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7巻
7-1
しおりを挟むシングルスナッチ
ヤーパン移民特別自治区イコマでの色鱗竜〝白師〟との謁見から三週間後。
俺――☆1のアストルは、パーティの仲間達と共に馬車に揺られていた。
「ふあぁ……」
俺の隣で女剣士のミントが伸び上がってあくびを漏らす。
それに誘われたのか、彼女の妹で俺の恋人であるユユもまた、小さなあくびをした。
「二人とも眠たそうだな」
ユユが目をこすりながらコクリと頷く。
「ん。昨日は、お祭り騒ぎだったから」
暗黒竜アズィ・ダカーとの戦いで魂を失った俺は、長らくユユとミントの伝承魔法によって辛うじて存在を維持しているという危うい状態に置かれていた。
しかし、イコマでの気による治療と訓練を経て、ついに伝承魔法を解除された。
魂をこの世に繋ぎ止めていた強力な魔法を解除するのだから、何か変調があるかと思ったが、逆に体が軽くなった気さえする。
イコマではいろいろあったが、どれもこれも良いことだったように思う。
狼人族の侍レンジュウロウは、今回の里帰りを経て、今まで娘として接してきたチヨの気持ちに気付いて受け入れた。
まだしばらくじれったい思いをしそうではあるが、きっと二人は良い夫婦になるだろう。
俺は俺で、ミントと少しばかり距離を縮める出来事があり、どうにもくすぐったくはある。
そして、〝白師〟との面会では、この世界――レムシリアの根幹に関わる重要な知識を得た。
アルカナの☆のこと、二十二神のこと、世界を終焉に導く『淘汰』という現象のこと。
いずれも俺の手に余るのに、どれもこれも自分に関係しそうな話だった。
今後について考えると、少し気が張る部分もあるが……いつも通り、できることをしていくしかない。
「ねぇ、帰ったらどうするの?」
馬車の後ろで足をぶらつかせながら、ミントが俺を振り返った。
「もう〈手紙鳥〉を各所に飛ばしてある。塔に帰ったらいくつか詰めて、みんなで今後の方針を練ろう」
学園都市ウェルスの『賢人』としての顔も持つレンジュウロウが、顎に手をやりながら唸る。
「うむ……。信用のおける賢人を集めて、協議すべきじゃろうな。それに、おそらく学園長は此度の『淘汰』について何か掴んでいるじゃろう」
あの飄々としながらも抜け目のない古代エルフの学園長なら、きっと俺達の世界を襲う未曽有の危機に関して何か知っているはずだ。
問題は、それに関して力を貸してくれるかどうかは別だという点だが。
おそらく、貸してはくれまい。
あの年老いた森人は、真理への到達以外は何も考えていないような気がする。
『淘汰』すらも人類を真理に近付けるためのワンステップ……などと考えていてもおかしくはないのだ。
賢人の長というのは、お飾りでもなんでもなく、正気で狂っているから性質が悪い。
しばし沈黙が続く中、ユユがぽつりと呟いた。
「そろそろ、パメラさんの、出産日」
パメラは、俺達のパーティのリーダーであるエインズの奥さんだ。
出産間近ということで、二人はウェルスに残っている。
「そうね。アタシ達に立ち会ってほしいって言ってたし……急いで帰らないと」
里で色々と調べ回るために、少し時間を取ってしまった。ミントが言った通り、少しばかり急がねばなるまい。
「アストルさんだけでも先に戻られますか?」
「いや、チヨさん。そうはいかないよ。まだ、アクセスポイントが確保できていないしね」
ミントが少し呆れた様子でこちらを見る。
「便利よね。アタシにもできないかしら」
「ミントには無理じゃないか? ☆5だしなぁ……」
「むぅ」
何かと言うと、俺が新たに覚えた魔法の一つ、〈異空間跳躍〉の話だ。
かつて『古代アーナム人』が使用していた喪失魔法が今、俺の魔導書に刻まれている。
「実質☆1専用魔法だよ、これは。魔力との親和性が高くないと使えない設計になっている」
何せ、その身を地脈へと放り出すのだ。
便利な魔法だが、地脈が通っている場所でないと移動できないという欠点もある。
ただ、そのおかげで旧い時代の人間の都市が、何故ダンジョンのそばに多いのかわかった気がする。
おそらく、『古代アーナム人』がこの魔法を使うにあたり、地脈の上に町を築いたのだろう。
