は、"もっと"に聞こえるのですよ」
柔らかく、しかし確信に満ちた声。
次の瞬間――礼司の指は綾乃の両脇を左右交互に優しく、けれど執拗に責め立てた。指の腹が小刻みに震えるような動きで、皮膚の浅い層を撫で、擽り、押し上げる。
「ひゃっ、あははっ、ああっ、だめぇっ、あっははははっ!」
笑い声が天井に弾けた。けれどそこにあるのは苦しみではない。
狂おしいほどの快感と、与えられる幸福に酔いしれた、ひとりの女性の悦びだった。
「どうか、綾乃様…このくすぐったさに身を任せて。私はあなたのすべてを包みたいのです。くすぐりという愛で――」
「れいじ、ああっ、もっと、笑わせて…止めないで…!」
その瞬間、綾乃の口から溢れた願いは、言葉というより、魂の叫びだった。
もはや羞恥は薄れ、ただ礼司の愛を求めて、くすぐりのなかに溶けてゆく彼女の姿。
礼司もまた、彼女の応える身体に心を震わせながら、指を、愛を、さらに深く注ぎ込んでいく。
やわらかな足裏に指を滑らせ、くすぐりながら、彼女のくびれ、肩甲骨の下、背中のくぼみへ――
礼司の手は、彼女の歓びのツボを知り尽くす執事として、完璧な愛撫を繰り返していた。
綾乃の声は笑いと甘い吐息のあいだを揺れ、ただひとつ、彼に伝えたい想いを紡ぐ。
「好き…くすぐられるの、あなたにされるのが…いちばん、好き…!」
礼司の手が止まることはなかった。
それはもう、奉仕ではない。魂を捧げるような愛だった。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる