せなとひなのナイショのはなしーっ

むらさきおいも

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再会

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3年前、元子役や鳴かず飛ばずのタレントを集めて、歌って踊れる新しいグループを作ろうと開催されたオーディションで、ちょっと名の知れた人も含め最終審査の10人の中から6人がLo-Tusに選ばれた。

元子役だった俺は、そのまま何となく俳優になったわけだが、子役のイメージが強かったせいか特に目立った役を貰えることはなく、それでも役者として何とかしがみついてきたが、一発売れてやろうとこのオーディションに参加した。

そして恋人の陽向は同じく元子役で、昔から知り合いだった。

子役時代は主役を争って同じオーディションで何度も最終審査まで上り詰めたが、大概俺より陽向が選ばれることの方が多かった。

なのにあいつは、成長と共にあっさり役者を辞めたんだ。

正直、このオーディションに陽向がいるってわかった時、なんで今更って気持ちが強かった。

本当は続けたかったのか?
それとも遊び半分で受けたのか?

全く連絡も取ってなかったし、陽向の本心が分からなかった…
なのにあいつ、俺の気も知らないで俺を見つけた瞬間、俺を抱きしめてこう言ったんだ。


「やっと見つけた!せなっ!!」

「ひ…な…?」

「覚えててくれたの!?」

「忘れるわけ…ない…っ」

「じゃあ、あの時の事も!?覚えてるよな!?」


あの時の事…?
あの時の事って何だ!?


「せな、言ったじゃん…一緒に頑張ろうって」


一緒に頑張ろう?
一体何の話だ!?
そもそも勝手に居なくなったのはお前の方だろ!?


「何…言ってんの…?」

「えっ…」

「一緒に…頑張ろう…?突然居なくなったのはお前だろ!?」

「あ、あぁ…それは…っ、ごめん…でもっ」


陽向が何か言いかけた所で集合が掛かり、各自オーディションの為のレッスンが始まった。

チーム分けをされて合宿でボイトレやダンスレッスンをこなし、各々の成果を発表しながら2次審査、3時審査へと進む。

その合間を縫って俺はひなとの時間を作って、久しぶりに話しをした。


「ひな、何で急に辞めたんだよ…」

「辞めたんじゃない…出来なかったの…っ」

「出来なかった?何で…」

「俺、事故にあって。それでずっと昏睡状態で…やっと目が覚めたと思ったらもう5年も経っててさ?去年までずっとリハビリしてたから…」


事故…!?
5年前…いや、リハビリ期間も含めたらもっと前になるのか!?

なんでそんな大事な事を俺が知らない!?
陽向が事故に合った…陽向が…事故―――


「…っ」

「あぁ、いいって。無理に思い出さなくても。あの事は忘れてくれていい…だけどこれからはまた一緒に頑張ろう?」


陽向が俺の手をギュッと握る…
その温もりは何だか少し懐かしくて、それと同時に心臓が締め付けられるように苦しくなった。

俺は絶対、何か大事な事を忘れてる…
でも何で!?
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