そして、それが現代になってダンジョンと化している場合が多いのではないか。
きっとよくよく調べれば、『サルヴァン古代都市遺跡群』にも『古代アーナム人』の痕跡が出てくるに違いない。
何もかも終わったら、本迷宮に行って調査したいものである。
「レンジュウロウさんとチヨさんの婚礼の儀はいつにするんです?」
俺の質問を受け、二人が顔を見合わせる。
「ふむ……どう思う、チヨ」
「レンジュウロウ様が決めてくださいませ。チヨはいつでもようございます」
「むう」
この二人は終始この通りである。
レンジュウロウにはもう少ししっかりしてもらわなくては。
「エインズとパメラさんの子が生まれて、落ち着いたら……でいいんじゃない?」
「そうじゃの。あまり時間を開けるのも良くないしのう。そうするとしよう」
ミントの意見に乗っかる主体性のない返事だが、チヨは〝そういたしましょう〟と微笑む。
その自然な様子に、俺は少し笑ってしまう。
きっとこの二人はこれでいいのだろう。
「それよりも、アストルは? どうすんのよ」
「俺は……まだ、市民権がないから……」
アルカナの☆の数の多さこそ人の価値という考えが一般的なこの世界において、俺のような☆1は結婚すら自由にできないのだ。
「一緒に挙げちゃえば? アストルなら〝白師〟様だって大喜びで仲人をやってくれそうよ?」
それは少し考えていた。
西の国の自治区の中でも、イコマは特別だ。あそこなら、俺も☆1だなんだと言われずにユユと一緒になることができるだろう。
「お姉ちゃんは?」
俺に結婚の話題を振ったミントに、ユユが聞いた。
「へ?」
上手くはぐらかしたつもりだろうが、ユユは手強いぞ、ミント。
「お姉ちゃんも他人事じゃ、ないでしょ?」
ユユにツッコミを入れられたミントが、汗を垂らしながら助けを求めるように視線を向けてきた。
おい、こっちを見るんじゃない。
「ほら、アタシは、その……違うから?」
「違わない、よ? 『姉妹嫁』なんだから」
「それは儀礼上の話で、実際はそうはいかないっていうか……ねぇ、アストル?」
だからこっちを見るんじゃない。
「ダメだよ、お姉ちゃん。帰ったら、ちゃんと話を、します。いい?」
「は、はい」
妹の有無を言わせぬ迫力に、ミントはたじたじだ。
そして、これは俺もきちんと考えないといけない問題だ。
ユユを愛している、それは確かなことだ。
意識的にも、無意識的にも事実であり、偽りない心だ。
……だが、ミントのことも俺は憎からず想っている。
危なっかしい自己犠牲も、妹に対する家族愛も、俺に見せる屈託のない好意も、俺を惹きつけてしまう。
「もう、頑固者ね」
小さく苦笑したミントが、俺に少し視線を向けるのがわかった。
彼女の魂との〝繋がり〟は切ってしまったが、本心では嬉しいと感じているのが一目瞭然である。俺にしても、ずっと一緒にいられればいいと思っているのだ。
「ま、それは置いといて……ミント、魔法の練習でもしておこうか」
「うへぇ……今日はやめとかない?」
「せっかく素養が身についたんだ。しっかり伸ばしていこう」
ミントは俺の言葉に渋々ながら頷いて、魔法の詠唱を始める。
魔法式を理解させるのはもう諦めて、魔法を丸暗記してもらうことにした。
反復練習で習熟度を上げていくほうが、彼女には向いている。
ちなみに、今練習しているのは〈猫騙し〉という、俺のオリジナル魔法だ。
ごく短い魔法式で発動する前衛向きの魔法で、効果は〝手を叩いたような大きな破裂音をさせる〟というものである。
イコマの道場で手合わせをしたハナテンが拍手をして隙を作ったのを見て、思いついた魔法だ。
みんなにはまたしても白い目で見られたが、道場で使って見せると、教えてほしいという希望が殺到した。
ミントのように隙を見つけて攻撃するタイプのスイッチアタッカーには、非常に有効な魔法だと思う。
「……! 皆様、前方から何か来ます」
御者を務めるチヨが俺達に注意を促した。
「む……戦仕事じゃ。ミント、アストル、準備せよ。ユユは馬車から援護を頼むぞ」
レンジュウロウの言葉に頷いて、俺とミントは馬車を飛び降りる。
前方から土煙を上げながら、武装集団が迫っていた。
馬に乗り、鎧兜を身につけた人影が……十人ほど。いずれもフルフェイスの兜で顔は見えないが、体つきからして全て男性だろう。
