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11話
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「ちょっと!伯爵様、タケリード様がかわいそうじゃない!」
ティミリが後ろから叫んだのだ。
「ば、ばかっ!やめろ」
アルメ子爵がティミリの口をおさえたが、
「やめてよ、何するのよ気持ち悪い!触らないでよっ」
タケリードがナナリーを嫌いになり、婚約解消させるだけでよかったはずが、大事になって引っ込みがつかなくなった。濡れ衣だとわかっているが、押し切るしかないティミリはバタバタと暴れ
「タケリード様は、ナナリー様に苛められて怪我をした私のために謝罪させようとしてくれたのよ。なんでこっちが謝らなきゃいけないの?」
そう言って腕を振り上げ地団駄を踏む。
ティミリの声に顔を上げたタケリードは違和感を感じて、眉間に深く皺を寄せ、低い声を発した。
「ティミリ嬢!」
呼ばれてうれしそうに笑い、自分の方に伸ばしてきた腕を掴んだタケリードは疑問を口にする。
「ナナリーに階段突き落とされて、手足を怪我したんじゃなかったのか?」
ハッとした顔で腕を引っ込めようとしたが、タケリードは腕に巻かれた包帯を素早くくるくると引き剥がしてみせる。
あざ一つないつややかな肌が現れた。
「俺は・・・騙され・・た・の・・か」
「あの、申し訳ないが一体どういうことかご説明いただいてもよろしいでしょうか?」
状況が全く読めないアルメ子爵がとうとうしびれを切らした。
「アルメ子爵は、なにもご存知ないのか?それはいくらなんでも管理不行き届きでは?」
マードルがこの上なく不愉快そうに言うと、
「申し訳ございません。これは後妻のこどもですが、通学する間、便宜上アルメを名乗らせているだけで、我が家の者ではないのです」
アルメ子爵の言葉に、ティミリが驚き叫ぶ。
「うそよっ!おとうさま」
さっきその手を払い除けて気持ち悪いと叫んだ口で、おとうさまと呼ばれたアルメ子爵は露骨に不快な顔を見せた。
「ティミリ、何を勘違いしているのか知らぬが、私はおまえに父と呼ばれる筋合いはない。おまえの母を妻に迎えたが、子爵家には正統な跡継ぎがいてティミリに相続権を与えることはできないから養子縁組をしないと言ったはずだ」
「え・・・うそ・・じゃあわたしは・・・」
「アルメ家から2~3年学院に通わせて、商会にでも嫁に行けるようにしてやると言っただろう?」
「え?商会?な・・・んで?貴族・な・・のに」
呆れ果てた目をティミリに向け、
「何を言っているんだ?今の話を聞いてもまだわからないのか?おまえは貴族ではない。子爵家の娘としては迎え入れていない、ただのイルマの同居人だ」
ティミリの瞳は、こぼれて落ちそうなほどに見開かれた。
「う・・そ・・・・・」
膝をついて項垂れたティミリを見下ろすアルメ子爵。
「もういいかね、アルメ子爵」
マードルが割って入り、話を引き戻す。
「ではその娘は子爵家の令嬢ではない?」
「はい」
「ではその娘が引き起こしたことについて、まったく責任はないと?」
アルメ子爵はすぐには答えない。
俯き、顎に手をあてて考え込むと口を開いた。
「いえ、当家の使用人が問題を起こせば、それは当主の管理責任が問われますから」
「し・・ようにん?」
ぼんやりとしたティミリが反復すると、冷たい視線をアルメが送る。
「この者が一体何をしでかしたのでしよう?」
ティミリが後ろから叫んだのだ。
「ば、ばかっ!やめろ」
アルメ子爵がティミリの口をおさえたが、
「やめてよ、何するのよ気持ち悪い!触らないでよっ」
タケリードがナナリーを嫌いになり、婚約解消させるだけでよかったはずが、大事になって引っ込みがつかなくなった。濡れ衣だとわかっているが、押し切るしかないティミリはバタバタと暴れ
「タケリード様は、ナナリー様に苛められて怪我をした私のために謝罪させようとしてくれたのよ。なんでこっちが謝らなきゃいけないの?」
そう言って腕を振り上げ地団駄を踏む。
ティミリの声に顔を上げたタケリードは違和感を感じて、眉間に深く皺を寄せ、低い声を発した。
「ティミリ嬢!」
呼ばれてうれしそうに笑い、自分の方に伸ばしてきた腕を掴んだタケリードは疑問を口にする。
「ナナリーに階段突き落とされて、手足を怪我したんじゃなかったのか?」
ハッとした顔で腕を引っ込めようとしたが、タケリードは腕に巻かれた包帯を素早くくるくると引き剥がしてみせる。
あざ一つないつややかな肌が現れた。
「俺は・・・騙され・・た・の・・か」
「あの、申し訳ないが一体どういうことかご説明いただいてもよろしいでしょうか?」
状況が全く読めないアルメ子爵がとうとうしびれを切らした。
「アルメ子爵は、なにもご存知ないのか?それはいくらなんでも管理不行き届きでは?」
マードルがこの上なく不愉快そうに言うと、
「申し訳ございません。これは後妻のこどもですが、通学する間、便宜上アルメを名乗らせているだけで、我が家の者ではないのです」
アルメ子爵の言葉に、ティミリが驚き叫ぶ。
「うそよっ!おとうさま」
さっきその手を払い除けて気持ち悪いと叫んだ口で、おとうさまと呼ばれたアルメ子爵は露骨に不快な顔を見せた。
「ティミリ、何を勘違いしているのか知らぬが、私はおまえに父と呼ばれる筋合いはない。おまえの母を妻に迎えたが、子爵家には正統な跡継ぎがいてティミリに相続権を与えることはできないから養子縁組をしないと言ったはずだ」
「え・・・うそ・・じゃあわたしは・・・」
「アルメ家から2~3年学院に通わせて、商会にでも嫁に行けるようにしてやると言っただろう?」
「え?商会?な・・・んで?貴族・な・・のに」
呆れ果てた目をティミリに向け、
「何を言っているんだ?今の話を聞いてもまだわからないのか?おまえは貴族ではない。子爵家の娘としては迎え入れていない、ただのイルマの同居人だ」
ティミリの瞳は、こぼれて落ちそうなほどに見開かれた。
「う・・そ・・・・・」
膝をついて項垂れたティミリを見下ろすアルメ子爵。
「もういいかね、アルメ子爵」
マードルが割って入り、話を引き戻す。
「ではその娘は子爵家の令嬢ではない?」
「はい」
「ではその娘が引き起こしたことについて、まったく責任はないと?」
アルメ子爵はすぐには答えない。
俯き、顎に手をあてて考え込むと口を開いた。
「いえ、当家の使用人が問題を起こせば、それは当主の管理責任が問われますから」
「し・・ようにん?」
ぼんやりとしたティミリが反復すると、冷たい視線をアルメが送る。
「この者が一体何をしでかしたのでしよう?」
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