くすぐり執事とくすぐら令嬢

文字の大きさ
8 / 13

くすぐる執事⑥ ― 探り、見極め、誘う指 ―

しおりを挟む
綾乃はナイティのまま、ベッドの上に仰向けになっていた。
手首は軽く縛られ、ほんの少し身じろぎするたびに、絹の布がかすかに揺れる。
恥じらいを宿した瞳と、期待に膨らむ胸の動き――
それらを、礼司は一つひとつ観察していた。

「綾乃様……ここをこうすると、どうなるのか――教えていただけますか?」

まず、彼は右の脇腹に手を置いた。
親指と人差し指を軽く広げ、円を描くように優しく撫でる。

「んっ……ふふっ……あ、そこ……くすぐったいけど……やさしいの……」

綾乃の声が少し甘くなる。
礼司はすぐに、“優しいくすぐり”が彼女の快感の入口であることを感じ取る。

次に、指の腹をもう少し強く、リズムを早めてみる――

「ふふふっ……やっ、だめっ、笑っちゃ……うふふっ!」

笑い声が一段明るく跳ねた瞬間、彼の唇が少しだけほころぶ。
“今のリズムと強さが、彼女の笑いを引き出す鍵”――
礼司の中の“くすぐりの楽譜”に、新たな旋律が加わる。

「では、こちらはいかがでしょう?」

今度は左の脇の下へ――
ここでは、指先を羽のように軽く走らせる。
反応を見極めるように、触れるか触れないかの瀬戸際で。

「ひゃっ……! そ、それ、やだっ、やばいっ……!」

身体が跳ねた。
「反射的に笑ってしまう」よりも、「くすぐったさが込み上げて苦しくなる」ような反応。

礼司はすぐにその指を緩め、代わりに耳元に息を吹きかけ、内耳の縁を舌先でなぞった。

「んっ……ふぅ……くすぐったい、でも……なんだか……変になりそう……」

脇の強刺激と、耳の繊細な刺激。
礼司は彼女の体の“振幅”を読むように、バランスを調整する。

――少し強くくすぐると、笑って跳ねる。
――軽く撫でると、震えて潤む。

彼女の身体は、まるで楽器のようだった。
礼司の指が奏でるたびに、心も身体も音色を変えて応える。

「綾乃様……ここは、どう反応なさるのでしょうね……」

そう言いながら、太腿の内側へと指先を滑らせる。
ほんのわずかに温度を感じさせる手のひら。
綾乃の呼吸が、ひときわ浅くなる。

礼司にとって、くすぐりとは“観察と調整の連続”であり、
反応の変化にこそ、相手の真実が宿っている。

彼は“笑わせる”のではない。
“心を解き放ち、悦びを紡ぐ”ために、
指先で綾乃の秘密の感覚を探り、そこにそっと、愛を置いていく――
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

👨一人用声劇台本「寝落ち通話」

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。 続編「遊園地デート」もあり。 ジャンル:恋愛 所要時間:5分以内 男性一人用の声劇台本になります。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

仕方なく配信してただけなのに恋人にお仕置される話

カイン
BL
ドSなお仕置をされる配信者のお話

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...