武装内容は馬上槍と、腰に剣を佩いているのが半数、弓に矢をつがえているのが三人、そして杖を構えているのが三人。制圧に効果的な編制で、かつ整った装備だ。
野盗の類にしては組織的すぎる。
「何者か!? 所属を名乗られよ!」
俺と同じ考えに至ったらしいレンジュウロウが、吼えるように大声で問いをぶつけるが、返答代わりとばかりにこちらへと矢が放たれた。
すでに〈矢避けの加護〉を使用しているので、矢は俺達を逸れて地面に刺さったものの、問答無用とは穏やかじゃないな。
槍を構えた三騎ほどが槍突撃の構えで突っ込んでくる。
後ろでは弓兵が再び矢をつがえ、杖を手にした三人が魔法の詠唱をしていた。
訓練された波状攻撃だ。
槍突撃を凌がれても矢と魔法で仕留める……対人慣れした者の戦い方ではある。……少しばかり、計算違いと思い違いをしているようだが。
俺は無詠唱で〈石槍の壁〉の魔法を使って、突撃してくる三騎の前に鋭利な棘を持つ岩壁を出現させる。
疾走する馬は急には止まれない。
鈍い激突音と周囲に舞い散る血が、彼らの作戦失敗を物語っていた。
「魔法が、来る」
馬車の中から発されたユユの警告に身構えて前方を見ると、襲撃者の魔法使いが魔法式を完成させるところだった。
魔法式と詠唱から推測するに、ランクⅢ魔法の〈電光の矢〉だ。
……直撃をもらっていい魔法じゃないな。
一歩踏み出し、前に出る。
〈電光の矢〉は電撃を伴う魔力の光線を発射する魔法だ。貫通力が高く、避ける以外の方法ではその攻撃を防ぐのが難しい。
故に……この場面では、同じ魔法をぶつけてやるのがベターな選択だろう。
三つの輝きが順次、俺達に放たれる。
同時でなくてよかった。
ユニークスキルの【反響魔法】が十全に使えるからな……!
三発分の〈電光の矢〉を【反響魔法】を駆使して時間差で撃ち返す。
魔法の電撃光線が激突し合って、電撃が爆ぜる。
三本の〈電光の矢〉のうち、二本分は俺の魔法が競り勝ったようで、威力こそ減じたものの、魔法使い二人を貫いて落馬させた。
無事な一人は充分に魔法を習熟しているのだろうが、多少焦った様子を見せている。
そして何より、一番この出来事に驚いたのは馬達だ。
〈電光の矢〉同士がぶつかり合う閃光と電撃、イオン臭、そして爆音。
訓練された馬でも、これには恐怖を覚えたらしい。
いななきながら体を震わせて、騎乗者を振り落とそうとしている。
「たああああぁぁぁぁッ!」
これを好機と見たミントが、俺の脇を高速で駆け抜けていった。
その目にはうっすらと赤い燐光が宿っている。
彼女のユニークスキル、【狂戦士化】だ。
恐怖も痛みも感じず、動けなくなるまで暴れ回るというハイリスクなスキルだが、ある程度コントロールされた【狂戦士化】は、ミントにピッタリなスキルになっていた。
駆けるミントに、無詠唱で強化魔法をいくつか重ねる。
「参る……ッ!」
続いて、イコマで手に入れたらしい新しい大槍を構えたレンジュウロウが、その巨躯に似合わない速度で静やかに駆けていく。
そして、あっという間に馬上槍を持った襲撃者の首を一つ、刎ね飛ばした。
ああ……俺以上に容赦のない二人が、勢いづいて乱戦をはじめてしまった。
ここから先、俺の出番はなさそうだ。
「わたくしも、参ります」
声だけが聞こえて、チヨの気配が通り過ぎてゆく。
彼女に任せておけば、残った敵勢力の後衛を速やかに始末してくれるだろう。
「ユユ、手伝ってくれ。三人をサポートしよう」
「ん」
馬車を出て俺の隣に並んだユユが、杖を構えて小さく頷く。
もう大勢は決した。そしてミント達はこのまま彼らを徹底的に殲滅するだろう。
……と、様子を観察していたら、残り二人になった襲撃者が武器を捨てて手を上げた。
杖と、弓の襲撃者が一人ずつ。
こちらが投降を呼びかけてもいないのに、逃げようともせずにいきなり降伏とは、やはり普通の野盗の類とは思えない。
胡坐をかいて座り、フルフェイスを脱ぐ襲撃者。二人とも、中年の髭面だ。
「我々は城塞都市テリオンの『犬鷲旅団』第七部隊所属の傭兵騎士である。条約に則った扱いを要求する」
襲撃者の一人が堂々たる態度でそう言った。
どうして命の危険を前にして、こんなに偉そうなんだ。
もしかして、降伏したから助かるなんて勘違いしているんじゃないだろうか。
うちの前衛二人はそう甘くないと思うぞ……?
