くすぐり執事とくすぐら令嬢

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くすぐる執事⑧ ― つま先から溺れて ―

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「もう……笑いすぎて……だめ……礼司さん、ひどい……」

涙を浮かべて横たわる綾乃の足元に、
礼司はゆっくりと膝をついた。

「では……次は、“とっておきの場所”にご挨拶いたしましょうか」

彼が手を伸ばすと、
綾乃の細く美しい足首が、絹のリボンでそっと結ばれている。
その足先――柔らかな土踏まずと、小さな指先を見つめながら、礼司はくすりと微笑む。

指先が、つま先に触れる。

ほんの軽い圧。なぞる程度。
綾乃の身体が、ビクッと反応する。

「……ひゃっ……やだ……そこは……!」

礼司は何も言わず、小指から親指へと一本ずつ、
指と指の間をなぞりながら、爪の裏を軽くこちょこちょと撫でる。

「ふふっ、くすぐったい……そこ……そんなの……ずるいよ……」

声はかすれ、唇が震える。
快感と羞恥、笑いの境界で綾乃の意識が揺れる。

礼司は足裏全体へと指を移し、
まずは土踏まずを円を描くように撫でる。
その圧は、まるでマッサージのように心地よい――かと思えば、

「ふふっ……うん……気持ちい――あっ!?」

突然、ブラシの毛先が、踵から指先まで一気になぞり上げた。

「きゃあああっ、まってっ、それっ、くすぐっ……うはははっ!!」

彼はブラシと指を交互に使いながら、足裏の“笑いのツボ”を完璧に把握し、
ときに強く、ときにくすぐる気配だけを残して引く――という、いじわるな技巧を重ねてゆく。

「綾乃様……土踏まずのここ、特に敏感ですね。
それに、ここの指のつけ根も――あぁ、そんなに跳ねて。愛おしい反応です」

「やだぁ……んふふっ、そこ……だめっ、ほんとにっ……!」

さらに、耳かきの綿棒側を手に取ると、
足の指と指の間を、ゆっくりゆっくり、“こしょっ”と突く。

「ひぃぃっ! それっ、それっ、やばっ、だめぇぇぇっ!!」

綾乃の全身が跳ね、言葉が崩れ、
足裏という一点を攻められながら、笑いと快感で心が白く染まっていく。

礼司の心は満ちていた。
彼女の足がどこまで許容し、どこで笑いに崩れ、どこで陶酔するのか――
すべて、愛でるように観察し、丁寧に、確実に攻める。

「もう少しだけ、つま先から……あなたの心の奥まで、解きほぐして差し上げます。
ふふ、もっと泣き笑いの綾乃様が見たいのですよ、私は」

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