「ミントよ、この野盗は何か言ったかのう?」
レンジュウロウとミントが顔を見合わせる。
「よく聞き取れなかったわ。命乞いには聞こえなかったし、早く首を刎ねましょ。時間がもったいないわ」
ほら、こうなった。
「な……野蛮な」
襲撃者二人は、驚いた様子で顔を青くする。
そもそも、彼が言っている条約が〝戦時における捕虜の取り扱い〟を定めるミミドダナ条約を指すのか、〝無抵抗者に対する武力行使の禁止〟についてのラバナン条約を指すのかが不明瞭だ。
とはいえ、今は戦時ではないし、名乗りもせずに先制攻撃を仕掛けてきたのだから、無抵抗とは言えない。
どちらにしろ、これらの条約が適用される場面には当てはまらないだろう。
改めて、襲撃者に問う。
「ええと、俺達を襲った理由は?」
「黙秘する」
「そうですか、では生かしておく理由が見当たらないな。……死にたいってことでいいですか?」
俺の言葉を聞き、襲撃者は青くなった顔を小さく左右に振る。
「う、上からの命令で……」
城塞都市テリオンはこの一帯を統治する軍事国家のような都市だ。
それが傭兵騎士を派遣してまで俺達を襲わせるとは、どういうことだろうか。
「俺達が目的だと?」
弓兵の男がコクコクと頷く。
「詳しいことは知らない……。街道を見張って、お前達が通ったら殺すか捕らえるかしろと……! 報賞金が出るんだ!」
「つまり、ワシらに賞金がかけられておるというわけかの?」
「何もしてないわよ、アタシ達」
俺達がイコマにいる間に、何やらキナ臭いことになってしまっているようだ。
「話したんだから、助けてくれるよな?」
「ええと、でも逃がしたら俺達のことを話すでしょう?」
「後生だから……」
そう言われても、リスクが大きすぎる。たとえここで俺が見逃しても、きっとレンジュウロウとミントが許さないだろう。
それに、金のために問答無用で俺達を殺そうとした連中だ。今回ばかりは俺も〝殺さずにおこう〟とはとても言えない。
「……学園都市へ急ぎましょう」
動かなくなった二人の傭兵騎士をその場に残して、俺達は街道を南へとひた走った。
◆
「ふむ……どうやら賞金首になっておるのは間違いなさそうじゃな」
チヨが宿場町で手に入れてきた紙を確認したレンジュウロウが、干し肉を頬張りながら唸った。
「はい。周辺にはかなりの人員が配置されております」
現在俺達は、イコマにほど近い宿場町から少し離れた林の中で野営をしていた。
魔物に出くわす危険がないわけではないが、『結界杭』もあるし、賞金稼ぎや傭兵騎士達がうろつく宿場町よりは安全だ。
「……何故テリオンが俺達を狙っているんでしょうか?」
俺の質問に、レンジュウロウが首を捻る。
「わからぬ。が、ロクでもない何かが絡んでおるのは確かじゃな」
「似顔絵までついてるわ。なかなか良く描けてるわねぇ!」
ミントが顔を綻ばせるほど詳細な似顔絵が、その紙には描かれている。
そして、賞金額も。
「五十万ラカ。☆1にかけるにしては法外な賞金だよなぁ」
二年くらい働かなくても楽に食っていけるような金額だ。
☆1一人を捕まえて得られる賞金としては高すぎる。だが、賞金の相場を考えれば、決して目玉が飛び出るほど高いというわけではない。
俺はそこに違和感を覚えた。
この依頼書を出した人間は、俺のことをあまりよく知らないのだろうか?
俺一人ならともかく、行動を共にしているみんなの危険度を度外視しているとしか思えない。
俺達五人を相手取って金貨五十枚では、ハッキリ言って割に合わないだろう。
「あと、わたくし達の位置はある程度捕捉されていると見て間違いないでしょう。イコマから出てくるのをずっと見張っていたようですし」
チヨが口にしたのは、降伏した二人から得た情報だ。
俺達がイコマを出発したことはすでに知られており、街道には仕事熱心な賞金稼ぎがうようよいるみたいだ。
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